一年草・二年草

スイートアリッサム

  • 学名…Lobularia maritima (L.) Desv.
  • 和名…ニワナズナ(庭薺)
  • 別名…アリッサム、アリッスム
  • 科名…アブラナ科
  • 属名…ニワナズナ属
  • 原産国…地中海沿岸地域
  • 花色…白、ピンク、紫、他
  • 草丈…10㎝~20㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

スイートアリッサムとは

スイートアリッサム

スイートアリッサムは、地中海沿岸地域原産のアブラナ科ニワナズナ属の多年草です。
スイートアリッサムとして流通するのは、ニワナズナの和名を持つロブラリア・マリティマ(Lobularia maritima)です。

ロブラリア・マルティマは、地中海沿岸地域の他、ビスケー湾沿岸地域、カナリア諸島などのマカロネシアに分布しており、日当たりの良い海岸の砂浜や砂丘などでごく一般的に見られる植物です。

「アリッサム」の名前で呼ばれることがありますが、これはスイートアリッサムが以前ミヤマナズナ属(Alyssum)に分類されていたためです。
現在はミヤマナズナ属から分離したニワナズナ属(Lobularia)に分類されており、正確な学名での呼び名は「ロブラリア」ということになります。
ただ一般的にはかつての属名が定着しているため、「アリッサム」というと多くの場合は本種を指します。
※ミヤマナズナ属の植物もアリッサムの名前で流通します。

英名はスイートアリッサムで、花に甘い香りがあることに由来します。

本来は多年草ですが、高温多湿の環境に弱い性質で、日本では夏に枯れてしまうことが多いため、一般的には秋に種をまいて春に花を楽しむ秋まき一年草として扱われています。


スイートアリッサムの花期は3月~6月。
※夏を越した場合には秋にも花を咲かせます。
花期になると、茎の頂部に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。

▼スイートアリッサムの花序

スイートアリッサムの花序

花は直径5㎜程度の4弁花です。
雄しべは6個、雌しべは1個。

▼スイートアリッサムの花

スイートアリッサムの花

花色は白、赤、紫、ピンクなど。

▼ピンク色の花を咲かせるスイートアリッサム

ピンクのスイートアリッサム

花付きが非常に良く、最盛期には株を覆うように花が咲き、群生させると花の絨毯のようになり美しい景色を作り出します。

▼白と紫の花を咲かせるスイートアリッサム

紫色のスイートアリッサム

葉は長さ1.5~2.4㎝、幅1.5~6.5㎜の披針形~線形~倒披針形です。
茎はよく分枝して花を咲かせながら草丈10~20㎝程度に成長します。
株は地を這うように茂ります。

▼スイートアリッサムの葉の様子

スイートアリッサムの葉の様子

耐寒性はありますが、強い霜に当たらない場所が望ましいです。
耐暑性は低く、暖地では夏の間に枯れてしまうことが多いですが、こぼれ種でよく生えてきます。
霜や雪に注意すれば、よく花を咲かせ、よく増え、手のかからない植物です。

スイートアリッサムの育て方

スイートアリッサムの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
スイートアリッサムは、酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。

 冬越し、夏越し

冬越し

強い霜に当たると株が傷みます。
枯れてしまうことはありませんが、霜が降りない場所で管理するか、簡単な霜よけを設置すると安心です。

夏越し

梅雨~夏頃に株元の葉を残してバッサリと短く刈り込みます。
鉢植えの場合は、風通しの良い明るい日陰に移動して下さい。
庭植えの場合は、遮光して強い日差しと暑さから株を守ります。

※夏越しをした株は、徒長して草姿が乱れます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
極端に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

スイートアリッサムはやや乾燥気味の環境を好みます。
常に土が湿った状態が続くと根腐れを起こすので注意して下さい。

肥料

元肥として、用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
開花期になったら、薄めの液体肥料を2週間に1回程度施すか、即効性の化成肥料を月に1回程度施して下さい。

植え付け(用土)

庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておきます。
さらに、腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作り、元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
株間は20㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
6号鉢に1株が目安です。

花がら摘み、切り戻し

花が終わった花茎は切り取って下さい。

花後に草姿が乱れた場合は、草丈の1/3程度の高さで切り戻します。
脇芽が伸びて再び花を咲かせます。

増やし方(挿し芽、種まき)

挿し芽と種まきで増やすことが出来ますが、こぼれ種からも増えていきます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し芽

適期は5月か9月です。

茎を5㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

種まき

種の採取

花後に小さな種袋ができます。
茶色く変色したら中の種が熟しているので、採取して下さい。
株の下に新聞紙などを敷いて揺らすと種が落ちるので、簡単に種を採ることが出来ます。
採取した種は乾燥させて、封筒などに入れて涼しい場所で保管して下さい。

種まき

適期は9月~10月です。
寒冷地の場合は、春の3月~4月に種をまきます。

種が細かいので、播種箱に重ならないように注意してバラまき、覆土はごく薄く。
発芽温度は15℃~20℃です。
水を切らさないように管理して、発芽後、本葉が1~2枚程度になったらポット上げして下さい。
本葉が4~5枚になったら定植します。

病気、害虫

病気の心配はほとんどありませんが、春先にアブラムシが発生することがあります。
見つけ次第対処して下さい。

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