中・高木 庭木

ラカンマキ

学名…podocarpus macrophyllus var. maki
和名…ラカンマキ(羅漢槙)
科名…マキ科
属名…マキ属
原産国…中国、日本
樹高…2~5m
日照…日なた~日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 10

ラカンマキとは

ラカンマキ

ラカンマキは、日本、中国に分布するイヌマキの変種で、マキ科マキ属の常緑性高木です。
イヌマキは、日本では本州の関東以南、四国、九州、沖縄に分布しており、庭木の他、防風林として植栽されます。
樹高20mにも成長するイヌマキに対し、ラカンマキは大きくなっても5m程度とコンパクトで、葉も小さく密に茂るため、庭木としてはラカンマキの方がよく利用されています。

ラカンマキは、革質の葉が美しい針葉樹です。
葉は深緑色をしており、長さ4~8㎝程度、幅5㎜前後で枝に輪生状に付きます。
葉の表面には主脈がはっきりと浮かび、裏側はやや白みを帯びます。

▼ラカンマキの葉の様子

ラカンマキ

枝はよく分枝し、樹高2~5m程度に成長します。
刈り込みにも耐える強さがあるので、好みの樹高、樹形に仕立てることも容易です。
イヌマキに比べると成長が遅く、生垣として利用する場合も、剪定の手間はそれほどかかりません。

ラカンマキは雌雄異株で、5月~6月頃になると花を咲かせます。
花は枝先に近い葉の付け根に付き、雄花はマツの花に似た円柱状、雌花は短い柄の先に付き、基部に小さな苞葉が付いています。

▼ラカンマキの雄花

ラカンマキの雄花

雌花は受粉すると果実を実らせます。
果実は花床と呼ばれる基部の膨らみの先に実ります。
花床は熟すと赤紫色になり、この部分はイヌマキ同様に食べることが出来ます。
先の果実の部分には有毒物質が含まれているため、こちらは食べることはできません。

▼ラカンマキの花床と果実

ラカンマキの果実

日なたから日陰まで幅広い環境に適応します。
耐寒性はそれほど高くありませんが、南関東以南の地域であれば植栽可能です。
刈り込み剪定も可能で、好みの樹形、樹高に仕立てることができます。
成長が遅いため、管理の手間はそれほどかからず、病害虫の発生もほとんどありません。
育てやすい樹木です。

ラカンマキの育て方

ラカンマキの育て方

栽培環境

基本的に日当たりを好みますが、日なた~明るい日陰の幅広い環境に適応します。
暗い日陰では葉が枯れ込むので、注意して下さい。

大気汚染や潮風にも強く、土質も特に選びません。
樹高、樹形のコントロールが容易なので、様々な場所で育てることが可能です。 

冬越し

耐寒温度は-15℃程度ですが、元来が温かい地方の樹木です。
植栽可能地域は南関東以南です。

その他の地域では、鉢植えにして冬場は室内で管理します。

水やり

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。 

肥料

それほど多くの肥料を必要とする樹木ではありません。

庭植えの場合は、冬の2月頃、寒肥として固形の油粕と骨粉を株の周辺に埋めて下さい。
鉢植えの場合は、冬の2月頃に、緩効性化成肥料を株元にばら撒きます。 

植え付け、植え替え

適期は3月下旬~5月、9月です。

植え付け

庭植えの場合は、根鉢の2倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
さらに元肥として完熟たい肥も混ぜ込み、深植えにならないように注意して植え付けます。
生垣として植栽する場合の株間は50㎝程度です。
植え付けた後はたっぷりと水やりをし、棒などで突いて根と土をしっかりと馴染ませて下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
元肥として鉢底に緩効性化成肥料を入れておいて下さい。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行って下さい。
一回り以上大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

剪定

剪定の適期は4月~6月、9月~10月です。

刈り込み剪定にも耐える強さがあり、好みの樹形、樹高に仕立てることが可能です。
不要な枝や枯れ込んだ箇所があれば間引き、生け垣であれば刈り込んで下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は春の3月~4月、秋の9月下旬~10月です。

春の場合は前年に伸びた枝を使い、秋の場合はその年に伸びた枝を使います。
枝を10~15㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下部の葉を取り除き水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように注意して、発根を待ちます。 

病気・害虫

稀にアブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで対処して下さい。

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