タイサンボク

  • 学名…Magnolia grandiflora
  • 和名…タイサンボク(泰山木)
  • 科名…モクレン科
  • 属名…モクレン属
  • 原産国…アメリカ南東部
  • 花色…白
  • 樹高…20m
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:7 to 9

タイサンボクとは

タイサンボク

タイサンボクは、北アメリカに分布するモクレン科モクレン属の常緑高木です。
分布域はアメリカ合衆国・南東部の沿岸部、ノースカロライナ州からフロリダ州、テキサス州、オクラホマ州などに広がっており、緑豊かな森林地帯に自生しています。

雄大な姿と美しい花から人気の高い樹木で、ミシシッピ州とルイジアナ州では州花として選定されています。
日本には明治時代に導入されており、現在では公園樹や庭木として広く栽培されています。


タイサンボクの花期は6月~7月。
花期になると、分枝した短い枝の頂部に、白色の花を上向きに咲かせます。
花は直径15~30㎝の大きさで、強い芳香を持ちます。

▼タイサンボクの花

タイサンボクの花


花被片は9個あり、長さ6~10㎝、幅5~7㎝の倒卵形で、すべてが花弁状です。
※花被片は最大12個です。

タイサンボクの花


雄しべは長さ2㎝前後で、花糸は赤紫色をしており、多数が雌しべを取り巻きらせん状に付きます。
雌しべは淡い黄色~黄緑色で多数がらせん状に付き、柱状に集まります。

雌性先熟(シセイセンジュク)で、雌しべが先に成熟した後、雄しべが成熟して花粉を出します。

▼タイザンボクの雄しべと雌しべ(雌性期)

タイサンボクの雄しべと雌しべ
雌性期で雌しべが成熟しており、雄しべはまだ未熟

▼タイサンボクの雄しべと雌しべ(雄性期)

タイサンボクの雄しべと雌しべ(雄性期)
雄性期で雄しべが成熟し、花粉を出している

咲き進むと、雌しべは枯れ、雄しべは抜け落ちます。

タイサンボクの雄しべと雌しべ
役目を終えた雄しべが花被片の上に落ちている

果実は袋果が集まった集合果で、長さ8~12㎝、幅4~5㎝の楕円形です。
表面には細かい毛が密生しています。

▼タイサンボクの果実

タイサンボクの果実

果実の中にはそれぞれ種子が2個ずつ入っています。
秋になって熟すと、果実が割れ、赤い種子が出てきます。

▼タイザンボクの種子

タイサンボクの種子

葉は互生し、長さ12~25㎝、幅5~12㎝程度の長楕円形です。
葉柄は1.5~4㎝、葉の表面には美しい光沢があり、裏面には褐色の毛が密生しています。

▼タイサンボクの葉の様子

タイサンボクの葉の様子


枝をゆったりと広げ、樹高20m程度に成長します。
タイサンボク(泰山木)の名前は、山のように泰然としているこの木姿に由来しているとも言われています。

▼タイサンボクの木姿

タイサンボクの木姿

耐寒性、耐暑性に優れており、育てやすい花木です。
病害虫の発生もほとんどなく、放任でもよく育ち、よく花を咲かせます。
ただし、樹高が高く、横枝も張るため、栽培にはかなりのスペースが必要になります。
広い場所に植栽できれば、自然に樹形も整うので、剪定作業もあまり必要ではありません。

タイサンボクの主な品種

リトルジェム(Magnolia grandiflora ‘Little Gem’)

タイサンボク・リトル・ジェム
photo by:cultivar413

タイサンボクの実生選抜による矮性品種です。
樹形はコンパクトな円柱状で、樹高3~5m程度に成長します。
花はタイサンボクよりも小さいですが、若木の内から開花します。
比較的狭いスペースでも育てることが出来るので、庭木としてはこちらの方が向いています。

ホソバタイサンボク(Magnolia grandiflora ‘Exmouth’)

葉がやや細いのが特徴で、葉裏の短毛は脱落して後に無毛になるので、タイサンボクほど葉裏が褐色になりません。
若木の内から開花し、日本で植栽されているのは本種の方が一般的です。

※タイサンボクの変種(Magnolia grandiflora ver. lanceolata)として扱われることもあります。

タイサンボクの近縁種

タイサンボクが属するモクレン属の植物は、東南アジア、北アメリカ~中央アメリカを中心に約120種が分布しています。
観賞用として栽培されているモクレン属の植物には本種の他以下のようなものがあります。

タイサンボクの育て方

タイサンボクの育て方

※大きく育つので鉢植え向きではありません。
ここでは庭植えでの育て方を紹介しています。

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
極端な乾燥を嫌うので、苗木の内は株元に強い西日が当たらない場所だと最適です。

根が荒く、一度根付くと移植は困難です。
植え場所には十分なスペースを確保して下さい。

冬越し、夏越し

耐寒性、耐暑性に優れており、特に対策の必要はありません。

水やり

根付くまでは土が乾いたら水やりをして下さい。
根付いてしまえば降雨のみで大丈夫です。

肥料

あまり多くの肥料を必要とする樹木ではありません。
やせ地でなければ、肥料を施さなくてもよく育ちます。
肥料を施す場合は、冬の2月頃、固形の油粕と緩効性化成肥料を等量混ぜ合わせたものを与えて下さい。

植え付け

適期は春の3月下旬~4月です。

根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や完熟堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
植え付けた後は、根鉢の周りに土手を作り、しっかりと水やりをして下さい。
水が溜まったらスコップや棒などを刺して水が行き渡るようにし、根鉢の周りの土が沈み込むようであればさらに土を入れます。

剪定

自然に樹形が整うので、十分なスペースがある場合は剪定の必要はありません。
スペースなどの都合で剪定を行う場合は、花後すぐに行って下さい。

基本的に剪定を嫌う樹木なので、剪定をする場合は、徒長枝や絡み枝を取り除く程度に留めます。
不要な枝を基部から切り取って下さい。

増やし方

タイサンボクは種の発芽率が低く、種での増殖が難しいため、流通しているタイサンボクの大半は接ぎ木で増やされています。
台木には同属のコブシを使います。
適期は3~4月です。

病気・害虫

カミキリムシ(テッポウムシ)

株元や幹の途中におがくずのようなものが落ちていたら、幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
放っておくと樹が弱ったり枯れることもあるので、早目に駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで補殺します。
処置後は駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。

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