病害虫

毛虫の種類と駆除方法|毒のある毛虫・毒のない毛虫の見分け方

毛虫とは、分類学上で明確な定義があるわけではなく、チョウやガの幼虫の中で体に毛や棘が生えているものの俗称です。
毛や棘の無い幼虫はイモムシと呼ばれ、さらにイモムシの中で体色が緑のものはアオムシと呼ばれています。

よく毛虫はガの幼虫、アオムシはチョウの幼虫と言われますが、チョウになる毛虫、ガになるアオムシもいます。
ただし多くの毛虫はガの幼虫です。

ここではそんな毛虫の中で目にする機会の多い種類に絞り、毒のある毛虫、毒がありそうで無い毛虫、その駆除・予防方法について紹介していきます。

毛虫を見つけたときの注意点

毛虫を見つけたら、まず素手で触らないようにしましょう。 毛虫の中には毒針毛や毒棘を持つ種類があり、触れるとかゆみ・赤み・痛みなどの皮膚炎を起こすことがあります。

特に、ツバキ・サザンカ・チャノキに発生しやすいチャドクガサクラ・ウメ・カキなどに発生するイラガ類マツ類に発生するマツカレハなどは注意が必要です。

種類が分からない毛虫は、安全のため「毒があるかもしれない」と考えて扱いましょう。 刺された・触ってしまった場合の対処法や、毒のある毛虫の見分け方は本文で詳しく解説しています。

毒のある毛虫・毒のない毛虫の早見表

毛虫には毒を持つ種類と、見た目は毛深くても毒を持たない種類があります。 ただし、見た目だけで正確に判断するのは難しいため、種類が分からない場合は触らないようにしましょう。

毛虫の種類 毒の有無 主な症状・注意点 発生しやすい植物
チャドクガ 毒あり 強いかゆみ、赤み、発疹。毒針毛が飛散しやすく、死骸や脱皮殻にも注意。 ツバキ、サザンカ、チャノキなど
ドクガ 毒あり 触れるとかゆみや皮膚炎を起こすことがある。毛が付いた衣類にも注意。 サクラ、ウメ、バラ、ツツジなど
イラガ類 毒あり 触れると電気が走るような強い痛みを感じることがある。 カキ、ウメ、サクラ、クリ、カエデなど
マツカレハ 毒あり 毒針毛に触れると痛みやかゆみが出ることがある。 アカマツ、クロマツなど
タケカレハ 毒あり 毒針毛に触れるとかゆみや皮膚炎を起こすことがある。 タケ、ササ類など
アメリカシロヒトリ 毒なし 基本的に毒はないが、大量発生して葉を食害することがある。 サクラ、ヤナギ、プラタナス、カキなど
ツマグロヒョウモンの幼虫 毒なし 黒地にトゲのような突起があり毒々しく見えるが、基本的に毒はない。 スミレ、パンジー、ビオラなど
ルリタテハの幼虫 毒なし トゲが目立つが、基本的に毒はない。無理に触らず観察にとどめると安心。 ホトトギス、ユリ類など

※毒の有無や発生植物は代表例です。同じ植物でも複数の毛虫が発生することがあります。

毛虫に刺された・触ってしまったときの応急処置

こすらず、広げず、早めに洗い流すことが大切です

毛虫に触れたあと、かゆみ・赤み・痛みが出た場合は、毒針毛や毒棘に触れた可能性があります。 患部をこすったり掻いたりすると、症状が広がることがあるため注意しましょう。

  1. まず患部をこすらない
    手で払ったり、掻いたりすると、毒針毛が広がることがあります。
  2. 粘着テープなどでそっと取り除く
    患部の周辺をテープで軽く押さえ、皮膚に付いた毒針毛を取り除きます。
  3. 流水やシャワーでよく洗い流す
    石けんを使い、こすりすぎないように注意しながら洗い流します。
  4. かゆみや腫れが強い場合は皮膚科へ
    症状が強い、範囲が広い、水ぶくれがある、なかなか治らない場合は医療機関を受診しましょう。
  5. 目に入った可能性がある場合は眼科へ
    目をこすらず、水で十分に洗い流したうえで眼科を受診してください。

