- 学名…Malvastrum lateritium
- 別名…シダレアオイ
- 科名…アオイ科
- 属名…エノキアオイ属
- 原産国…南アメリカ
- 花色…ピンク
- 草丈…20㎝~30㎝(ツルは1m以上)
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:7 to 10
マルバストラムとは
マルバストラムは、南アメリカ・アルゼンチン、ウルグアイに分布するアオイ科エノキアオイ属(マルバストラム属)の常緑多年草です。
エノキアオイ属には約14種の植物が分類されていますが、観賞用として栽培されるのはマルバストラム・ラテリティウム(Malvastrum lateritium)のみとなっています。
以下、マルバストラム・ラテリティウムを「マルバストラム」として紹介しています。
マルバストラムは、世界各地で帰化状態にあり、日本でも小笠原諸島や南西諸島で帰化が報告されています。
マルバストラムの花期は5月~7月。
花期になると、伸びた茎の葉の付け根から花柄を伸ばし、透明感のある淡いピンク色の花を咲かせます。
▼マルバストラムの花
花は直径5㎝程度の5弁花で、花弁の基部は黄色く、赤い模様が輪のように入ります。
雄しべは葯が黄色く多数。
雌しべ柱頭は紅色で細かく分かれています。
▼マルバストラムの雄しべと雌しべ
花は一日花で夜には閉じてしまいますが、長い花期の間、茎を伸ばしながら次々と開花します。
花色はピンクのみ。
果実は分離果(ぶんりか)。
※分離果(ぶんりか)…複数に縦に分かれた雌しべの子房に由来し、複数の単位に分かれる果実のこと。
分かれた単位は分果(ぶんか)と呼ぶ。
マルバストラムの果実の周りには毛が生えています。
分果の中には小さな種子が入っています。
▼マルバストラムの果実
葉は対生し、3~5裂した掌状で、縁に荒い鋸歯があります。
長い葉柄を持ちます。
▼マルバストラムの葉の様子
茎は濃紫色から緑色で地面を這うように横に広がり、よく茂ります。
地面をほふくして広がっていくため、グランドカバーとしても利用されます。
ハンギング、行灯仕立ての他、鉢植えにして刈り込むと小さく咲かせることも可能です。
▼マルバストラム
丈夫な性質で暑さにも強く、育てやすい植物です。
耐寒温度は-5℃程度で、関東以南の平地であれば戸外での冬越しが可能です。
マルバストラムの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、徒長して花付きが悪くなります。
美しい草姿で花を楽しむためには、よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し
耐寒温度は-5℃程度です。
関東以南の平地であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。
寒冷地では防寒対策をするか、鉢植えにして室内に取り込んで下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥気味の環境を好み、過湿な状態が続くと根腐れを起こします。
水のやりすぎには注意して下さい。
肥料
庭植えの場合は、ほとんど必要ありません。
鉢植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を施します。
やせ地でも育つ植物で、あまり多くの肥料は必要としません。
肥料は少量で十分です。
植え付け、植え替え
適期は3月~5月、9月~10月です。
植え付け
適期は春と秋ですが、真冬を除けばいつでも植え付け可能です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜて水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので1年~2年に一度、植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合は、特に必要ありません。
切り戻し
鉢植えの場合は、花後の7月頃に切り戻しを行って、仕立て直します。
切り戻した茎は挿し穂として利用できます。
増やし方(株分け、挿し芽)
株分け、挿し芽で増やすことが出来ますが、株分けが非常に簡単です。
株分け
伸びたツルが地面に付くと、節の部分から発根します。
切り分けて植え付けて下さい。
挿し芽
適期は5月~7月です。
茎を2節ほどの長さに切り取って挿し穂にします。
下葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
発根するまでは明るい日陰で水を切らさないように管理します。
病気、害虫
まれにイモムシ、アブラムシ、ハマキムシの発生があります。
見付け次第駆除して下さい。