
育て方のポイント
コバノズイナの育て方早見表
コバノズイナは、初夏に白い花穂を咲かせ、秋には紅葉も楽しめる落葉低木です。 日なたから半日陰まで育ち、耐寒性・耐暑性が高く、自然に樹形がまとまりやすい育てやすい花木です。 花をたくさん楽しみたい場合は、半日以上日の当たる場所で育てます。
- 分類
- 落葉低木
- 開花期
- 5月~6月
- 花色
- 白
- 樹高
- 1m~3m。自然にコンパクトな株立ちになりやすい
- 日照
- 日なた~半日陰。花付きをよくするなら半日以上の日照が必要
- 適した場所
- 水はけがよく、夏に乾燥しすぎない場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ。夏に乾燥が続く場合は水やりする
- 肥料
- 2月に寒肥、6月~7月に花後のお礼肥を施す
- 植え付け
- 11月~12月、2月下旬~3月
- 剪定
- 花後の6月~7月。不要枝を整える程度でよい
- 冬越し
- 耐寒性が高く、北海道南部以南では庭で冬越し可能
- 増やし方
- 挿し木。6月~7月中旬が適期
- 病害虫
- ほとんど発生しないが、まれにカイガラムシが発生する
育て方のコツ: コバノズイナは丈夫で育てやすい低木ですが、花付きをよくするには日照が大切です。 半日陰でも育ちますが、花をたくさん咲かせたい場合は半日以上日の当たる場所で育てます。 自然に樹形が整いやすいため、剪定は徒長枝や絡み枝、不要なひこばえを整理する程度にします。
コバノズイナの基本情報
- 学名…Itea virginica L.
- 和名…コバノズイナ(小葉の瑞菜)
- 別名…アメリカズイナ
- 科名…ズイナ科
- 属名…ズイナ属
- 原産国…北アメリカ
- 花色…白
- 樹高…1m~3m
- 日照…日なた~半日陰
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:5 to 9
コバノズイナとは
コバノズイナは、アメリカ東部を中心に分布するズイナ科ズイナ属の落葉低木です。
分布域はイリノイ州、インディアナ州、ペンシルバニア州を北に、テキサス州、ルイジアナ州、フロリダ州まで広がっており、湿地や森、小川や池の畔などに自生しています。
美しい花を咲かせることから、観賞用として世界で広く栽培されている花木です。
日本には明治時代に渡来し、庭木や盆栽、生け花の花材として利用されています。
コバノズイナの花期は5月~6月。
花期になると、枝先に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は4~15㎝の長さで、花序には20~80個の花が密に付きます。
花序の軸は赤紫色を帯びています。
▼コバノズイナの花序

花は長さ5㎜前後の5弁花です。
雄しべは5個、雌しべは1個。
雌しべの花柱には縦に溝があります。
花にはほのかに甘い香りがあります。
▼コバノズイナの花

花付きが非常に良く、最盛期には多数の花序に無数の花が付きます。
花色は白のみ。
▼たくさんの花を咲かせるコバノズイナ

果実は長さ5~6㎜の蒴果。
▼コバノズイナの果実

葉は互生し、長さ2~9㎝、幅1~4㎝の先の尖った楕円形です。
縁に細かい鋸歯があります。
葉柄は長さ0.3~1㎝。
▼コバノズイナ葉の様子

秋には美しく紅葉します。
▼コバノズイナの紅葉

耐寒性、耐暑性に優れており、丈夫な性質です。
樹形も自然にコンパクトにまとまり、育てやすい花木です。
株元から多数の芽を出して株立になりますが、離れた場所に芽を出すことは無いので、扱いやすい花木です。
名前の由来
コバノズイナという名前は、日本に自生する同属のズイナ(Itea japonica)より葉が小さいことから付けられました。
漢字を当てると「小葉の髄菜」となります。
「ズイナ(髄菜)」の名前は、枝の髄が行灯の灯心に、若葉が食用にされたことから来ています。
近年、ズイナの中に希少糖が含まれているということが発見され、研究が始まっています。
コバノズイナに希少糖が含まれているかどうかは不明です。
コバノズイナの主な品種
コバノズイナには、花穂の長さや樹高、紅葉の色合いに特徴のある園芸品種があります。
代表的な品種を比較すると、次のようになります。
| 品種名 | 特徴 | 樹高・樹形 | 見どころ |
|---|---|---|---|
| ヘンリーズガーネット | 長い花序が枝垂れるように咲く代表的な品種。 | 通常種より花穂が長く、株が充実すると花序が20cm程度になる。 | 白い花穂と、ガーネットのような暗めの赤色に紅葉する葉。 |
| リトルヘンリー | ヘンリーズガーネットの矮性品種。 | 樹高は1m以内に収まりやすく、小さな庭にも使いやすい。 | コンパクトな樹形と、ややダークな色に染まる紅葉。 |
| サライブ | 花にやや赤みを帯びる品種。 | 低木として庭木や花壇の背景に利用できる。 | 白花品種とは少し違う、赤みを帯びた花色。 |
ヘンリーズガーネット(Itea virginica 'Henry's Garnet')

花序が長く枝垂れる品種です。
花序は株が充実すると20㎝程度の長さになり、枝垂れる花姿が優雅です。
品種名の「ガーネット」は、ガーネットのようにやや暗めの赤色に紅葉する葉の様子に由来します。
▼ヘンリーズガーネットの紅葉

リトルヘンリー(Itea virginica 'Little Henry')

