
育て方のポイント
ハナミズキの育て方早見表
ハナミズキは、春に白やピンク、赤の花を咲かせ、秋には紅葉や赤い果実も楽しめる落葉高木です。 日当たりを好みますが、夏の強い西日や乾燥にはやや弱いため、植え場所と株元の乾燥対策が大切です。 自然樹形が美しい庭木なので、剪定は必要最小限にします。
- 分類
- 落葉高木
- 開花期
- 4月中旬~5月中旬
- 花色
- 白、ピンク、赤
- 樹高
- 3m~20m。庭木では樹形を見ながら管理する
- 日照
- 日なた向き。夏の強い西日は避けると育てやすい
- 適した場所
- 日当たりがよく、夏に乾燥しすぎない場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ。夏に乾燥が続く場合は水やりする
- 肥料
- 2月頃に寒肥。寒肥を施さなかった場合は花後に追肥する
- 植え付け
- 落葉期の12月~3月
- 剪定
- 基本的に不要。不要枝やひこばえは落葉期に切る
- 冬越し
- 耐寒性は高く、基本的に特別な対策は不要
- 病害虫
- うどんこ病、アメリカシロヒトリ、カミキリムシに注意
育て方のコツ: ハナミズキは夏の乾燥で樹勢が弱りやすい庭木です。 夏に強い日差しが当たる場所では、株元を敷き藁や腐葉土などで覆い、地温の上昇と乾燥を防ぎます。 剪定は強く切りすぎず、自然樹形を活かして管理します。
ハナミズキの基本情報
- 学名…Cornus florida
- 和名…アメリカヤマボウシ(亜米利加山法師)
- 別名…ハナミズキ(花水木)
- 科名…ミズキ科
- 属名…ミズキ属
- 原産国…北アメリカ東部~メキシコ北東部
- 花色…白、ピンク、赤
- 樹高…3m~20m
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:5 to 9
ハナミズキとは
ハナミズキは、北アメリカに分布するミズキ科ミズキ属の落葉高木です。
分布域は、北アメリカ東部を中心に、カナダ・ケベック州、アメリカ合衆国・メイン州からオンタリオ州、イリノイ州、カンザス州南部、フロリダ州、テキサス州、メキシコ・メキシコ州まで広がっており、森林の縁などに自生しています。
アメリカ原産の花木の中で最も美しいものの一つと言われ、ミズーリ州、バージニア州の州花に選定されています。
日本へは1915年に渡来しています。
当時の東京市長であった尾崎行雄氏が、ワシントン市にサクラを贈った返礼としてハナミズキの木を贈られました。
現在では、庭木として植栽される他、街路樹や公園樹として広く普及しています。
「アメリカヤマボウシ」の和名があり、ヤマボウシとは同属の近縁種です。
ハナミズキの花期は4月中旬~5月中旬。
花期になると、小枝の先に花序を付け、小さな花を咲かせます。
花序は径1~2㎝程度の大きさで、一つの花序には15~30個の花が密生します。
▼ハナミズキの花序

花は花径5㎜程度の4弁花で、淡い緑色をしています。
▼ハナミズキの花

花序の外側には4個の苞(ホウ)と呼ばれる葉に近い性質のものがあり、白い花弁のように見えます。
苞は長さ2~6㎝、幅1~4.5㎝の倒卵形で、先端が凹みます。
▼ハナミズキの花序と苞

花色(苞の色)は基本種の白の他、ピンク、赤。
▼赤い花を咲かせるハナミズキ

果実は長さ1㎝程度の楕円形で、秋になると赤く熟します。
近縁種のヤマボウシの果実は食べることが出来ますが、こちらは食用ではありません。
▼ハナミズキの果実

葉は対生し、長さ5~12㎝、幅2~7㎝の広卵形~楕円形で、先端が尖ります。
葉柄は0.3~2㎝、葉の表面には葉脈が目立ちます。
▼ハナミズキの葉の様子

樹皮はコルク状で、0.5~1㎝の長方形の割れ目が入ります。
▼ハナミズキの樹皮

樹高3~20m程度に成長し、樹形は横幅のある円錐形になります。
花は2m程度の樹高で付きます。
▼たくさんの花を咲かせるハナミズキ

葉は秋になると美しく紅葉します。
▼ハナミズキの紅葉

耐寒性に優れており、北海道中部、南部以南での栽培が可能です。
九州や四国などの暖地の場合は、冬場の休眠が不十分になるため、生育が悪くなることがあります。
ハナミズキの主な品種
アメリカで古くから品種改良が盛んに行われており、非常に多くの品種があります。
現在では日本でも数々の品種が作出されるようになり、ヤマボウシとの交配種なども流通しています。
代表的な品種の特徴を比較すると、次のようになります。
| 品種 | 特徴 | 花色・総苞片の色 | 樹形・見どころ |
|---|---|---|---|
| ホワイトラブ | 住友林業緑化株式会社により作出された白花品種。 | 白 | 枝の横張りが少なく、コンパクトな円錐形に整いやすい。 |
| チェロキー・チーフ | 古くからある赤花の代表品種。 | 赤 | 大きな総苞片を付け、華やかな印象になる。 |
| チェロキー・サンセット | 葉に黄色い斑が入る斑入り品種。 | 赤 | 花のない時期も斑入り葉を楽しめる。 |
ホワイトラブ(Cornus florida 'White Love')

