気が付いたら大事な百合がボロボロに…!
犯人は百合専門の害虫、ユリクビナガハムシでした。
5月~6月にかけて発生し、もの凄い勢いで百合の葉や蕾を食べてしまいます。
ちなみに上の写真は成虫ですが、この虫は幼虫も成虫も百合しか食べないという偏食家だそうで。
特に幼虫は大きくなるとかなりの大食漢。
気が付くと大事な百合がボロボロになっていると言った次第です。
ユリクビナガハムシ
- 学名…Lilioceris merdigera
- 科名…ハムシ科
- 目名…鞘翅目(コウチョウモク)
- 体長…7㎜~10㎜
- 分布…日本(本州~九州)、中国、朝鮮、ヨーロッパ、南アメリカなど発生時期…5月~6月
百合の食害
葉を食べられた形跡があり、点々と小さなフンが見られれば要注意です。
葉の裏に幼虫が潜んでいる確率大…!幼虫は自らの排泄物を背負って擬態しています。
パッと見には何かのフンか泥のように見えるのですが、ユリクビナガハムシの幼虫です。▼ユリクビナガハムシの幼虫
Created by modifying "草の上にたくさんのユリの幼虫" (KKPCW, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)最初は何も背負っていない状態で、百合の葉を食べ始めてからフンを背負います。
大きいものは体長約1㎝。
頭部が小さく、体は赤褐色でずんぐりとした幼虫です。
成長すると背負っていた荷物を降ろし、白い繭を作って蛹化します。詳しい生態は不明で、成虫になった後の生育場所や行動は知られていません。
ちなみに京都府では絶滅危惧種の指定を受けています。ユリクビナガハムシの駆除
発生が少数なら補殺します。
大量に発生しているようなら、スミチオン乳剤やオルトランなどの薬剤を使用します。スミチオン乳剤は、害虫が薬剤に触れたり、付着した植物を食べることによって殺虫効果を得られる薬です。
オルトランは浸透移行性の農薬で、葉や根から成分が吸収されて植物の葉自体に殺虫効果を持たせる薬です。
害虫がその葉を食害することによって駆除することが出来ます。オルトランは効果が2~3週間持続するので、予防も一緒に可能です。
発生が毎年見られるようなら、発生前に予防としてオルトラン粒剤をまいておくといいかもしれません。