ヘンリーズガーネットの矮性種で、樹高は1m以内に収まります。
ヘンリーズガーネット同様、ややダークな色に紅葉します。
他にも花にやや赤みを帯びる「サライブ」などの品種が流通しています。
コバノズイナの育て方

栽培環境
水はけの良い、日なたから半日陰の場所が適しています。
半日陰でも十分育ちますが、多少花付きが悪くなります。
多くの花を楽しみたい場合は、少なくとも半日以上は日の当たる場所で育ててください。
夏越し、冬越し
夏越し
耐暑性は高く、特に対策無しで夏越し可能です。
冬越し
耐寒性もあります。
北海道南部以南であればそのまま庭で冬越し可能です。
雪の重みで枝が折れるようなら対策を施してください。
水やり
庭植えの場合は、夏場に乾燥が続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
夏場は特に水切れさせないように注意してください。
肥料
元肥として用土に腐葉土を混ぜ込んでください。
追肥は、2月の寒肥、6月~7月頃に花後のお礼肥として緩効性化成肥料を施します。
植え付け
適期は厳冬期を避けた落葉期の、11月~12月、2月下旬~3月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
根鉢の2~3倍の植穴を掘り、苗木を植え付けてください。
植え付けた後はたっぷりと水やりをして、根と土を馴染ませます。
鉢植えの場合は、市販の培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。
コバノズイナの花が咲かない原因
コバノズイナの花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期の間違い、株がまだ若いことなどが原因として考えられます。
半日陰でも育ちますが、日照が少ない場所では花付きが悪くなることがあります。
多くの花を楽しみたい場合は、半日以上日の当たる場所で育てます。
また、剪定は花後の6月~7月に行い、遅い時期に枝先を切りすぎないようにします。
植え付けて間もない若い株は、根が十分に張るまで花数が少ないことがあります。
環境に慣れて株が充実すると、花序を多く出すようになります。
剪定
適期は花後の6月~7月です。
自然に樹形が整うので、剪定は必須ではありません。
剪定を行う場合も、徒長枝や絡み枝、ひこばえを取り除く程度にとどめておいた方が本来の美しい樹形が保てます。
地下茎で脇から芽がよく出てきます。
不要な芽はその都度、取り除いてください。
コバノズイナの紅葉をきれいに楽しむポイント
コバノズイナは、秋に美しく紅葉する低木です。
紅葉をきれいに楽しむには、極端な日照不足を避け、夏に水切れさせないように管理します。
半日陰でも育ちますが、日当たりのよい場所の方が花付きや紅葉の色づきがよくなることがあります。
鉢植えでは夏場に乾燥しやすいため、用土の乾き具合を確認しながら水やりをします。
増やし方(挿し木)
挿し木で簡単に増やすことができます。
挿し木
適期は6月~7月中旬です。
枝の先端を10~15㎝程度に切り取り、挿し穂にします。
下葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿してください。
発根するまでは明るい日陰で水を切らさないように管理します。
生命力旺盛な木なので、小さくても翌年には花を咲かせます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありませんが、まれにカイガラムシが発生することがあります。
見付け次第対処してください。
よくある質問
コバノズイナのよくある質問
コバノズイナを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、剪定、半日陰での育て方、紅葉、鉢植えでの管理などを確認しておきましょう。
コバノズイナは半日陰でも育ちますか?
コバノズイナは日なたから半日陰まで育ちます。 半日陰でも十分育ちますが、日照が少ないと花付きがやや悪くなることがあります。 花をたくさん楽しみたい場合は、半日以上日の当たる場所で育てるのがおすすめです。
コバノズイナの花が咲かない原因は?
コバノズイナの花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期の間違い、株がまだ若いことなどが原因になることがあります。 半日陰でも育ちますが、花付きをよくするにはある程度の日照が必要です。 また、花後ではなく遅い時期に剪定すると、翌年の花芽を切ってしまうことがあります。
コバノズイナの剪定時期はいつですか?
コバノズイナの剪定適期は、花後の6月~7月です。 自然に樹形が整いやすい低木なので、強い剪定はあまり必要ありません。 徒長枝や絡み枝、不要なひこばえを取り除く程度に整えます。
コバノズイナは強剪定しても大丈夫ですか?
コバノズイナは丈夫な低木ですが、自然樹形が美しいため、強く切り詰めるよりも軽く整える剪定が向いています。 大きくなりすぎた場合は、一度に切り戻しすぎず、不要な枝を少しずつ整理します。 美しい株立ちを保つには、花後に枝の混み合いを見ながら剪定します。
コバノズイナは紅葉しますか?
コバノズイナは秋に美しく紅葉します。 品種によって紅葉の色合いに違いがあり、ヘンリーズガーネットやリトルヘンリーはやや暗めの赤色に紅葉します。 日当たりのよい場所では、紅葉もきれいに出やすくなります。
コバノズイナは鉢植えでも育てられますか?
コバノズイナは鉢植えでも育てられます。 鉢植えでは水切れしやすいため、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。 特に夏は乾燥しやすいので、水切れに注意して管理します。
コバノズイナは寒冷地でも育ちますか?
コバノズイナは耐寒性があり、北海道南部以南であれば庭で冬越しできます。 雪の重みで枝が折れそうな場合は、支柱や雪囲いなどで枝を保護すると安心です。 水はけのよい場所に植えることも、冬越しを安定させるポイントです。
コバノズイナは増えすぎますか?
コバノズイナは株元から芽を出して株立ちになります。 離れた場所にどんどん広がるタイプではありませんが、株元の不要な芽が気になる場合は、その都度取り除きます。 株姿を整えたい場合は、花後の剪定時に合わせて整理すると管理しやすくなります。