1998年に住友林業緑化株式会社より作出された品種です。
従来のハナミズキに比べ枝の横張りが少なく、樹形はコンパクトな円錐形に整います。
ハート形の白い総苞片を付けます。
チェロキー・チーフ(Cornus florida 'Cherokee Chief')

古くからある赤花の代表品種で、総苞片が大きく華やかです。
チェロキー・サンセット(Cornus florida ‘Cherokee Sunset’)

葉に黄色い斑が入る斑入り品種で、総苞片は赤色です。
花のない時期にも美しい葉に高い観賞価値があります。
他にも数多くの品種があります。
花期や実の扱い、庭木としての印象が異なるため、違いを比較しておくと選びやすくなります。
| 種類 | 特徴 | 花期 | 花色 | 果実 |
|---|---|---|---|---|
| ハナミズキ | 春に花弁のような総苞片を楽しむ落葉高木。街路樹や庭木としてよく植えられる。 | 4月中旬~5月中旬 | 白、ピンク、赤 | 赤く熟すが食用ではない |
| ヤマボウシ | 日本にも自生する落葉高木。花、果実、紅葉を楽しめる。 | 6月~7月 | 白、ピンク | 食用になる |
| サンシュユ | 早春に黄色い花を咲かせる落葉高木。春を告げる花木として親しまれる。 | 3月~4月 | 黄色 | 赤く熟し、薬用として利用される |
ハナミズキとヤマボウシの違い
ハナミズキとヤマボウシは、どちらもミズキ属の落葉高木です。
ハナミズキは4月中旬~5月中旬に花を咲かせるのに対し、ヤマボウシは6月~7月に花を咲かせます。
また、ハナミズキの果実は食用ではありませんが、ヤマボウシの果実は食べることができます。
花期や果実の扱いが異なるため、庭木として選ぶ場合は、開花時期や実を楽しみたいかどうかも判断材料になります。
ハナミズキの育て方