※アンモニアはチャドクガなどの被害には効果がないとされています。自己判断で強くこすったり、刺激の強い薬品を使ったりしないようにしましょう。

毒のある毛虫

毛虫はその派手な外見から毒があって刺すというイメージが先行していますが、実際に人に害のある毒を持った毛虫は全体の2%程度に過ぎません。

ドクガ科の毛虫

ドクガ科に分類されている毛虫の中で毒のある代表的なものを紹介しています。
※ドクガ科の中で有毒な毛虫は少数です。

微細な毒針毛を多数持ち、触れるとかゆみを伴う皮膚炎を引き起こします。
抜け落ちた毛に触れても炎症を起こすので、注意が必要な毛虫です。

ドクガ Artaxa subflava

ドクガ
  • 終齢幼虫…35~40㎜
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、対馬
  • 食草…バラ科、ブナ科、カキノキ科、タデ科、グミ科
    サクラ、ウメ、モモ、バラ、ツツジ、フジなど100種以上の草木に発生します。

幼齢の頃は頭部が黒で胴は淡いオレンジ色、成長と共に黒くなっていき側面や背面にオレンジの縞模様が現れます。

毒があるのは目立った長い毛ではなく、その内側にある毒針毛(ドクシンモウ)と呼ばれる微細な毛です。
その数は600万本と言われており、抜けやすいのが特徴です。
触れるとピリピリとした痒みを伴う皮膚炎を引き起こします。
痒みは耐え難いほど激しく、2~3週間ほど継続します。
死骸や脱皮した皮、抜け落ちた毒毛針に触れても皮膚炎を起こすので、注意が必要です。

幼虫は8月頃に孵化し、集団で生活して越冬します。
大きくなると分散し、毒も成長と共に強くなっていきます。

チャドクガ Arna pseudoconspersa

チャドクガ
  • 終齢幼虫…25~30㎜
  • 分布…本州、四国、九州、対馬
  • 食草…ツバキ科
    チャノキ、ツバキ、サザンカなど庭木によく発生するため最も被害が多い毛虫。

幼齢の頃は淡黄褐色で、成長すると頭部は黄褐色で全体に黒い部分が多くなり、側面に白い線が入ります。

毒性はドクガに比べるとやや弱いものの、触れると数時間後に患部が赤く腫れ上がり、激しい痒みを伴います。
刺された時の痛みはほとんど無いため、症状が出てから気づくこともあり、やっかいな毛虫です。
一度刺されると体内に抗体ができるため、二度目はさらに激しい症状を引き起こします。
抜け落ちた毛などでも症状が起こるのはドクガと同じです。

幼虫の発生は4月~10月(年2化)で、大きくなるまでは集団で生活しています。
チャノキやツバキ、サザンカの葉に整列している毛虫は、チャドクガと思ってまず間違いありません。
衣服に付いた毒針毛に触れただけでも症状を発症するので、注意が必要です。

キドクガ Euproctis piperita

キドクガ
  • 終齢幼虫…30㎜
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、屋久島
  • 食草…カバノキ科、ブナ科、ニレ科、トウダイグサ科
    マンサク、リョウブ、タニウツギ、ケヤキなど、様々な樹木に発生します。

鮮やかな黄橙色の2本線が特徴です。
その他、胸部より長く伸びる黒い毛束があり、背中の2本線の隙間の暗色が比較的明瞭となります。

ドクガ、チャドクガ同様、毒針毛に触れると強い痒みを伴った炎症を引き起こします。

6月~7月(年1化)に孵化し、集団で越冬します。

ゴマフリドクガ Somena pulverea

ゴマフリドクガ
  • 終齢幼虫…23㎜前後
  • 分布…本州、四国、九州、対馬、種子島、屋久島、南西諸島
  • 食草…ツバキ科、バラ科、マメ科
    ヒサカキ、バラ、サクラ、ニセアカシアなどに発生します。

