低木 庭木

ルリヤナギ

  • 学名…Solanum glaucophyllum Desf.
  • 和名…ルリヤナギ(瑠璃柳)
  • 別名…スズカケヤナギ、リュウキュウヤナギ、チョウジカ
  • 科名…ナス科
  • 属名…ナス属
  • 原産国…南アメリカ
  • 花色…薄紫色
  • 樹高…1m~2m
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:Not Applicable

ルリヤナギとは

ルリヤナギ

ルリヤナギは、南アメリカに分布するナス科ナス属の常緑小低木です。
分布域は、ブラジル南部、ボリビア、アルゼンチン北部、パラグアイ、ウルグアイにあり、日当たりの良い池や沼のほとりのやや湿り気のある場所に自生しています。

日本には江戸時代に渡来しています。
琉球を経て入って来たことから「リュウキュウヤナギ」とも呼ばれています。

ヤナギと名前に付きますが、ヤナギの仲間ではありません。


ルリヤナギの花期は7月~9月。
花期になると、上部の枝の葉腋、または頂部に花序を出し、花を咲かせます。
花序は時に多数分枝し、通常20~50個、多いときにはそれ以上の花を付けます。

▼ルリヤナギの花序

ルリヤナギの花序

花は淡紫色で直径2.5㎝程度、下向きに付きます。
花冠は先が5裂しており、しばしば中央部分に白い星形の模様が入ります。

花冠の外側には毛があり、特に裂片に多く見られます。
内側は、裂片の先以外無毛です。

▼ルリヤナギの花の様子

ルリヤナギの花

雄しべは5個、葯は黄色く内側に曲がります。
雌しべは1個、長さ5~7㎜の円筒形です。

▼ルリヤナギの雄しべと雌しべ

ルリヤナギの花の雄しべと雌しべ

果実は直径0.75~2㎝の球形で、熟すと黒くなります。
※暖地でないと結実しません。

▼ルリヤナギの果実

ルリヤナギの果実

葉は互生し、長さ6~18㎝、幅0.6~3.5㎝の披針形~狭披針形で、やや白味を帯びた青緑色をしています。
葉柄は1.5㎝以下で、しばしばわずかに翼(よく)があります。

ルリヤナギの名前は、この柳に似た葉姿と花色に由来しています。

▼ルリヤナギの葉

ルリヤナギの葉の様子

地下茎を伸ばして広がり、樹高1~2mに成長します。

▼たくさんの花を咲かせるルリヤナギ

ルリヤナギ

耐寒性はあまり高くありませんが、関東地方以西では戸外での冬越しが可能です。
寒さで落葉したり、地上部が枯れてしまいますが、根が生きていれば春に再び芽吹きます。
※0℃以上の気温があれば常緑で冬を越します。

ルリヤナギの育て方

ルリヤナギの育て方

栽培環境

日当たりの良く、水はけの良い場所が適しています。
強健な性質なので、土質も特に選ばなくて大丈夫です。

ナス科の植物で連作障害が出やすい性質です。
以前にナス科の植物を植えた場所には植えないようにして下さい。

庭植えで育てていると連作を嫌って地下茎で勝手に移動していきます。
スペースが無い場合は鉢植えで育てた方が無難です。

冬越し

0℃以上の気温があれば常緑で冬を越します。

関東以西なら戸外で冬越し可能ですが、落葉したり地上部が枯れたりします。
鉢植えの場合は、霜の当たらない場所に移動して下さい。
庭植えの場合は、霜よけを設置するか、株元を腐葉土や敷き藁で覆って、防寒対策を施します。
寒さで落葉した場合も、根が生きていれば春に芽吹きます。

苗が小さい場合は室内で管理した方が無難です。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場の水切れには注意して下さい。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。
生育が悪いようなら、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥して下さい。

鉢植えの場合は、冬の休眠期を除いて緩効性肥料を月に1度程度、施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月~5月です。

植え付け(用土)

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

ルリヤナギは連作障害の出やすいナス科の植物です。
鉢植えの場合は毎年新しい用土で植替えを行って下さい。

庭植えの場合は、同じ場所を嫌って地下茎で勝手に移動していきます。
移動した場所で育てるか、植替えを行って下さい。
同じ場所で育てていると、成長も遅く芽の出る数も減っていきます。

切り戻し、剪定

大きくしたくない場合は、花後に切り戻しを行って下さい。
かなり短く切っても芽吹きます。

次々と新しい芽が出てくるので、古い枝を取り除いて株を更新すると、低い樹高で楽しむことが可能です。

増やし方(挿し木、株分け)

挿し木、株分けで増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月頃です。

2~3節の長さで枝を切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

株分け

掘り上げた地下茎を切り分けて植え付けて下さい。

病気、害虫

まれにコナジラミが発生することがあります。
見つけ次第駆除して下さい。

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