リナリア(ヒメキンギョソウ)

  • 学名…Linaria
  • 和名…ヒメキンギョソウ(姫金魚草)、ムラサキウンラン(紫海蘭)
  • 別名…リナリア
  • 科名…オオバコ科
  • 属名…ウンラン属
  • 原産国…ヨーロッパ、地中海沿岸地域
  • 花色…赤、ピンク、紫、白など
  • 草丈…20㎝~40㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:一年草

リナリア(ヒメキンギョソウ)とは

リナリア

リナリアは、ヨーロッパ、北アフリカなど地中海沿岸地域原産のオオバコ科ウンラン属の一年草です。
リナリアというのはウンラン属の学名です。
ウンラン属は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアなど北半球の温帯を中心に約150種の植物が分布しています。
その中で花の美しい数種がリナリアとして流通しています。

主に流通しているのは、リナリア・マロッカナ(Linaria maroccana)と、リナリア・ビパルティタ(ムラサキウンラン:Linaria bipartita)、そしてその交雑種です。
前者のマロッカナ種は、モロッコに分布するモロッコ固有種のリナリアで、赤紫色~ピンク色、黄色~白などの花を咲かせます。
後者のビパルティタ種は、地中海沿岸地域を原産とするリナリアで、青色からピンク色の花を咲かせます。

両種共に観賞用として世界で広く栽培されていますが、日本で流通するリナリアの大半は、前者のマロッカナ種の園芸品種です。
日本へは明治時代末期に渡来し、近年では栽培を逸出したものが一部の地域で野生化しています。

※ヒメキンギョソウの和名はリナリア・プルプレア(Linaria purpurea)に付けられたものですが、園芸界では主に一年草であるマロッカナの園芸品種に使われています。
プルプレアは多年草であることから宿根リナリア(宿根ヒメキンギョソウ)と呼ばれています。

ここでは一年草であるマロッカナおよびその園芸品種をリナリア(ヒメキンギョソウ)として紹介しています。


リナリアの花期は3月~6月。
花季になると、真っ直ぐに伸びた茎の咲に花序を出し、多数の花を穂状に咲かせます。
花序は総状で一つの花序に10~30個の花が密に付きます。

▼リナリアの花序の様子

リナリアの花序

花は径1~2㎝程度の唇形花です。
唇形花(しんけいか)とは、シソ科の植物に多く見られる花の形です。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれており、この様子を口に見立て、上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼びます。

リナリアの唇形花は、上唇は直立して2裂しており、下唇は凸形で中央が大きく盛り上がり3裂しています。
下唇の基部には細かい毛が生えています。

▼リナリアの唇形花

リナリア(ヒメキンギョソウ)の唇形花

花の後ろには距(きょ)と呼ばれる中が空洞になった突起物が付いています。

▼ヒメキンギョソウの距(きょ)

リナリア(ヒメキンギョソウ)の距

マロッカナでは萼と花柄、茎に細かい腺毛があり、ムラサキウンランでは無毛とされています。

▼リナリアの萼の腺毛

リナリア(ヒメキンギョソウ)の腺毛

花はキンギョソウを小さくしたような姿をしており、ヒメキンギョソウの和名はこの花姿に由来しています。
ただし、キンギョソウの近縁種というわけではなく、キンギョソウは同じオオバコ科に分類されていますがキンギョソウ属の多年草(一年草扱い)で、リナリアとは異なる属の植物です。

花色は赤、ピンク、紫、白など。

▼たくさんの花を咲かせたリナリア

リナリア(ヒメキンギョソウ)

葉は互生し、細い披針形、または線形です。
草丈20㎝程度の矮性種、60㎝程度に育つ高性種などがあります。

▼リナリア(ヒメキンギョソウ)の葉の様子

リナリア(ヒメキンギョソウ)の葉の様子

秋に種を蒔いて春に花を楽しむ秋まき一年草です。
耐寒性がありますが、強い霜には注意が必要です。
種からでも容易に育てることができ、こぼれ種でもよく増えます。

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リナリア(ヒメキンギョソウ)の育て方

リナリアの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日当たりが悪いと生育、花付き共に悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

暖地であれば対策無しで戸外での冬越しが可能です。
強い霜に当たると繊細な葉が枯れてしまうことがあります。
鉢植えの場合は、霜の心配の無い軒下などで管理して下さい。
庭植えの場合は、霜よけを設置すると安心です。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中の株は、やや乾燥気味に管理して下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要は特にありませんが、葉色が悪くなるようなら液体肥料を施して下さい。
鉢植えの場合も同様です。

肥料が多すぎると、草丈が高くなり倒れやすくなるので注意して下さい。

植え付け

適期は10月~11月です。

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込み、さらに元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込んでおきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

日常の管理

花が一段落したら花茎の付け根で切り戻すと、もう一度花を咲かせます。

種まき

適期は9月~10月です。

種が非常に細かいので、種は播種箱などに重ならないよう注意して蒔きます。
好光性種子なので、覆土はせず軽く押さえて下さい。
水は底面給水で、発芽したら間引き、本葉が2~3枚程度になったらポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。

寒い地域では、春まきにするか、鉢で冬越しして春に定植します。

立枯病が発生することがあるので、播種、育苗の用土は清潔なものを使用して下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことができますが、こぼれ種でもよく増えます。

種の採取

花後に果実が出来るので、茶色くなったら花茎を切り取って下さい。
受け皿や新聞紙などの上で軽く振ると種がパラパラと落ちてきます。

▼リナリアの種

リナリアの種

採取した種は封筒などに入れ、冷暗所で保管します。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。

病気・害虫

立枯病

苗が小さい時期に発生しやすい病気です。
播種、育苗の用土は清潔なものを使用して下さい。
過湿な環境でも発生しやすくなるので、苗が小さい内はやや乾燥気味に管理します。

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