キドクガに似ていますが、胸部の長い毛束が無く、背中の真ん中の暗色が比較的不明瞭であることが特徴です。

キドクガ同様に毒針毛を持ち、痒みを伴う皮膚炎を引き起こします。

幼虫の孵化は5月、7月~8月の年2回で、幼虫の姿で越冬します。

モンシロドクガ Sphrageidus similis

モンシロドクガ
  • 終齢幼虫…25㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、対馬
  • 食草…バラ科、ブナ科、クワ科、ミカン科など
    サクラ、ウメの他、リンゴやナシなど果樹の害虫として知られています。

キドクガ、ゴマフリドクガの幼虫に似ていますが、頭部近くのオレンジ色の線がY字になっていればモンシロドクガです。
体色は食性などによって変化が見られ、黄色地に黒色の斑紋が見られる個体もいます。

毒針毛に触れると強い痒みを伴った炎症を引き起こします。

年に2~3回発生し、幼虫で越冬します。

タイワンキドクガ Orvasca taiwana

タイワンキドクガ
  • 終齢幼虫…28~32㎜
  • 分布…琉球諸島
  • 食草…アブラナ科、キク科、タデ科、バラ科など
    モモタマナ、ダイコン、ゴボウ、バラなどに発生します。

背中にオレンジ色の線があり、黒いコブが特徴です。

微細な毒針毛を多数持ち、痒みを伴った皮膚炎を引き起こします。
琉球列島では大量発生することがあり、注意喚起されています。

イラガ科の毛虫

イラガ科の代表的な毛虫を紹介しています。
毛虫というよりはウミウシのような姿形で、短いトゲが体表に並んでいます。

棘の付け根の体内には毒の入った袋があり、外敵の皮膚に注入します。
触れると想像を遥かに超える激しい痛みが生じます。
鋭い痛みは1時間ほど続きますが、痒みや発疹を発することは稀です。
刺されると最も痛い毛虫類として有名です。

イラガ Monema flavescens

イラガ
  • 終齢幼虫…25㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、対馬
  • 食草…カキノキ科、バラ科、ブナ科、ヤナギ科、カバノキ科(ハンノキ)
    カキノキ、ウメ、サクラ類、リンゴ、ナシ、クリ、コナラ、クヌギ、ヤナギなどに発生します。

明るい黄緑色~黄色の体色に大きな茶褐色の斑紋が特徴です。
茶褐色の斑紋は真ん中で細くなっており、青い筋が入ります。

体表に並ぶ肉状突起は2列になっており、多数の毒棘が生えています。
触れると激しい痛みに襲われます。

繭は白地に茶褐色~暗褐色の模様が入ります。
繭、成虫に毒はありません。

▼イラガの繭

イラガの繭

発生は7月~10月(年1化)です。

アオイラガ Parasa consocia

アオイラガ
  • 終齢幼虫…25㎜前後
  • 分布…本州、四国、九州
  • 食草…ヤナギ科(ヤナギ類)バラ科(ナシ)ブナ科(クリ)カキノキ科(カキノキ)
    ヤナギ、ナシ、クリ、カキノキなどに発生します。

明るい黄緑色~淡黄色の体色に、背中の青い帯状の紋様が特徴です。
頭側にある色付きのトゲは黒色です。

毒棘が生えた突起が多数あり、触れると激しい痛みに襲われます。

発生は6月~9月(年2化)です。

ヒロヘリアオイラガ Parasa lepida

ヒロヘリアオイラガ
  • 終齢幼虫…22㎜前後
  • 分布…本州、四国、九州、沖縄
  • 食草…バラ科、カエデ科、カキノキ科、ニレ科、ザクロ科、トウダイグサ科など
    サクラ類、カエデ類、カキノキ、ケヤキ、ウメ、モミジなど多様な草木に発生します。

