- 学名…Ajuga reptans L.
- 和名…セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)
- 別名…アジュガ、ツルジュウニヒトエ
- 科名…シソ科
- 属名…キランソウ属
- 原産国…北ヨーロッパ
- 花色…紫、青、ピンク、白
- 草丈…10㎝~30㎝
- 日照…半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:4 to 9
アジュガとは
アジュガは、ヨーロッパを中心に分布するシソ科キランソウ属の多年草です。
アジュガというのはキランソウ属の学名ですが、園芸上では通常アジュガ・レプタンス(Ajuga reptans)を指します。
アジュガ・レプタンスは、ヨーロッパおよびコーカサス地方、一部中央アジアに分布しており、森林や牧草地などに自生しています。
美しい花を咲かせることから数多くの園芸品種が作出され、観賞用として広く栽培されています。
日本では観賞用の他、水田の畔を被うために導入されています。
1970年頃から逸出して野生化しているのが各地で確認されるようになっています。
和名はセイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)。
同じキランソウ属の在来種であるジュウニヒトエに似ていることに由来します。
アジュガの花期は4月~5月。
花期になると、立ち上がった茎の上部に花茎を出し、対生する葉状の苞の腋に、多数の花を穂状に付けます。
花茎は高さ10~30㎝。
▼アジュガの花茎の様子
花は長さ1㎝程度の唇形花(しんけいか)です。
唇形花(しんけいか)とは、シソ科の植物に多く見られる花の形です。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれており、この様子を口に見立て、上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼びます。
アジュガの唇形花は、上唇は2裂したごく小さなもので、下唇は大きく発達して3裂しており、中央裂片の先は浅く窪みます。
▼アジュガの唇形花
雄しべは4個あり、内2個は長く、2個は短くなっています。
雌しべは1個、花柱の先は2裂しています。
▼アジュガの雄しべ
花色は基本種の青紫の他、青、紫、ピンク、白。
▼ピンク色の花を咲かせるアジュガ
茎葉は対生し、倒披針形~倒卵形で縁に浅く丸い鋸歯があります。
根生葉は長い柄を持ち、楕円形で、ロゼット状に広がります。
葉は常緑性でしばしば紫色、赤銅色を帯びます。
▼アジュガの葉の様子
葉に白い斑の入る斑入り品種も流通しています。
▼斑入りのアジュガ
耐寒性が高く、育てやすい植物です。
耐陰性があるため、シェードガーデンのグランドカバーとしてよく利用されます。
ランナーを出してよく増え、よく広がります。
対して一日中強い日差しが当たるような場所ではあまり増えず、枯れてしまうこともあります。
半日蔭から日陰に適した植物です。
アジュガの育て方
栽培環境
水はけの良い、半日陰の場所が適しています。
1日に1時間程度の日照があれば、十分に育ちます。
逆に強い日差しや西日が当たる場所では葉焼けを起こしたり枯れてしまったりします。
落葉樹の下や、午前中だけ日が当たるような場所で育てて下さい。
冬越し
植栽可能地域は、北海道中南部から九州です。
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
肥料
肥料を与えすぎると花付きが悪くなります。
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、生育が悪いようなら春に緩効性化成肥料や固形の油粕などを株元に施して下さい。
鉢植えの場合は、生育期の4月~6月上旬に、緩効性化成肥料を置き肥するか薄めの液体肥料を施します。
植え付け、植え替え
適期は3月~5月、9月中旬~11月中旬です。
植え付け(用土)
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行って下さい。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。
庭植えの場合は、増えすぎているようなら株分けを兼ねて植え替えを行います。
花がら摘み
花が終わった花茎は、付け根から切り取って下さい。
増やし方(株分け)
株分けで簡単に増やすことが出来ます。
株分け
適期は3月~5月、9月中旬~11月中旬です。
ランナーを出してよく増えるので、子株を切り離して植え付けて下さい。
病気、害虫
病気は特にありませんが、アブラムシ、ナメクジの食害が発生することがあります。
見つけ次第駆除して下さい。