ヤツデの育て方

学名…Fatsia japonica
和名…八手(ヤツデ)
別名…天狗の羽団扇(テングノハウチワ)
科名…ウコギ科
属名…ヤツデ属
原産国…日本
花色…白
樹高…1m~3m
日照…半日蔭~日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:8 to 10

ヤツデとは

ヤツデ

ヤツデは、日本に分布するウコギ科ヤツデ属の常緑低木です。
分布域は本州の茨木県以南の太平洋岸、四国、九州、沖縄にあり、主に海岸近く林内や林縁に自生しています。

日本では古くから庭木として植栽されており、民家の周辺などでよく見られます。
また、中国やアメリカなどでも庭木として植えられており、中国南東部の一部地域では帰化植物として定着しています。

ヤツデの花期は11月~12月。
花期になると枝先に、球形の花序を円錐形に多数付けます。

▼ヤツデの花序の様子

ヤツデの花序

花序は3~4㎝の球形で、枝の上部では両性花のみで形成された花序、下部では雄花のみの花序となっています。

▼ヤツデの花序

ヤツデの花序

花には尖った卵形の花弁が5個あり、雄しべは5個、花柱も5個となっています。

▼ヤツデの花

ヤツデの花

両性花は雄性先熟で、雄しべが成熟して花粉を出した後、雄しべと花弁が落ち、雌しべの柱頭が発達します(雌性期)。

▼雌性期のヤツデの花序

ヤツデの雌しべ

雄花にも中央に小さな花柱が見えますが、こちらは発達することなく花が枯れます。

果実は直径0.7~1㎝の扁球形で、春に赤褐色~黒色に熟します。

▼ヤツデの果実

ヤツデの果実

葉は枝先に集まって互生し、直径20~40㎝の円形で、掌状に深く7~9裂します。
葉の基部は浅い心形で、裂片の縁には鋸歯があります。
厚みがあり、表面には美しい光沢を持ちます。
葉柄は10~30㎝。

▼ヤツデの葉の様子

ヤツデの葉

園芸品種では、葉の白や黄色の斑が入る品種もあります。

▼白い斑入りのヤツデ

斑入りヤツデ

樹高1~3mに成長します。

耐寒性はあまり高くはありませんが、関東地方南部以西の地域であれば、概ね戸外での冬越しが可能です。
病害虫の発生も少なく、丈夫な性質で育てやすい樹木です。
常緑樹で耐陰性があり、落葉樹が葉を落とした後に白い花を付けます。

ヤツデの育て方

ヤツデの育て方

栽培環境

強い日差しが当たる場所や、強い乾燥を嫌います。
乾燥しすぎない半日蔭~明るい日陰が適しています。

まったく日の当たらない暗い日陰では、ひょろひょろと伸びてひ弱な樹形になります。
少なくとも2時間程度は日の当たる場所か、明るい日陰で育てて下さい。

冬越し

関東南部以西の地域であれば、戸外で冬越しが可能です。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、肥料を施す必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、寒肥として冬の2月~3月頃、追肥として6月頃に、固形の油粕と骨粉を株元に施します。

植え付け、植え替え

適期は春の4月中旬~6月です。

植え付け

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍の植え穴を掘り、用土に腐葉土を混ぜ込んで下さい。
植え付け後はたっぷりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませます。

鉢植えの場合は、赤玉土6、腐葉土3などの一般的な配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、2年に一度を目安に、鉢底から根が出ているようなら植え替えを行います。
軽く根鉢を崩し、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

剪定

適期は5月~7月上旬です。
高くなりすぎた枝を好みの位置で切り詰めます。
切った位置付近から新芽が出てきて、コンパクトな樹高になります。

また、葉が大きすぎる場合は、冬の間に枝先の2~3枚を残して葉を切り取ります。
葉を切り取ることにより株の成長が抑えられ、春に出てくる葉が小さくなります。

増やし方

挿し木と種まきで増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月~7月上旬の梅雨時期です。

挿し穂にはその年に伸びた枝を使います。
枝を2節付くように切り取って挿し穂にします。
葉は取り除き、水揚げをしっかりとしてから、下の節が埋まるように挿し木用土に挿して下さい。

水を切らさないように明るい日陰で管理して発根を待ちます。

種まき

春になると種が熟して黒くなるので採取して下さい。
採取した種はポットなどに2~3粒ほど撒きます。
水を切らさないように管理し、発芽を待ちます。

発芽後は1本に間引き、明るい日陰でしばらく育て、秋になったら鉢上げします。
株がある程度大きくなったら、植え付けて下さい。

病気・害虫

炭疽病(タンソビョウ)

炭疽病が発生することがあります。
炭疽病は糸状菌が原因で発生する植物の病気です。
発生すると葉に黒褐色や灰色の斑点ができ、大きな病変へと進行します。

発病した葉の病原菌は、雨などの飛沫で他の葉にうつってしまいます。
病変に気づいた場合は速やかに葉ごと取り除き、残った葉や枝に殺菌剤を散布しておきます。

カイガラムシ

乾燥した場所で育てている場合は、カイガラムシが発生することがあります。
ヤツデに多く見られるのはヒラタカタカイガラムシで、葉裏などによく見られます。

ヒラタカタカイガラムシについては「カイガラムシの種類と駆除、予防方法 ヒラタカタカイガラムシ」を参照ください。

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