明るい黄緑色~淡黄色の体色に、背面と側面の帯状に連なった青い斑紋が特徴です。
アオイラガによく似ていますが、頭側にある色付きのトゲがオレンジ色になります。

インド~中国原産の外来種で1920年頃に侵入し、1980年頃から一般的に見られるようになっています。
都市部でも発生が多くみられるイラガです。
後述のアメリカシロヒトリと共に「日本の侵略的外来種ワースト100」の中に記載されている毛虫です。

毒棘に触れると激しい痛みが生じます。

発生は6月~11月(年2化)です。

クロシタアオイラガ Parasa hilarula

クロシタアオイラガ
  • 終齢幼虫…20㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、対馬
  • 食草…ブナ科、バラ科、カキノキ科
    クリ、クヌギ、サクラ類、ウメ、カキノキなどに発生します。

明るい黄緑色の体色に、背中の鮮やかな赤と青の筋が特徴です。
背中の筋は色に変異があり、黄色と青の筋を持つ個体も見られます。

肉状突起に生えた毒棘に触れると激しい痛みに襲われます。

6月~9月(年2化)に発生します。

ヒメクロイラガ Scopelodes contracta

ヒメクロイラガ
  • 終齢幼虫…23㎜前後
  • 分布…本州、四国、九州、対馬
  • 食草…カキノキ科、ニレ科、バラ科、ムクロジ科など
    カキノキ、サクラ類、アメリカフヨウなどに発生します。

淡黄色~淡黄緑色の体色に細かな黒い斑点が多数入り、汚れたように見えます。
肉状突起には黒い毒棘が生えています。

毒棘に触れると激しい痛みに襲われます。

7月~10月(年2化)に発生します。

カレハガ科の毛虫

日本では約20種が知られていますが、オビカレハ(後述)とリンゴカレハ以外は毒針毛を持ちます。
比較的大型になる種類が多く、地味な色合いの毛虫が多いのも特徴です。

毒針毛に触れると激しい痛みと共に腫れ、痒みが1~2週間ほど続きます。

マツカレハ Dendrolimus spectabilis

マツカレハ
  • 終齢幼虫…75㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、沖縄
  • 食草…マツ科
    アカマツ、クロマツ、カラマツ、ヒマラヤスギなどに発生します。

背面は銀灰色で側面が淡茶褐色の大型の毛虫です。
胸部背面の黒藍色の毛束の帯が毒針毛で、刺激を受けると頭を下げ、毒針毛を強調して威嚇します。
マツの木を食害するので「マツケムシ」とも呼ばれます。

毒針毛に触れると激痛が走って腫れ、痒みが1~2週間程度続きます。
繭になっても毒針毛が残ります。
※成虫に毒はありません。

幼虫は7月~10月(年2化)にかけて孵化し、秋になると幹から降りて根際や落ち葉の下などで越冬します。
春になると再び樹に上って葉を食害します。
時々大発生することがあり問題になります。

マツの木にコモを巻くのは、このマツカレハをコモの中に集めて退治するためです。

タケカレハ Euthrix albomaculata

タケカレハ
  • 終齢幼虫…65㎜前後
  • 分布…北海道、本州、九州、四国
  • 食草…イネ科
    タケ類、ササ類、スギ、ススキ、ヨシなどに発生します。

黄褐色~茶褐色の体色に、背中に黒褐色~茶褐色の斑紋が連なります。
頭部と尾部付近にある黒い毛束が毒針毛です。

毒針毛に触れると痛みが走って腫れ、かゆみがしばらく続きます。
繭にも毒針毛が残ります。

幼虫は7月~10月(年2化)に孵化し、幼虫の姿で越冬します。

マダラガ科の毛虫

タケノホソクロバ Fuscartona martini

タケノホソクロバ
  • 終齢幼虫…20㎜前後
  • 分布…北海道、本州、九州、四国、沖縄
  • 食草…タケ類、ササ類

淡いオレンジ色の体色に、黒い斑が規則正しく入ります。
黒斑はこぶ状になっており、多数の毛が生え、毒針毛があります。

毒針毛に触れると激しい痛みと共に患部が腫れ、強いかゆみが2~3週間続きます。
成虫は無毒です。

幼虫は5月~10月(年2~3化)に発生します。
小さな内は葉裏で集団になっており、葉肉だけを食べるので葉が白く変色します。
大きくなると散らばって葉全体を食害します。

