別名…カリフォルニアライラック
科名…クロウメモドキ科
属名…ソリチャ属
原産国…北アメリカ~中央アメリカ
花色…青、ピンク、白
樹高…1m~3m
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:8 to 10
セアノサスとは
セアノサスは、北アメリカから中央アメリカに約58種が分布するクロウメモドキ科ソリチャ属の低木です。
58種の内42種が地中海性気候のカリフォルニア州・海岸部および南部固有の種で、その他数種が北アメリカ西部に広く分布しており、ロッキー山脈より東側に分布するのは3種のみとなっています。
セアノサスというのはソリチャ属の属名で、特定の種を指すものではありません。
美しい花を咲かせることから多くの園芸品種が作出されており、「セアノサス」の名前はこれらの園芸品種の総称として用いられています。
セアノサスの花期は4月~6月。
花期になると、枝の頂部、または葉腋から花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
▼セアノサスの花序の様子
花には萼片と花弁がそれぞれ5枚ずつあり、萼片は披針形~三角形で、通常内側に曲がります。
花弁は萼片の隙間から突出するへら形で、先端がツメ状になっています。
雄しべは5個(~8個)で、雌しべは3個の花柱が基部で合着した形になっています。
▼セアノサスの花の構造
花弁が落ちた後も萼片が残るので、鮮やかな花序を長く楽しむことが出来ます。
花色は青紫色~青、白、ピンク色。
花はライラックに似て芳香があり、カリフォルニア州に多く自生種が分布することから、カリフォルニア・ライラックと呼ばれています。
葉の形は品種により異なりますが、長楕円形~楕円形、卵形のものが流通しています。
▼たくさんの花を咲かせたセアノサス ‘ロイヤルブルー’
ライラックに比べると比較的耐暑性があり、こちらは温暖地でも栽培が可能です。
ただし、自生種は乾燥気味の環境に多く見られる植物で、夏場の多湿を苦手としています。
適した環境で育てれば、毎年たくさんの花を咲かせます。
病害虫の発生もほとんどなく、剪定の手間もそれほどかかりません。
セアノサスの主な品種
セアノサス・パシフィックブルー(Ceanothus thyrsiflorus ‘Pacific Blue’)
シルシフローラズ種から作出された園芸品種で、セアノサスの代名詞とも言える有名品種です。
シルシフローラズ種は、アメリカ・カリフォルニア州およびオレゴン州、メキシコ・バハカリフォルニア州に分布するセアノサスで、砂地や岩の多い平地や斜面に自生しています。
葉は互生し、長さ1~5㎝、幅0.5~2㎝の長楕円形~広楕円形で、縁に腺の付いた鋸歯があります。
花序は半球状~短い円錐状で、花は花序に密に付きます。
ブッシュ状に広がり、樹高1~3m程度に育ちます。
鮮やかな青花が美しい常緑種です。
セアノサス・リペンス(Ceanothus thyrsiflorus var. repens)
シルシフローラズ種の変種の一つで、カリフォルニア州海岸沿いの岩場などに自生しています。
パシフィックブルーよりも葉の幅が広いのが特徴です。
セアノサス・マリーサイモン(Ceanothus × pallidus ‘Marie Simon’)
1830年に初めて作られたセアノサス・ハイブリッドの系統の品種です。
ややふわふわとした花序に付く花はピンクで、葉は長さ7.5㎝程度の広卵形です。
他のセアノサスとは印象の異なる品種で、冬場に落葉します。
樹高1.5~2m程度に成長します。
セアノサス・ロイヤルブルー(Ceanothus ‘Royal Blue’)
樹高2~4m程度に成長するセアノサスです。
最盛期には美しい青花が木を覆います。
その他にも多数の品種が作出されています。
セアノサスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
自生地は乾燥気味の場所で、夏場の多湿を嫌います。
風通しの良い場所で育てて下さい。
基本的に日当たりを好みますが、暖地の場合は夏場に午後から日陰になる場所などで育てます。
弱アルカリ性~中性の土壌を好みます。
植え場所が酸性の場合には、あらかじめ苦土石灰で土壌を中和しておきます。
冬越し
耐寒温度は-10℃程度です。
最低気温が-10℃を下回るような地域では、鉢植えにして冬場は室内で管理します。
水やり
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境では根腐れを起こしやすくなるので、注意して下さい。
肥料
多くの肥料を必要とする植物ではありません。
庭植えの場合は、花後のお礼肥として緩効性肥料を株の周辺に施します。
鉢植えの場合は、花後のお礼肥に加え、秋にも緩効性肥料を施して下さい。
植え付け、植え替え
適期は春の3月下旬~4月、秋の9月~10月上旬です。
植え付け
弱アルカリ性~中性の土壌を好みます。
植え場所が酸性の場合は、苦土石灰を使用して土壌を中和して下さい。
庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植え穴を掘り、用土に腐葉土、川砂を混ぜ込み、水はけの良い環境を作ります。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませます。
必要であれば支柱を立てて下さい。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土に川砂を混ぜ込んで、水はけの良い土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行います。
一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けて下さい。
剪定
必要であれば、花後に剪定を行います。
花を付けた枝を1/3程度軽く切り戻し、混み入った箇所があれば間引きます。
強剪定を行うと枯れることがあるので注意して下さい。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
枝を2~3節程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。