育て方のポイント
サンパチェンスの育て方早見表
サンパチェンスは、春から秋まで大きな花を次々と咲かせるインパチェンスの園芸品種です。 暑さや日差しに比較的強く、日なたでも育てられますが、35℃を超えるような猛暑では半日陰の方が安全です。 大株になると多くの水を必要とするため、特に真夏の水切れに注意します。
- 分類
- 多年草・日本では一年草扱い
- 開花期
- 5月~11月
- 花色
- ピンク、赤、白、オレンジ、紫など
- 草丈
- 40cm~100cm。1株でも大きく育つ
- 日照
- 日なた~半日陰。猛暑時は半日陰が安全
- 適した場所
- 日当たりまたは半日陰で、水はけと風通しのよい場所
- 水やり
- 水切れに注意。真夏の鉢植えでは朝夕2回必要になることもある
- 肥料
- 生育期は定期的に追肥し、肥料切れを防ぐ
- 植え付け
- 4月中旬~7月。根鉢を崩さず植え付ける
- 株間
- 庭植えでは約60cm
- 鉢植え
- 最終的には直径30~36cm程度の大きく深い鉢が向く
- 切り戻し
- 伸びすぎたら1/3~1/2程度切り戻して草姿を整える
- 冬越し
- 10℃以上を保てる明るい室内なら可能
- 増やし方
- 挿し木(挿し芽)
- 病害虫
- スリップス、ハダニ、アブラムシに注意
育て方のコツ: サンパチェンスは暑さに強い植物ですが、猛暑と水切れが重なると葉焼けや萎れを起こします。 真夏は毎日土の乾き具合を確認し、35℃を超えるような時期は午後の日差しを避けられる場所で管理すると安心です。
サンパチェンスの基本情報
- 学名…Impatiens hybrida
- 商品名…サンパチェンス(SunPatiens®)
- 科名…ツリフネソウ科
- 属名…ツリフネソウ属
- 原産国…園芸品種
- 花色…ピンク、赤、白、オレンジ
- 草丈…40cm~100cm
- 日照…日なた~半日陰
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:
サンパチェンスとは

サンパチェンスは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の多年草です。
日本の育苗会社であるサカタのタネが、インパチェンスとニューギニア・インパチェンスのハイブリッドとして開発した園芸品種です。
インパチェンスは夏の花でありながら直射日光に弱いという性質があり、半日陰の場所でしか育てられないという欠点がありました。
それを種間交雑によって改良し、夏の日差しにも耐える性質を持った品種として開発されたのが「サンパチェンス」です。
「サン(Sun)=太陽」と「ペイシェンス(Patience)=忍耐」という単語を合わせて「サンパチェンス」と名付けられています。
サンパチェンスは、一般的なインパチェンスに比べると草丈が高く、葉や花も大きいのが特徴です。
本来は多年草ですが耐寒性が低く、冬に枯れてしまうため、園芸上は一年草として扱います。
サンパチェンスの花期は5月~11月。
花期になると、分枝した茎の上部の葉の付け根から花序を出し、花を咲かせます。
花序は総状(そうじょう)で、一つの花序には1~5個の花が付きます。
※総状花序(そうじょうかじょ)…柄のある花が花序軸にほぼ均等に付く花序の形。
▼サンパチェンスの花序

花は花径5~6cmの3弁花です。
一見すると5枚以上の花弁があるように見えますが、左右にある側花弁はそれぞれが基部で合着しています。
▼サンパチェンスの花弁

下側の萼片からは特徴的な距(キョ)と呼ばれる長い筒が伸びており、ここに蜜が入っています。
▼サンパチェンスの距

花は長い花期の間、次々と開花します。
花色はピンク、赤、紫、白、オレンジなどがあります。
豊富な花色が揃うことも魅力の一つです。
▼赤いサンパチェンス

葉は対生、または輪生し、先の尖った楕円形~卵形で縁に鋸歯があります。
▼サンパチェンスの葉の様子

葉に斑が入る斑入り品種もあります。
▼斑入り品種「スプラッシュホワイト」

茎はよく分枝して花を咲かせながら、草丈40~100cm程度に成長します。
一株でも十分なボリュームがあり、株一杯に花を咲かせた様子は非常に華やかで、抜群の存在感があります。
▼たくさんの花を咲かせるサンパチェンス