ホタルガ Edessena hamada

ホタルガ
  • 終齢幼虫…25~30㎜
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、沖縄
  • 食草…サカキ科、ニシキギ科
    サカキ、ヒサカキ、ハマヒサカキ、マサキなどに発生します。

黄色の体色に、背に灰色、側面に黒の太いラインが入ります。

毒針毛は持っていませんが、刺激を受けると毒のある分泌液を出します。
分泌液に触れると約10時間後に痒みを伴った赤い発疹ができ、2日程度続きます。

幼虫の発生は7~8月、10月~6月(年2化)で、幼虫の姿で越冬します。

毒の無い毛虫

毒のある毛虫はほんの少数ですが、なかなか識別は難しいものです。
ここではよく見かける毛虫の中で、いかにも毒がありそうなのに無い、そんな毛虫を紹介しています。

マイマイガ Lymantria dispar

マイマイガ
  • 分類…ドクガ科
  • 終齢幼虫…60㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、対馬
  • 食草…多食性
    広葉樹、針葉樹、草花など知られる限りほとんどすべての葉を食害します。

頭部にある目のような一対の紋と、体にあるカラフルな2列の点々模様が特徴です。

ドクガ科の毛虫ですが、毒はありません。
毛がかなりの剛毛なので、触ると指に刺さって痛みを感じることがあります。
※孵化直後の初齢幼虫にはわずかに毒針毛があるので、触れるとかぶれることがあります。

幼虫の発生は春から初夏です。
孵化するとバラバラに散らばって、糸を吐いて枝からぶら下がり、風に乗って移動します。
この習性からブランコケムシとも呼ばれます。

アメリカシロヒトリ Hyphantria cunea

アメリカシロヒトリ
  • 分類…ヒトリガ科
  • 終齢幼虫…30㎜前後
  • 分布…山口県を除く本州、愛媛県、福岡県
  • 食草…多食性
    サクラ、ヤナギ類、プラタナス、アメリカフヨウなど600種に及ぶ草木に発生します。

幼齢の頃は淡い黄色で背面に黒い点が2列に並び、大きくなると背面が灰色、側面は黄色になります。

北米原産の外来種で、終戦後に東京に移入し分布域を広げつつあります。
前述のヒロヘリアオイラガと共に「日本の侵略的外来種ワースト100」の中に記載されています。

庭木の他、都市部の街路樹や公園樹に大発生して頻繁に問題になります。
毒はありません。

幼虫は5月~9月の間に2回発生します。
幼齢の頃は糸を張った巣の中で集団生活をし、大きくなると分散します。

オビカレハ Malacosoma neustrium

オビカレハ
  • 分類…カレハガ科
  • 終齢幼虫…60㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州
  • 食草…バラ科、ヤナギ科、ブナ科
    サクラ、ウメ、モモ、リンゴ、バラ、ヤナギなどに発生します。

灰水色の体色に黒とオレンジ色の線が入ります。

カレハガ科の毛虫の大半は毒針毛を持ちますが、オビカレハには毒はありません。

幼虫の発生は5月~6月で年一回。
4齢幼虫までは糸を張って巣を作り、集団生活を行います。
この巣の様子からテントケムシ、天幕ケムシとも呼ばれます。

▼オビカレハのテント

リンゴケンモン Triaena intermedia

リンゴケンモン
  • 分類…ヤガ科
  • 終齢幼虫…45㎜前後
  • 分布…北海道、本州、九州
  • 食草…バラ科、ヤナギ科、ニレ科
    サクラ、リンゴ、ナシ、モモ、ヤナギ類などに発生します。

黒い体色に黄色~オレンジ色のラインが入り、側面に白い斑が並びます。
キドクガやモンシロドクガによく似ていますが、毛が長く、毛先が白く縮れます。
※幼齢~若齢の頃は縮れません。

