- 学名…Hypericum monogynum L.
- 和名…ビヨウヤナギ(未央柳、美容柳)
- 科名…オトギリソウ科
- 属名…オトギリソウ属
- 原産国…中国
- 花色…黄色
- 樹高…0.5m~1.3m
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 11
ビヨウヤナギとは
ビヨウヤナギは、中国原産のオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉低木です。
中国での分布域は山東省から四川省以南の地域にあり、低地では海抜200mまで、四川省では1500mまでの山の斜面や茂み、道端などに自生しています。
日本には江戸時代に渡来し、公園樹や庭木として広く栽培されています。
ビヨウヤナギの花期は6月~7月。
花期になると、伸びた枝先に花序を出し、1~15個の花を付けます。
▼ビヨウヤナギの花序
花は直径3~6.5㎝の5弁花です。
花弁は長さ2~3.4㎝、幅1~2㎝の大きさの倒卵形~倒披針形で、鮮やかな黄色をしています。
▼ビヨウヤナギの花
雄しべは基部で5個の束になっており、それぞれの束に25~35個の雄しべがあります。
雄しべは長いもので1.8~3.2㎝の長さで、花弁より長くなります。
雌しべは1個、柱頭は5裂します。
▼ビヨウヤナギの雄しべと雌しべ
▼ビヨウヤナギの雌しべ
果実は6~10㎜の蒴果です。
熟すと茶色くなって裂け、種子が放出されます。
▼ビヨウヤナギの果実
葉は十字対生し、長さ2.5~5㎝、幅1.2~2.3㎝の楕円形~披針形です。
厚い紙質で、表面は淡い緑色をしています。
十字対生(ジュウジタイセイ)…節ごとに付く葉が90度ずつ捻じれており、上から見ると十字の形に見える葉の付き方
葉柄はごく短く、長さ1.5~2㎜。
▼ビヨウヤナギの葉の様子
株立ちして藪状になり、分枝して樹高0.5~1.3mに成長します。
▼大きく育ったビヨウヤナギ
耐寒性はまずまずですが、耐暑性は高く丈夫な性質です。
強剪定も可能で、病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい花木です。
関連図鑑
ビヨウヤナギが属するオトギリソウ属の植物は世界に広く460種が分布しています。
古くから栽培される本種やキンシバイの他、近年では海外から導入された新しい品種も栽培されるようになっています。
これらの観賞用として栽培されるオトギリソウ属の植物を総称して「ヒペリカム」と呼んでいます。
セイヨウキンシバイやヒペリカム・アンドロサエマムなどがヒペリカムの名前で流通します。
ビヨウヤナギの育て方
栽培環境
日なた~半日蔭の場所が適しています。
日陰でも育ちますが、花付きが悪くなります。
水はけが良く、保水力がある腐植質の土壌を好みます。
極端に乾燥するような場所は避けて下さい。
生育旺盛で株立ちになり、藪状に育ちます。
鉢植えには向いていません。
冬越し
耐寒温度は-10℃前後で、東北地方南部以南の地域であれば植栽可能です。
水やり
根付けば、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら、水やりをして下さい。
肥料
やせ地でなければ、特に肥料は必要ありません。
肥料を施す場合は、春の3月~4月、秋の9月下旬~10月に緩効性化成肥料、または固形の油粕などを施します。
植え付け
適期は春の3月~4月、秋の9月下旬~10月です。
根鉢の2~3倍の植穴を掘り、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い土を作ります。
植え付け後はしっかりと水やりを行い、根と土を馴染ませて下さい。
剪定
ビヨウヤナギの花芽は春に伸びた枝に作られます。
剪定は冬に行います。
※自然に樹形が整うので必須の作業ではありません。
通常の剪定は、伸びすぎた枝を軽く整えます。
枯れ枝や花が付かなくなった古い枝があれば、同時に取り除きます。
樹高を低く抑えたい場合は、強剪定を行います。
萌芽力が高く、地際から30㎝程度の高さで刈り込んでも芽吹きます。
増やし方
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は開花前の5月~6月です。
枝を10cmほの長さに切り取って挿し穂にします。
先端の葉を2~3組残して葉を落とし、蕾がついていれば落とします。
しっかりと水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理して、発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。