暑さには強いのですが、夏の強い日差しで葉焼けしてしまうことがあります。
特に水切れすると葉焼けを起こしやすいので、夏場の水の管理には注意が必要です。
耐寒性が低いため、日本では一年草として扱われるのが一般的です。
室内などで温度を保つことができる環境があれば、冬越しが可能です。
サンパチェンスとインパチェンスの違い
サンパチェンスはインパチェンスの仲間ですが、一般的なインパチェンスやニューギニア・インパチェンスとは、 日照への強さや株の大きさなどに違いがあります。
| 種類 | 日照 | 株の大きさ | 暑さ | 育て方のポイント |
|---|---|---|---|---|
| サンパチェンス | 日なた~半日陰 | 大きい。草丈40~100cm程度 | 強い。ただし猛暑時は半日陰が安全 | 大株になるため水切れと肥料切れに注意する |
| インパチェンス | 半日陰 | 比較的コンパクト | 夏の強い直射日光を避ける | 明るい日陰や半日陰で育てやすい |
| ニューギニア・インパチェンス | 半日陰 | 中程度 | 強い直射日光や高温多湿を避ける | 花と葉が大きく華やか。夏は涼しい半日陰で管理する |
サンパチェンスの近縁種
サンパチェンスが属するツリフネソウ属は、世界に約1000種が分布する巨大な植物群です。 多くはアフリカ、アジアの熱帯・亜熱帯地域に分布しており、いくつかの種が観賞用として栽培されています。 観賞用として栽培されるのは本種の他、以下のようなものがあります。
サンパチェンスの育て方