毒はありません。

幼虫の発生は7月~10月です。

ヒメシロモンドクガ Orgyia thyellina

ヒメシロモンドクガ
  • 分類…ドクガ科
  • 終齢幼虫…35~40㎜
  • 分布…北海道、本州、四国、九州
  • 食草…バラ科、クワ科、ブナ科、ヤナギ科、マメ科、アオイ科
    サクラ、リンゴ、ウメ、ポプラなど多種な草木に発生します。

灰褐色の体色にオレンジ色と黒色の模様が入ります。
頭部と尾部、さらに側面に黒い毛束、背中にはブラシ状の白い毛束を持ちます。
※終齢前の幼虫には背中の白い毛束がありません。

毒はありません。

幼虫の発生は5月~7月です。

リンゴドクガ Calliteara pseudabietis

リンゴドクガ
  • 分類…ドクガ科
    終齢幼虫…40㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州
  • 食草…バラ科、ヤナギ科、ブナ科、カエデ科
    リンゴ、ナシ、サクラ、ヤナギ類、ポプラなどに発生します。

明るい黄色の体色に長い毛が特徴です。
背面の中ほどまでにブラシ状の毛束、頭部背面に黒い斑、尾にはピンク色の毛束があります。

毒はありません。

幼虫の発生は6月~10月です。

フクラスズメ Arcte coerula

フクラスズメ
  • 分類…ヤガ科
  • 終齢幼虫…70㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、沖縄
  • 食草…イラクサ科

黒い体色に、背に白い縞模様、側面には赤い斑があります。
頭と足は黒またはオレンジ色で、体色に変異があり淡い黄色の個体もいます。

▼体色が淡黄色のフクラスズメ

黄色いフクラスズメ

毒はありません。

幼虫の発生は春から秋にかけて年2回。
集団で食草を丸裸にして、餌を求めて周囲を徘徊する姿がよく見られます。
危険を感じると頭を激しく左右に振り威嚇します。

ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius

ツマグロヒョウモン
  • 分類…タテハチョウ科
    終齢幼虫…30㎜前後
  • 分布…本州、四国、九州、南西諸島
  • 食草…スミレ類
    各種スミレの他、園芸種のパンジーやビオラにも発生します。

黒い体色に鮮やかなオレンジの線、体表のトゲが特徴です。
トゲは体の前半部分は黒く、後半部分では根元が赤くなります。

毒はありません。

幼虫は1年を通して発生します。
成虫は蝶になります。

▼ツマグロヒョウモンの成虫(メス)

ツマグロヒョウモンの成虫

ルリタテハ Kaniska canace

ルリタテハ
  • 分類…タテハチョウ科
  • 終齢幼虫…43㎜前後
  • 分布…北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 食草…サルトリイバラ科、ユリ科
    サルトリイバラ、ホトトギス類、ユリなどに発生します。

黒い体色にオレンジ色の模様があり、黄白色の多数のトゲが並びます。

毒はありません。

幼虫は5月~10月に発生します。

▼ルリタテハの成虫

ルリタテハの成虫

毛虫の駆除と予防方法

毛虫を駆除する時の注意点

毒針毛を飛ばさないことが大切です

チャドクガなど毒針毛を持つ毛虫は、駆除の際に毛が飛び散ると被害が広がることがあります。 駆除するときは、長袖・長ズボン・手袋・マスク・帽子などで肌の露出を減らしましょう。

  • 葉裏に集団でいるうちに、枝葉ごと切り取って処分する
  • 毒のある毛虫は、強い水流や風で吹き飛ばさない
  • 死骸や脱皮殻にも触れないようにする
  • 駆除後の衣類は、ほかの洗濯物と分けて洗う
  • 殺虫剤や農薬を使う場合は、対象植物・使用方法・使用回数を必ず確認する

