一年草・二年草

オシロイバナ

学名…Mirabilis jalapa
和名…オシロイバナ(白粉花)
別名…ユウゲショウ(夕化粧)、フォー・オクロック
科名…オシロイバナ科
属名…オシロイバナ属(ミラビリス属)
原産国…熱帯アメリカ
花色…白、ピンク、赤、黄色、オレンジ、複色
草丈…50㎝~100㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 11

オシロイバナとは

オシロイバナ

オシロイバナの仲間は、アメリカ大陸を中心に約50種が分布するオシロイバナ科オシロイバナ属の多年草です。
美しい花を咲かせる幾つかの種が栽培されていますが、最も広く普及しているのが、オシロイバナの和名を持つミラビリス・ヤラッパ種(Mirabilis jalapa)です。
ヤラッパ種は南アメリカの熱帯雨林原産のオシロイバナで、一般的にオシロイバナと言うと本種を指します。

また、流通量は少ないですが、ナガバナオシロイバナの和名を持つミラビリス・ロンギフローラ種も栽培されることがあります。
ナガバナオシロイバナは、名前の通り花が長いのが特徴のオシロイバナの近縁種です。
ここでは上述の2種をオシロイバナとして紹介しています。

日本へは江戸時代に渡来し、一部が野生化して帰化しています。
両種共に多年草ですが、耐寒性が低く日本では冬の寒さで枯れてしまうことが多いため、春に種をまいて夏に花を楽しむ春まき一年草として扱うのが一般的です。

オシロイバナの花期は6月下旬~10月。
花期になると、分枝した茎の先に、花径2~3㎝程度の花を多数咲かせます。
花は基部が筒状で先が5裂していますが、花弁のように見える部分は萼片が変化したもので、オシロイバナに花弁はありません。
花の付け根にある萼のような部分は苞葉(ホウヨウ)と呼ばれる、葉が変化したものです。

▼オシロイバナの花

オシロイバナ

花は夕方4時頃から開き、翌朝の9時頃には萎んでしまう一日花ですが、花期の間は途切れることなく次々と開花します。
オシロイバナの英名である「フォーオクロック(Four-O'clock)」の名前は、午後4時頃から咲き始めるこの性質に由来しています。
花色は白、ピンク、赤、黄色、オレンジ、複色。
絞り咲きや咲き分けの品種は、花ごとに花色が微妙に異なります。
花にはほのかな香りがあります。

▼絞り咲き品種のオシロイバナ

オシロイバナ

葉は先が尖った卵型、または心形で対生します。
茎はよく分枝して花を咲かせながら、草丈50~100㎝程度に成長します。

▼オシロイバナの株の様子

オシロイバナ

耐寒性はあまり高くありませんが、暖地であれば根が残って冬越しし、春に再び芽吹きます。
種からも容易に育てることができ、こぼれ種でもよく増えます。

オシロイバナの名前の由来

オシロイバナ

オシロイバナの名前は花後に実る果実に由来しています。

果実は表皮が固くなる前につぶすと、中には白い粉状の胚乳が入っています。
この胚乳がおしろいのようなことから「オシロイバナ」の名前が付きました。
この種や根には毒性があり、誤食すると腹痛や嘔吐、下痢を起こします。

オシロイバナの主な品種

オシロイバナ(Mirabilis jalapa)

オシロイバナ

南アメリカの熱帯雨林原産のオシロイバナです。
現在では熱帯から温帯にかけての広い地域で帰化植物として定着しています。

絞り咲きや、咲き分け品種なども流通しますが、品種名のないものがほとんどです。
上の写真は咲き分け品種で、ピンクの花と白の絞り咲きの花が一株から咲きます。
一株から様々な花が咲くことから、「ペルーの不思議(Marvel of Peru)」という英名も持っています。

ナガバナオシロイバナ(M. longiflora)

ナガバナオシロイバナ

アメリカのアリゾナ州からテキサス州、メキシコ北部に分布するオシロイバナの近縁種です。
名前の通り花筒が非常に長く、10㎝以上の長さになります。
花色は白のみ。

オシロイバナの育て方

オシロイバナの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
この条件さえあれば、放任でもよく育ちます。
日当たりの悪い場所では生育、花付きともに悪くなるので、よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

関東以西の平野部であれば、地上部が枯れても根が残り、春に再び芽吹きます。
秋になったら地上部を地際で刈り取って下さい。
冬越し中は水やりの必要はありません。

その他の地域では、根が球根のように肥大するので掘り上げて保管しておき、春に植え付けることも可能ですが、種を採取して春に種をまいた方が簡単です。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

やせ地でも育つ植物で、多くの肥料は必要ありません。

庭植えの場合は、極端なやせ地でない限り、肥料を施す必要はありません。
鉢植えの場合は、6月~9月の生育期の間、緩効性化成肥料か液体肥料を施します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は5月~6月です。

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、数年に一度植え替えを行うと生育が良くなります。
冬の休眠期に球根を掘り上げて、新しい用土で植え付けて下さい。

庭植えの場合は、植え替えの必要は特にありません。

切り戻し

大きくなりすぎた場合や、不要な枝は節の上で切り戻して下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。

種まき

適期は4月中旬~6月中旬です。
発芽温度が20℃~25℃と高いので、暖かくなってからまいて下さい。

直根性で移植を嫌います。
種は花壇に直まきするかポットにまいて下さい。
覆土は種が隠れるように5㎜程度。
ポットにまいた場合は、本葉が2~3枚程度になったら、根を傷つけないように注意して定植します。

病気・害虫

まれにアブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。

-一年草・二年草
-, ,