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マロニエ(セイヨウトチノキ)

  • 学名…Aesculus hippocastanum L.
  • 和名…マロニエ
  • 別名…セイヨウトチノキ
  • 科名…ムクロジ科
  • 属名…トチノキ属
  • 原産国…ヨーロッパ南東部、トルコ
  • 花色…白
  • 樹高…15m~25m
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:3 to 8

マロニエ(セイヨウトチノキ)とは

マロニエ(セイヨウトチノキ)

マロニエ(セイヨウトチノキ)は、ヨーロッパ南東部、トルコ原産のムクロジ科トチノキ属の落葉高木です。
原産地はアルバニア、ブルガリア、ギリシャ、トルコ、トルクメニスタン、ユーゴスラビアにあり、温暖な気候の湿った落葉広葉樹林や渓谷、特に沖積土壌の谷などに多く自生しています。

美しい花と葉、整った樹形を持つことから、ヨーロッパの他、世界中の温帯地域で街路樹や公園樹として導入されています。
中でもイギリス、アイルランド、ニュージーランドでは、大通りや公園によく植栽されています。
また、フランス・シャンゼリゼ通りは、マロニエ(セイヨウトチノキ)の並木道として有名です。

日本では、明治中頃に新宿御苑に植えられたのが最初です。


マロニエ(セイヨウトチノキ)の花期は4月~6月。
花期になると、枝先に花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は長さ10~30㎝の円筒状円錐形で、基部は幅6~10㎝、枝は2.5~5㎝で、4~12個の花が付きます。
花序柄は2.5~5㎝。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の花序

マロニエ(セイヨウトチノキ)の花序

花は白色で、花弁は4~5個。
花弁には赤い斑点があり、爪部は黄色、外側には白い綿毛が生えています。
※綿毛は無い場合もあります。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の花

マロニエ(セイヨウトチノキ)の花

花には両性花と雄花があります。

両性花は花序の下部を中心に付き、雄しべ5~8個、雌しべ1個。
雄花の雌しべは退化しています。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の両性花

マロニエ(セイヨウトチノキ)の両性花

果実は球形~類球形の蒴果(さくか)。
棘を除いて長さ2.5~4㎝、幅2.5~6㎝の大きさです。

※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の果実

マロニエ(セイヨウトチノキ)の果実

中には1~3個(最大6個)の種子が入っています。
種子は2~4㎝の大きさで、光沢のある茶色、へそは淡褐色です。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の種子

マロニエ(セイヨウトチノキ)の種子

葉は掌状複葉(しょうじょうふくよう)です。
葉柄は8~20㎝。

※掌状複葉(しょうじょうふくよう)…葉柄の先に数枚の小葉が放射状に付く葉の形。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の葉の様子

マロニエ(セイヨウトチノキ)の葉の様子

小葉は5~7個、長さ10~25㎝、幅5~12㎝の倒披針形です。
縁には重鋸歯(じゅうきょし)があります。

※重鋸歯(じゅうきょし)…葉の縁の形で、大きな鋸歯の縁にさらに鋸歯があるもの。

▼マロニエ(セイヨウトチノキ)の鋸歯

マロニエ(セイヨウトチノキ)の鋸歯

樹高15~25mに成長する高木です。
樹形は楕円~半円形。

▼大きく育ったマロニエ(セイヨウトチノキ)

大きく育ったマロニエ(セイヨウトチノキ)

耐寒性が強く、丈夫な性質です。
葉を食害する害虫が発生することがあります。

園芸品種も幾つかありますが、日本では流通していないようです。

関連図鑑

マロニエと同じトチノキ属の中では、本種の他、ベニバナトチノキがよく栽培されます。

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