※食用の野菜・果樹・ハーブなどに薬剤を使う場合は、必ずその作物に使える薬剤か確認してください。

毛虫の駆除

幼齢であれば基本的に群れていることが多いので、駆除は比較的楽になります。
多くの毛虫は春先、秋口に発生するので、幼虫が小さな内に発見することが大切です。

ドクガ、チャドクガの駆除

ドクガ、チャドクガなど毒針毛を持つドクガ類の駆除には注意が必要です。

小さな幼虫が集団でいるようであれば、触れないように注意し、枝や葉ごと切り取って処分します。

幼虫が成長し、集団が幾つかに分かれていたり、食害が広範囲に広がっているようであれば、細心の注意が必要です。
出来るだけ肌を露出しないよう、長袖、長ズボン、手袋、帽子、メガネ、マスクなどを着用して作業を行います。
100均で売っている雨ガッパを使い捨てとして利用すると便利です。

通常のスプレータイプの殺虫剤などを使用すると、毒針毛が飛散して危険です。
殺虫剤を使用する場合は、ガス噴射タイプのものではなく、霧吹きタイプのものを使用してください。

対処が難しいと感じた場合は専門業者に依頼してください。

なお駆除の際に着用した衣服は、そのまま洗濯しても毒針毛は取り除けません。
衣服に付着した毒針毛に触れても炎症を起こすので注意が必要です。
掃除機を丁寧にかけて、毒針毛を取り除いてください。
または50℃以上のお湯で洗うか、洗濯後にスチームアイロンをかけると毒性がなくなります。

その他の毛虫の駆除

毛虫の発生が少なければ、樹木用の殺虫スプレーが簡単です。
発生が多い、または広範囲に及んでいる場合は、霧吹きタイプの液体殺虫剤を使用します。
葉裏などに潜んでいる場合もあるので、丁寧に散布してください。

どちらの場合も使用方法、適用のある植物などをよく読んで使用してください。

毛虫の予防

薬剤による予防

毎年発生するようなら、効果が持続する殺虫剤や害虫防除剤などを使います。
幼虫発生の早い時期に、樹全体に散布します。

卵やマユの除去

冬の落葉期に、幹や枝、葉裏などにある卵や繭を除去します。

▼チャドクガの卵

チャドクガの卵

卵の付着した葉を切り取って処分します。
卵にも毒針毛が付着しているので、注意してください。

▼イラガの繭

イラガの繭

▼ヒロヘリアオイラガの繭

ヒロヘリアオイラガの繭

木の幹に擬態しています。
中には幼虫、もしくは蛹が入っています。

▼ヒロヘリアオイラガの蛹

ヒロヘリアオイラガの蛹

幼虫は繭の中で蛹になって越冬するので毛虫になることはありませんが駆除しておきます。
ヘラや草削りなどでこそぎ落してください。

卵や繭の除去では、見落としなどもあるため完全に発生を予防できるわけではありませんが、抑制には効果的です。

毛虫に関するよくある質問

毛虫はすべて毒がありますか?

いいえ。毒を持つ毛虫は一部です。 ただし、毒がある種類と毒がない種類を見た目だけで判断するのは難しいため、種類が分からない毛虫は素手で触らないようにしましょう。

チャドクガは死骸でも危険ですか?

危険です。チャドクガの毒針毛は幼虫の体だけでなく、死骸・脱皮殻・卵・繭などに残ることがあります。 駆除後も素手で触らず、袋に入れて密閉するなどして処分しましょう。

毛虫に刺されたらアンモニアを塗ればよいですか?

チャドクガなどによる皮膚炎には、アンモニアは効果がないとされています。 こすらずに毒針毛を取り除き、流水で洗い流し、症状が強い場合は皮膚科を受診しましょう。

殺虫スプレーで駆除しても大丈夫ですか?

種類によります。毒針毛を持つ毛虫に強い噴射タイプのスプレーを使うと、毒針毛が飛び散るおそれがあります。 使用する場合は薬剤の説明をよく読み、風向きや周囲への飛散に注意してください。

毛虫を予防するにはどうすればよいですか?

葉裏や枝先を定期的に確認し、卵や若齢幼虫のうちに取り除くのが効果的です。 剪定で風通しをよくし、発生しやすい植物では春から秋にかけてこまめに観察しましょう。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

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