栽培環境
水はけと風通しの良い場所が適しています。
日光を好みますが、夏の強い日差しが一日中当たるような場所だと、葉焼けや花焼け(花弁の色が白く抜ける)を起こすことがあります。
庭植えの場合は、午後から日陰になるような半日陰の場所に植えてください。
鉢植えの場合は、日なたで管理し、葉焼けや花焼けの症状が出たら半日陰に移動します。
水切れをさせていないのに葉が反り返ったりした場合は、葉焼けのサインです。
早目に半日陰の場所に移動してください。
真夏に葉が萎れたり葉焼けする場合
サンパチェンスは一般的なインパチェンスより暑さや日差しに強い植物ですが、 35℃を超えるような猛暑では株に大きな負担がかかります。
葉が萎れている場合は、まず土の乾き具合を確認します。
大株になった鉢植えは真夏に大量の水を使うため、朝に水やりをしても夕方には乾いていることがあります。
土が乾いていたら、鉢底から流れ出るまで十分に水やりをします。
土が十分湿っているのに葉が反り返ったり、葉や花の色が白く抜けたりする場合は、 強い日差しや高温による葉焼け・花焼けが考えられます。 鉢植えは午後から半日陰になる場所へ移動し、庭植えでは必要に応じて遮光します。
冬越し
温度を保てる環境では冬越しできます。
冬越しに必要な温度は10℃以上です。
冬場は室内での管理が基本になります。
鉢植えの場合は、草丈の1/2~1/3程度の高さでバッサリと切り戻して室内に取り込みます。
切り取った茎は挿し穂として利用することができます。
庭植えの場合は、挿し木苗を作って、同じく室内で管理します。
窓際などの日が当たる場所に置き、水やりは控えめにしてください。
無事に冬を乗り切ったら、春になって十分に暖かくなってから植え替えを行います。
水やり
庭植えの場合は、根付くまでは土の表面が乾いたら水やりを。
その後は、乾燥が続くようなら水やりをしてください。
植え付け直後はまだ根が十分に張っていないため、過湿に注意し、 土の表面が乾いたことを確認してから水やりをします。
株が大きく育つと水を多く必要とします。
特に真夏の鉢植えでは毎日土の状態を確認し、 朝にたっぷりと水やりをしても夕方に乾く場合は、夕方にも水やりをします。
受け皿を使っている場合は、受け皿に溜まった水はその都度捨ててください。
放置しておくと根腐れの原因になります。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に腐葉土や完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。
庭植え、鉢植えともに肥料を切らさないように管理します。
植え付け後、1~2週間して根が張ってきたら追肥を施してください。
5月~10月の生育期間中、緩効性化成肥料を月に1回程度置き肥し、合わせて液体肥料を7~10日に一度程度施します。
植え付け、植え替え
植え付け
適期は4月中旬~7月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ってください。
株間は60cm程度で植え付けます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土かサンパチェンスの土、または赤玉土(小粒)5・腐葉土3・完熟堆肥2などの配合土を使います。
最終的には10~12号程度の深さのある鉢に1株が目安です。
植え替え
一年草として育てる場合は、通常は植え替えの必要はありません。
冬越しした株は、春になって十分に暖かくなってから新しい用土で植え替えます。
植え替えの際は、根を傷めないように気を付けてください。
サンパチェンスは1株でも大きく育ちます
サンパチェンスは生育旺盛で、1株でも大きな株になります。
庭植えでは株間を約60cm確保し、周囲の植物を覆わないように植え場所を選びます。
鉢植えでは、購入直後からいきなり大鉢に植えるより、 まず直径15~18cm程度の鉢で根を張らせ、株が育ってから直径30~36cm程度の深い鉢へ植え替える方法もあります。
鉢が小さすぎると真夏に水切れしやすくなります。
株が鉢いっぱいに育って乾きが早くなったら、鉢のサイズも確認します。
切り戻し、花がら摘み
咲き終わった花は、花茎の根元から摘み取ってください。
茎が伸びすぎてバランスが悪くなった時には、バッサリと切り戻します。
茎頂から1/3~1/2の位置が目安です。
増やし方(挿し木)
挿し木(挿し芽)で増やすことができます。
挿し木(挿し芽)
生育期の5月~10月であればいつでも可能です。
枝の先端から2~3節を付けて切り取って挿し穂にします。
蕾や花が付いていたら取り除き、葉も上部を5~6枚残して取り除きます。
水揚げをしたら挿し木用土に、葉を取り除いた節が埋まるように挿してください。
水を切らさないように明るい日陰で管理して発根を待ちます。
挿し穂を水に挿しておいても発根します。
その場合は、水温が上がりすぎないように注意し、水が腐らないように取り替えて発根を待ってください。
※種苗登録されている品種は、営利目的で許可なく増やしたり譲渡することが禁止されています。
病気、害虫
スリップス(アザミウマ)
植物の表面に付いて汁を吸う虫ですが、厄介なのはウイルス病を媒介することです。
被害を確認したら薬剤などで早目に対処してください。
ハダニ、アブラムシ
アブラムシもウイルス病を媒介することがあります。
見付け次第駆除してください。
よくある質問
サンパチェンスのよくある質問
サンパチェンスを育てるときによくある疑問をまとめました。 真夏の日差し、水やり、花が咲かない原因、切り戻し、冬越しなどを確認しておきましょう。
サンパチェンスは日なたでも育てられますか?
サンパチェンスは日なたから半日陰で育てられます。 一般的なインパチェンスより日差しに強いのが特徴です。 ただし、最高気温が35℃を超えるような真夏の猛暑では、午後から半日陰になる場所の方が安全です。
サンパチェンスの葉が萎れる原因は?
真夏に葉が萎れる場合は、まず水切れを確認します。 大株になったサンパチェンスは非常に多くの水を使うため、鉢植えでは朝に水やりをしても夕方には乾くことがあります。 土が湿っているのに葉が反り返る場合は、強い日差しや高温によるストレスも考えられます。
真夏は1日2回水やりが必要ですか?
毎日必ず2回水やりをする必要はありません。 土の表面が乾いているかを確認してから水やりするのが基本です。 ただし、大株になった鉢植えでは、真夏の晴天日に朝夕2回必要になることがあります。
サンパチェンスの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、肥料切れ、水切れ、根の生育不良などが原因として考えられます。 一日中日陰になる場所では花数が少なくなるため、少なくとも半日程度は明るい場所で育てます。 生育期は肥料切れにも注意します。
サンパチェンスは切り戻した方がよいですか?
茎が伸びすぎて草姿が乱れた場合は、切り戻すことができます。 株の1/3~1/2程度を目安に切り戻すと、新しい枝が伸びて再び花を咲かせます。 極端な猛暑の時期は株への負担を避け、状態を見ながら行います。
サンパチェンスは冬越しできますか?
本来は多年草ですが寒さに弱いため、日本では一年草として扱うのが一般的です。 10℃以上を保てる明るい室内があれば冬越しできます。 鉢植えは株を切り戻して室内へ取り込み、冬は水やりを控えめにします。
サンパチェンスは1株でどのくらい大きくなりますか?
サンパチェンスは1株でも大きく育ります。 庭植えでは株間を約60cm取り、鉢植えでは最終的に直径30~36cm程度の深さのある鉢を使うと育てやすくなります。 小さな鉢では真夏に水切れしやすくなるため注意します。
サンパチェンスとインパチェンスの違いは?
サンパチェンスは、サカタのタネが開発したインパチェンス属の種間雑種です。 一般的なインパチェンスより日差しや暑さに強く、大株に育るのが特徴です。 ただし、真夏の極端な高温や強い日差しでは半日陰の方が安全です。