植え場所
日当たりを好みますが、夏場の強い西日が当たらない場所が適しています。
暑い時期に乾燥すると樹勢が弱まり、葉を落としてしまうことがあります。
街路樹のハナミズキが夏に葉を落とすのは、乾燥が原因になっていることがあります。
夏場に一日中陽が当たるような場所で育てる時は、株元を敷き藁などで覆い、乾燥から守って下さい。
冬越し
耐寒性は高く、北海道中部、南部以南で栽培可能です。
特に対策の必要はありません。
水やり
庭植えの場合は、根付くまでは土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。
その後はほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が続くようなら水やりを。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。
肥料
庭植えの場合は2月頃、寒肥として堆肥と有機肥料を株の周辺に埋め込みます。
寒肥を施さなかった場合は、花後に化成肥料を株元に施して下さい。
鉢植えの場合も同様に、2月頃に化成肥料を寒肥として施します。
寒肥を与えなかった場合は、花後に化成肥料を施して下さい。
植え付け・植え替え
適期は落葉期の12月~3月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、植穴の底に緩効性化成肥料を入れておきます。
根鉢を軽く崩して植え付けて下さい。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。
小さな苗木(樹高100㎝以下)なら6~7号鉢に植え付けることが出来ます。
植え替え
鉢植えの場合は、2~3年に一度、植え替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩して一回り大きな鉢に植え付けます。
剪定
枝数が少なく、自然樹形の美しい樹木なので、基本的には剪定は行いません。
不要な枝やひこばえを切る時は、落葉期の12月~3月に行います。
この時期になると翌年の花芽がはっきりと分かるので、不要な枝を見分けやすいです。
樹高を低く仕立てたい場合
主幹を大きく切るときは、落葉期の2月頃に行います。
あまり剪定に強い樹ではありません。
強剪定でいきなり小さくしてしまうより、毎年少しずつ切り戻していく方が安全です。
剪定は好みの位置で行いますが、切っていいのは枝分かれしている部分です。
幹や枝の途中の何もないところで切ってはいけません。
3本に分かれた枝の真ん中の枝を根元から落とし、残った枝がきれいなY字になるように仕立てます。
これを繰り返し、全体を一回り小さく仕立てて下さい。
※太い枝を切った場合には切り口に癒合剤を塗っておきます。
ハナミズキの花が咲かない原因
ハナミズキの花が咲かない場合は、日照不足、夏の乾燥、剪定時期の間違い、木がまだ若いことなどが原因として考えられます。
日当たりを好む庭木なので、日照時間が短い場所では花つきが悪くなることがあります。
また、夏に乾燥して樹勢が弱ると、翌年の花つきに影響することがあります。
強い西日が当たる場所では、株元を敷き藁や腐葉土で覆い、乾燥と地温の上昇を防ぎます。
剪定で花芽のある枝を切ってしまうと、翌年の花が少なくなります。
剪定する場合は落葉期に花芽を確認しながら、不要な枝やひこばえを切る程度にとどめます。
増やし方(接ぎ木、種まき)
接ぎ木と種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては、下記「種まき」の項目を参照下さい。
※挿し木もできますが、活着率は5~10%と低く成長も遅いです。
接ぎ木
適期は3月~4月です。
台木には実生のハナミズキの3年苗を使うことが多いようです。
台木苗を育てる必要があり、一般家庭ではあまり行われません。
種まき
野生種の場合は親株と同じ花が咲きますが、園芸品種の場合は親株と同じ花は咲きません。
種の採取
秋に赤く熟した果実を採取して、果肉の部分を取り除いてきれいに洗って下さい。
種はそのまますぐにまくか、保管しておいて翌春にまきます。
ハナミズキの種は乾燥すると極端に発芽率が下がるので、乾かさないように注意して下さい。
保管する場合は、湿らせてかたく絞った新聞やキッチンペーパーに包み、ジップロックなどのビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。
種まき
とりまきの場合は採取してすぐ、保管した場合は翌3月が適期です。
箱まきかポットまきで覆土は1㎝程度。
本葉が3~4枚に育ったら鉢上げして下さい。
病気・害虫
うどんこ病
葉に白い粉をかけたような病変が現れる病気で、梅雨の時期に発生しやすくなります。
放っておいても枯れることはありませんが、美観が損なわれ、早く落葉したりします。
発生した場合は早目に薬剤で対処して下さい。
アメリカシロヒトリ
葉を食害する毛虫です。
発見したら捕殺するか薬剤で対処します。
カミキリムシ(テッポウムシ)
幼木の時に発生することがあります。
株元におがくずのようなものが落ちていたら幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
放っておくと樹が弱ったり枯れてしまったりするので、早目に駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで捕殺します。
薬剤の場合は、駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。
よくある質問
ハナミズキのよくある質問
ハナミズキを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、剪定、夏の乾燥対策、ヤマボウシとの違いなどを確認しておきましょう。
ハナミズキの花が咲かない原因は?
ハナミズキの花が咲かない場合は、日照不足、夏の乾燥、剪定時期の間違い、木がまだ若いことなどが原因になることがあります。 花芽は枝先につくため、剪定で花芽のある枝を切ってしまうと翌年の花が少なくなります。 また、夏に乾燥して樹勢が弱ると花つきが悪くなることがあります。
ハナミズキの剪定時期はいつですか?
ハナミズキの剪定は、落葉期の12月~3月に行います。 自然樹形が美しい庭木なので、基本的に強い剪定は必要ありません。 不要な枝やひこばえを切る程度にとどめ、花芽を確認しながら剪定します。
ハナミズキは強剪定しても大丈夫ですか?
ハナミズキはあまり剪定に強い樹木ではありません。 樹高を低くしたい場合でも、一度に大きく切り詰めるより、毎年少しずつ切り戻していく方が安全です。 太い枝を切った場合は、切り口に癒合剤を塗って保護します。
ハナミズキは夏に葉が落ちることがありますか?
夏に乾燥が続くと、ハナミズキは樹勢が弱り、葉を落とすことがあります。 特に強い西日が当たる場所や、株元が乾きやすい場所では注意が必要です。 敷き藁や腐葉土で株元を覆い、乾燥と地温の上昇を防ぐと管理しやすくなります。
ハナミズキは鉢植えでも育てられますか?
小さな苗木であれば鉢植えでも育てることができます。 鉢植えでは赤玉土と腐葉土などを使った水はけのよい土に植え、表土が乾いたらたっぷり水を与えます。 鉢の中で根が詰まってきたら、2~3年に一度を目安に一回り大きな鉢へ植え替えます。
ハナミズキの実は食べられますか?
ハナミズキの果実は秋に赤く熟しますが、食用ではありません。 近縁種のヤマボウシの果実は食べることができますが、ハナミズキとは扱いが異なります。 観賞用の果実として楽しむのがよいでしょう。
ハナミズキとヤマボウシの違いは?
ハナミズキは春の4月中旬~5月中旬に花を咲かせ、ヤマボウシは初夏の6月~7月に花を咲かせます。 また、ヤマボウシの果実は食べることができますが、ハナミズキの果実は食用ではありません。 どちらもミズキ属の花木ですが、花期や果実の扱いに違いがあります。

