モクレンの育て方

  • 学名…Magnolia liliiflora
  • 和名…シモクレン(紫木蓮)
  • 別名…モクレン(木蓮)
  • 科名…モクレン科
  • 属名…モクレン属
  • 原産国…中国
  • 花色…紫
  • 樹高…1m~3m
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 8

モクレンとは

モクレン

モクレンは、中国原産のモクレン科モクレン属の落葉低木です。
自生地は中国南西部の雲南省、および四川省にありますが、中国国内や日本で古くから栽培されており自生地以外でも帰化植物として定着しているのが見られます。

モクレン属の植物は、北米、中米、東南アジア、東アジア、西インド諸島などに約339種が分布しています。
観賞用として栽培される種も数多くあり、マグノリアと呼ばれます。
その中で特に多く普及しているのがモクレン、ハクモクレン、そして両種の交雑種であるサラサモクレンの三種です。
広義では上記三種をモクレンと呼びますが、ここでは紫色の花を咲かせる本種シモクレン(紫木蓮:Magnolia liliiflora)をモクレンとして紹介しています。


モクレンの花期は3月~4月。
花は葉の展開と同時に開花します。

花期になると分枝した枝の頂部、または葉腋に、紫色~濃紅色の花を上向きに咲かせます。
花は長さ8~13㎝程度の大きさで、微かに芳香があります。
花被片は9~12個で、外側3個は萼片状です。
萼片状の花被片は披針形で小さく、多くの場合緑色をおびます。

▼モクレンの花の様子

モクレンの花の様子
モクレンの花の構造

雄しべは赤紫色で多数がらせん状に付きます。
雌しべは淡い紫色で多数がらせん状に付き、柱状に集まります。

▼モクレンの雄しべと雌しべ

モクレンの雄しべと雌しべ

モクレンは受粉すると7~10㎝程度の円柱状の果実を実らせます。
果実は秋になる熟し、中から赤い種が出てきます。

▼モクレンの果実

モクレンの果実

葉は互生し、長さ8~18㎝、幅3~13㎝の倒卵形~広楕円です。
葉柄は1~1.5㎝程度。

▼モクレンの葉の様子

モクレンの葉

通常、叢生し、樹高1~3m程度に成長します。

耐寒性、耐暑性ともに高く、育てやすい花木です。
葉は開花と同時に展開を始め、冬には落葉します。
花は短命で1週間ほどで散ってしまいますが、パララパラと落ちる花弁が株元に積り、風情があります。

モクレンの仲間

モクレンの仲間は、人類が誕生するはるか以前に誕生しており、地球上最古の花木と言われています。

モクレン科の植物であると同定可能な植物は9500万年前から地球上に存在し、その花の構造は太古の昔から変化していないことが化石により分かっています。
2000万年前の化石からは現在もアメリカやカナダに分布する、マグノリア・アクリナータ(Magnolia acuminata)が発見されています。

▼マグノリア・アクリナータの花

Magnolia acuminata
花の構造はモクレンと大差無い。

モクレンの近縁種

モクレンが属するモクレン属の植物は、東南アジア、北アメリカ~中央アメリカを中心に約120種が分布しています。
観賞用として栽培されているモクレン属の植物には本種の他以下のようなものがあります。

モクレンの育て方

モクレンの育て方

栽培環境

日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。
叢生し、横に枝を張って大きく育ちます。
移植は難しいので、広いスペースのある場所で育てて下さい。

モクレンの根は生育旺盛で、鉢を直接土の上に置いていると庭土に侵入して根付いてしまいます。
鉢植えの場合は、土の上に直接鉢を置かないように注意して下さい。

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。

水やり

庭植えの場合は、植え付けた後はしばらく乾かさないようにしますが、その後はほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、寒肥として1月~2月の間に骨粉入りの油粕を株元にまいておきます。
追肥は花後に緩効性肥料を株元に施します。

鉢植えの場合は、3月~6月の間に月に1回程度、骨粉入りの油粕を株元に施します。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は1月~3月上旬です。

庭植えの場合は、用土に元肥として腐葉土や完熟堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
根を切らないように注意して軽く根鉢を崩し、深植えにならないように浅く植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、2~3年に一度の植え替えが必要になります。
適期は花後の4月中旬~5月上旬です。
根を傷つけないように根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に植え替えて下さい。

剪定

剪定時期

モクレンの花芽は、7月~8月上旬にかけて作られます。
花芽を落とす心配のない時期は6月上旬頃までなんですが、葉が出ると枝の選別が難しくなってしまうのと同時に、その後の生育にも影響が出てしまいます。
そこで、花後~葉が出るまでの短い間に剪定を行うと失敗がありません。

※花芽と葉芽の選別が出来る場合は、落葉期に剪定します。
落葉期であれば強剪定が可能ですが、その年の花は咲きません。

剪定方法

モクレンの花芽は短い枝に付きやすく、長い枝には付きにくい性質です。

徒長した枝や枯れ枝、混み合っている枝を基部から切り落とします。
シモクレンは株立ちになりやすく、根元からひこばえが発生します。
不要なひこばえは根元から切り取って下さい。
落葉期の場合は、短い枝を残すようにして全体の透かし剪定を行って下さい。

増やし方(種まき)

接ぎ木、挿し木でも増やすことがですますが、挿し木は活着率が悪く、接ぎ木はコブシの苗木を台木にするのが一般的で、どちらも簡単な方法とは言えません。
そのため、一般家庭でモクレンを増やすには種まきが最も簡単な方法です。

種の採取

花後にポロポロと落ちるのは未受粉の花芯で種ではありません。
受粉すると、赤いデコボコした果実が実ります。
受粉率はかなり悪く、果実が実るのはほんの少しです。

秋になって熟すと果実が裂けて、朱色の種が鞘にぶらさがります。
一部の種が裂け始めたら、裂ける前の果実を採取し、陰干しします。
数日で鞘が裂けてくるので、種を採取して下さい。
果実を取り出し、果肉を取り除いて水洗いし、乾かさないように注意してすぐに蒔きます。

種まき

種は赤玉土(小粒)を入れた鉢にまきます。
覆土は軽く種が隠れる程度で、水を切らさないように管理します。
春になって発芽したら、本葉が2~3枚程度になった頃から生長と共に徐々に鉢を大きくしていって下さい。

病気・害虫

カミキリムシ(テッポウムシ)

株元におがくずのようなものが落ちていたら幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
放っておくと樹が弱ったり枯れてしまったりするので、早目に駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで補殺します。
薬剤の場合は、駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。

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