アンスリウムの育て方

  • 学名…Anthurium andraeanum
  • 和名…オオベニウチワ(大紅団扇)
  • 科名…サトイモ科
  • 属名…ベニウチワ属
  • 原産国…コロンビア、エクアドル
  • 花色…赤、白、ピンク、緑、茶色、複色
  • 草丈…30㎝~80㎝
  • 日照…室内の半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:11 to 12

アンスリウムとは

アンスリウム

アンスリウムは、コロンビア北西部からエクアドル南西部に分布するサトイモ科ベニウチワ属の多年草です。
分布域は、標高400~1200mの熱帯雨林の中にあり、湿り気のある場所で、樹木などに根を張る着生植物として生育しています。

アンスリウムが属するベニウチワ属は、約1100種以上の植物が分類されており、属の中は7つの節(セクション)に分けられています。
アンスリウム(オオベニウチワ:Anthurium andraeanum)は、7つある節の一つであるカロミストリアム節(sect. Calomystrium)に含まれます。
カロミストリアム節には約350種が分類されており、流通するアンスリウムは、原種であるオオベニウチワを元に、カロミストリアム節の植物を交配して作出された品種です。


アンスリウムの花期は5月~10月。
花期になると、伸びた花茎の先に花序を出し花を咲かせます。
アンスリウムの花はサトイモ科の植物に見られる特殊な形をしています。

花茎の先には棒状の花序が付き、その下に鮮やかな苞葉があります。
花序は肉穂花序(ニクスイカジョ)、苞葉は仏炎苞(ブツエンホウ)と呼ばれます。

▼アンスリウムの花の構造

アンスリウムの花の構造

アンスリウムの肉穂花序は長さ8~12㎝の肉質な棒状で、1個の花序に150~200個の花を付けます。

▼アンスリウムの肉穂花序

アンスリウムの肉穂花序


花は非常に小さく、径1㎜程度の両性花です。
花被片は4個で、雌しべは球形の柱頭を持ち、雄しべは4個。
雌性先熟(シセイセンジュク)で、最初に雌しべが成熟し、20~30日後に雄しべが伸びてきて成熟します。

▼アンスリウムの花の構造(花被片と雌しべ)

アンスリウムの花の構造(花被片と雌しべ)

雄しべの花糸はひも状で、葯は2裂しています。

▼アンスリウムの雄しべ

アンスリウムの雄しべ

仏炎苞の色は赤の他、白、ピンク、緑、茶色、黒、複色などがあります。

▼様々な色のアンスリウム

赤とピンクのアンスリウム
白色のアンスリウム
黒いアンスリウム

雌しべが受粉すると、肉穂花序に果実が実ります。
果実は花序の下から上へと成長していき、受粉後5~6か月で赤く熟します。
1つの果実には1~2個の種子が入っています。

▼アンスリウムの果実

アンスリウムの果実

葉は、長さ20~50㎝の長さのある心形で、葉脈が目立ち、革質で美しい光沢があります。
葉柄は長く、短い茎にらせん状に付き、放射状に広がります。
花を咲かせながら草丈30~80㎝に成長します。

▼アンスリウムの株の様子

アンスリウムの株姿

熱帯植物のため耐寒性はありません。
基本的に暖かい室内での管理になりますが、夏場であれば戸外の日陰で管理することも可能です。
室内であっても温度が5℃以下になると、葉が傷んだり枯死する可能性が高いので、注意が必要です。

アンスリウムの育て方

アンスリウムの育て方

栽培環境

自生地は熱帯雨林の中で、湿度の高い場所の明るい日陰で生育しています。
強い日差しに当たると葉焼けするので、年間を通じて直射日光が当たらない明るい日陰で育てます。

暗い日陰では、花付きや生育が悪くなるのである程度の明るさは必要です。

耐寒温度、生育適温

耐寒温度は5℃程度です。
気温が10℃を下回ると葉が傷むことがあり、5℃を下回ると枯死する可能性が高くなります。
可能であれば、冬場でも15℃以上の温度を保てる場所が理想的です。
最低でも10℃以下にならないように注意して下さい。

季節の管理

5月~10月

5月~10月は生育期となります。

直射日光の当たらない明るい日陰で育てます。
夏場であれば、戸外の明るい日陰で管理することも可能です。
※気温が上がりすぎると生育が鈍るので注意して下さい。

湿度の高い環境を好むので、冷房の風が当たるような場所は避けて下さい。
戸外で育てている場合は、最低気温が10℃近くになるようなら室内に取り込んで下さい。

11月~4月

11月~4月は生育が鈍ります。

室内の暖かい場所で管理します。
冬場も直射日光は避け、レースのカーテン越しの柔らかな日差しが当たる場所で育てます。

暖房の風が当たるような場所は避け、葉の乾燥に注意して下さい。

水やり、葉水

多湿な環境を好みますが、鉢土が常に湿っているような環境は嫌います。

水やりは、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬場の水やりは控えめに、やや乾燥気味に管理します。

年間を通じて多湿な環境を好み、乾燥した風で葉が傷みます。
夏場は霧吹きで葉水を与え、乾燥を防いで下さい。
冬場も乾燥しすぎるようなら、昼間の暖かい時間に葉水を与えます。

肥料

5月~10月の生育期に、緩効性の化成肥料を定期的に置き肥します。

植え替え

適期は5月~8月です。

根詰まりを起こすと、生育が悪くなり、花付きにも影響します。
2年に一度を目安に植え替えを行ってください。
※購入株で鉢が小さく、根が詰んでいる場合は早めに植え替えを行います。

水はけの良い土を好みます。
鹿沼土、パーライト、ピートモスを等量に混ぜた用土などを使います。

株を引き上げたら、古い用土を取り除き、新しい用土で植え替えを行います。
子株が増えているようなら、株分けも行ってください。

切り戻し

茎が伸びて草姿が乱れたら、切り戻しを行い、仕立て直します。
茎から生えた根(気根)の部分を残し、上部を切り取り、挿し木にして下さい。
しばらくすると親株からも新しい芽が出てきます。

増やし方(株分け)

株分けで増やすことが出来ます。

植え替え時に子株を分けて、植え付けます。

病気・害虫

病気の発生はほとんどありませんが、ハダニやカイガラムシが発生することがあります。
ハダニは水を嫌うので、水やりの際に株全体に水が行きわたるようにすると発生を抑制できます。
カイガラムシは風通しが悪いと発生することがあります。

発生した場合は、それぞれ対応する薬剤で対処して下さい。

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