一年草・二年草

ノースポール

  • 学名…Mauranthemum paludosum (Poir.) Vogt et Oberpr.
    Leucanthemum paludosum (Poir.) Bonnet et Barratte
    Chrysanthemum paludosum Poir.
  • 和名…ノースポールギク
  • 別名…カンシロギク、レウカンセマム・パルドサム、クリサンセマム・パルドサム
  • 科名…キク科
  • 属名…マウランセマム属
  • 原産国…地中海沿岸地域
  • 花色…白色
  • 草丈…15㎝~30㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ノースポールとは

ノースポール

ノースポールは、キク科マウランセマム属の一年草です。
マウランセマム属の植物はヨーロッパ、北アフリカに4種が知られており、その中のマウランセマム・パルドスムから作出された品種がノースポールとして流通しています。

「ノースポール」はサカタのタネが作出した園芸品種に付けられた名前ですが、種苗登録などがされていないため、現在ではマウランセマム・パルドスムの和名として(ノースポールギク)として使われています。

原種マウランセマム・パルドスムは、アフリカのナイジェリアを中心に、ヨーロッパのスペインやポルトガルなど地中海沿岸域に広く分布するキク科の一年草です。
日本では1970年頃から普及し始め、現在では冬花壇の定番植物として定着しています。


ノースポールの花期は12月~5月。
花期になると、伸びた茎の葉の付け根から花茎を伸ばし、1個の頭花(とうか)を咲かせます。
頭花とは、主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。

一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ぜつじょうか)と、中心部分の小さな管状花(かんじょうか)から作られた集合花です。

▼ノースポールの頭花

ノースポールの頭花

ノースポールの頭花は直径3㎝程度の大きさて、舌状花は白、管状花は黄色です。

管状花は外側から中心へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後で雌しべが伸びて成熟します。

▼ノースポールの管状花

ノースポールの管状花

花期が長く、冬の間の開花はぽつぽつですが、春の最盛期を迎えると株が白い花で覆われます。

ノースポールよりやや花が大きく、花径3.5~4㎝程度の花を咲かせるスノーランドという品種も流通しています。

▼最盛期のノースポール

最盛期のノースポール

葉は互生し、6㎝程度の長さで周囲に鋭い鋸歯があります。

▼ノースポールの葉の様子

ノースポールの葉の様子

茎はよく分枝して花を咲かせながら草丈20~30㎝程度に成長します。
株はこんもりと茂ります。

▼ノースポールの株の様子

ノースポールの株の様子

耐寒性は高く、通常は秋に種をまいて春に花を楽しむ秋まき一年草として扱います。
※寒冷地では春まきにします。

丈夫な性質で手間がかからず、こぼれ種でよく増えます。

ノースポールの属(マウランセマム属)

ノースポールはかつてキク科キク属(クリサンセマム属)に分類されたいました。

キク属は200を超える種が属する大きな属でしたが、細分類され、10以上の属に分かれました。
その中の一つがフランスギク属(レウカンセマム属)で、ノースポールもかつてはフランスギク属に分類されていました。
その後、フランスギク属から分離し、現在のマウランセマム属になりました。
その名残で現在もキク属やフランスギク属として扱われていることもあります。

旧分類のフランスギク属の仲間ではシャスターデージーなどがよく栽培されています。
また同様にフランスギク属に含まれていたムルチコーレは、現在コレオステフス属に分離されています。

ノースポールの育て方

ノースポールの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭程度の日照でも育ちますが、徒長して花付きが悪くなります。
締まった草姿でたくさんの花を楽しむためには、よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

比較的耐寒性があり、関東以西の平地では戸外でそのまま冬越し可能です。
強い霜や寒風で葉が傷むことがありますが枯れることはありません。

寒冷地の場合は、強い霜や雪の心配のない場所で冬越しをするか、春に苗を植え付けます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は10月~5月の間に、緩効性化成肥料を1か月に1回程度、置き肥して下さい。

鉢植えの場合も同様で、緩効性化成肥料を1か月に1回程度、置き肥して下さい。

植え付け

適期は3月~4月、10月~12月です。

植え付け(用土)

庭植えの場合は、用土に腐葉土や完熟堆肥を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
株間は20㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
60㎝コンテナに3~5株が目安です。

種まき

適期は9月~10月です。
発芽温度が15℃~20℃とやや低めなので、涼しくなってから種をまいて下さい。
※寒冷地では3月下旬~5月上旬が種まきの適期です。

種は播種箱やポットにまき、覆土は種が隠れる程度。
水を切らさないように管理し、播種箱にまいた場合は本葉が2~3枚程度になったらポット上げします。
ポットに根が回ったら定植して下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ますが、こぼれ種でもよく増えます。

種の採取

ノースポールの種は花の中心の黄色い部分にあります。
天気のいい日を選んで花柄を摘み取り、新聞紙などの上で数日間乾燥させて下さい。
乾燥させたら種を揉み出して採取して下さい。
採取した種は封筒などに入れて冷暗所で保管します。

種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。

病気、害虫

ヨトウムシ、ネキリムシ

苗を植え付けた直後に発生しやすい害虫で、根や茎、葉を食害します。
夜行性のため、昼間は土の中に隠れています。
食害を見つけたら、株元を土を軽く掘り返すと潜んでいることがあります。
見つけ次第、捕殺して下さい。

アブラムシ

新芽や蕾に発生しやすい害虫です。
見つけ次第、駆除して下さい。

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