多年草・宿根草

ウインターコスモス

  • 学名…Bidens laevis (L.) Britton, Sterns et Poggenb.
  • 和名…キクザキセンダングサ(菊咲栴檀草)
  • 別名…ビデンス、ウインターコスモス
  • 科名…キク科
  • 属名…センダングサ属
  • 原産国…メキシコ、南アメリカ、北アメリカ
  • 花色…黄色、白、ピンク
  • 草丈…30㎝~120㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:6 to 10

ウインターコスモスとは

ウインターコスモス

ウインターコスモスは、キク科センダングサ属(ビデンス属)の多年草です。
ウインターコスモスが属するセンダングサ属の植物は、メキシコを中心として世界に広く150~250種が分布しています。

「ウインターコスモス」として流通しているのは、主にビデンス・ラエビス(Bidens laevis)から作出された園芸品種です。
ビデンス・ラエビス種は、南米、メキシコの他、アメリカの東部や南部に分布する多年草で、主に河川や湖の畔、湿地の縁など湿り気の多い土壌に自生しています。
キクザキセンダングサの和名を持ちますが、流通名であるウインターコスモスの名前で定着しています。

センダングサ属の植物は日本にも数種が分布しています。
種子が衣服につく、所謂「ひっつき虫」がセンダングサ属の植物で、ウインターコスモスの仲間ということになります。
学名の「ビデンス」の名前は、ラテン語の「bi=数字の2」と「dens=歯」から来た合成語で、種子に歯のような2本のトゲがあることに由来します。


ウインターコスモスの花期は10月~12月。
花期になると、分枝した茎の頂部に1個の頭花(とうか)を咲かせます。
頭花とは、主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ゼツジョウカ)と、中心部分の小さな管状花(カンジョウカ)から作られた集合花です。

▼ウインターコスモスの頭花

ウインターコスモスの頭花

ウインターコスモスの頭花は直径3~5㎝程度の大きさです。
舌状花は5~8個、管状花は多数。

管状花は外側から中心へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後で雌しべが伸びて成熟します。

▼ウインターコスモスの管状花(雄しべと雌しべ)

ウインターコスモスの管状花

管状花は先が小さく5裂しており、雄しべは筒状に合着しています。
咲き進むと筒状の雄しべの中から雌しべが伸びて来ます。

▼ウインターコスモスの管状花(雌しべ)

ウインターコスモスの雄しべと雌しべ

花色は黄色、白、ピンク、複色。


果実は棒状で扁平な形をしており、先に2つのトゲがあります。
果実の縁には逆向きに小さなトゲが生えています。

▼ウインターコスモスの果実

ウインターコスモスの果実
photo by:sonnia hill

葉は対生し、2回羽状複葉で濃緑色をしいます。
※葉は品種により異なります。原種であるビデンス・ラエビスは単葉で披針形~卵形~線形の葉を持ちます。

▼ウインターコスモスの葉の様子

ウインターコスモスの葉の様子
写真はイエローキューピッド ‘Yellow Cupid’

茎はよく分枝して、切り戻しをしないと2m近くに伸びることがあります。
葉茎はコスモスに比べるとしっかりとしているので、1m前後の草丈に抑えれば倒れることはありません。

耐寒性があり、育てやすい植物です。
秋に切り戻しの必要がありますが、病害虫の発生もほとんど無く、よく花を咲かせます。

コスモスの名前を持ちますが、コスモスの仲間ではありりません。

ウインターコスモスの主な品種

イエローキューピッド(Bidens laevis ‘Yellow cupid’)

ウインターコスモス・イエローキューピッド

舌状花の先に白い縁取りが入り、鮮やかな黄色へのグラデーションが美しい品種です。
流通量が多く、ウインターコスモスの代名詞となっています。

アイボリーホワイト(Bidens laevis ‘Ivory White’)

ウインターコスモス・アイボリーホワイト

舌状花が乳白色の品種です。
イエローキューピッドに比べると流通量は少なめです。

ストロベリーミルク

ウインターコスモス・ストロベリーミルク

白い舌状花の縁が淡いピンク色になる品種です。

他にも、黄花の「ゴールドキューピット」、薄い黄花の「レモンキューピット」、黄花にピンクの覆輪が入る「月姫」など様々な品種が流通しています。

ウインターコスモスの育て方

ウインターコスモスの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
ある程度の日陰でも育ちますが、徒長し花付きが悪くなります。

冬越し

耐寒性があり、強く凍らせなければ、戸外での冬越しが可能です。
寒冷地の場合は、軒下などの強い霜や雪の心配の無い場所に移動して下さい。
鉢土まで凍ってしまうような寒冷地の場合は、室内に取り込んで冬越しをさせます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、ひどく乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中の株は、やや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、春と秋に少量の緩効性化成肥料を施して下さい。

鉢植えの場合も同様です。

多肥な環境で育つと、草丈がどんどん高くなり、花付きも悪くなります。
肥料は少な目を心がけて下さい。

植え付け、植え替え

植え付け(用土)

適期は秋の9月~10月、春の4月~5月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

適期は春の4月~5月です。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので毎年植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。

庭植えの場合も、増えすぎて株が混み合っているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。

切り戻し

切り戻しをしないと、草丈がどんどん高くなり、2m近くに伸びてしまいます。
開花前の9月~10月に切り戻しを行うと、伸びた脇芽がすぐに花芽になり、低い草丈で花を咲かせることが出来ます。

増やし方(挿し芽、株分け)

挿し芽、株分けで増やすことが出来ます。

挿し芽

適期は4月~5月です。
茎を先端から10㎝程度の長さに切り、挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

株分け

適期は4月~5月です。

植え替え時に株分けを行います。
掘り上げた株の土を落とし、スコップやハサミなどでざっくりと分けて、植え付けて下さい。

病気、害虫

アブラムシ

新芽や蕾に発生しやすい害虫です。
見つけ次第、駆除して下さい。

ハダニ

高温乾燥期に発生しやすい害虫です。
ハダニは水が苦手なため、水やりの際に葉裏にも水をかけるようにすると、ある程度は駆除することができます。

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