低木 庭木

ノウゼンカズラ

学名…Campsis grandiflora
科名…ノウゼンカズラ科
属名…ノウゼンカズラ属
原産国…中国
花色…オレンジ、赤、黄色
草丈…3m~10m(つる性)
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:6 to 9

ノウゼンカズラとは

ノウゼンカズラ

ノウゼンカズラは、中国中部から南東部にかけて分布するノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉性のつる性植物です。
つるの長さは3~10mに伸び、他のものに付着する気根を出して木や壁を這い上ります。
日本での栽培の歴史は古く、平安時代の『本草和名(ホンゾウワミョウ)』に、「乃宇世宇(ノウセウ)」の記載があります。
「乃宇世宇」というのはノウゼンカズラの古名で、「ノウセウ」または「ノセウ」が訛って「ノウゼン」と呼ばれるようになったと言われています。

ノウゼンカズラ属は本種ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)と、アメリカ南東部原産のアメリカノウゼンカズラ(C. radicans)の2種からなり、これらの交雑種である園芸品種も流通しています。

ノウゼンカズラの花期は7月~8月。
花期になると、伸びたツルの先に円錐花序を出し、花径6~7㎝程度の花を多数咲かせます。
花は漏斗形で先が5裂し、平らに開きます。
中心には雄しべが4本あり、内2本が長くなっています。
一輪一輪の花は短命ですが、花期の間、花は次々と開花します。

▼ノウゼンカズラの花

ノウゼンカズラ

葉は羽状複葉で小葉の縁には荒い鋸歯があり、対生します。
つるは気根で他のものに絡みながら長さ3~10m程度に成長します。

▼多数の花を咲かせたノウゼンカズラ

ノウゼンカズラ

耐寒性、耐暑性共に高く、東北地方以南であれば植栽可能です。
生育旺盛で花付きも良く、育てやすい花木です。

ノウゼンカズラの主な品種、近縁種

アメリカノウゼンカズラ(Campsis radicans)

アメリカノウゼンカズラ

アメリカ南東部原産のノウゼンカズラの近縁種です。
美しい花を咲かせることから観賞用として栽培されており、現在では逸出したものがアメリカの多くの地域、ヨーロッパなどでも帰化状態にあります。
ノウゼンカズラに比べると花序が短いため、花がまとまって咲きます。
花色は赤みが強いオレンジで、花はやや小さく、花筒が長いのが特徴です。

アメリカノウゼンカズラ ‘フラバ’(C. radicans ‘Flava’)

アメリカノウゼンカズラ ‘フラバ’

アメリカノウゼンカズラの園芸品種で、黄色の花を咲かせます。

マダム・ガレン(C. x tagliabuana ‘Madame Galen’)

ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配による園芸品種です。
赤に近いオレンジの花を咲かせます。

タカラヅカシリーズ

兵庫県宝塚市で生産されたノウゼンカズラです。
黄花品種の‘タカラヅカ・ゴールド’、濃いオレンジ花の‘オランジュ・タカラヅカ’などが有名です。
やや小型の品種が多く、鉢植えでも育てることが可能です。

ノウゼンカズラの育て方

ノウゼンカズラの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
真夏の直射日光にも負けない強さがあります。
日当たりの悪い場所では花が咲かないので、よく日の当たる場所で育てて下さい。

大きく育つので庭植えが適していますが、小型品種であれば鉢植えのでの栽培が可能です。

冬越し

関東以南であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。
植栽可能地域は東北以南と言われています。
強い寒さに当たると枝枯れを起こすので、枯れた枝は付け根の部分からバッサリと切り落として下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中はやや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植え、鉢植えともに、寒肥として2月~4月の間に、緩効性化成肥料や骨粉入りの固形の油粕を施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月中旬~4月です。

植え付け

つる性植物なので、這い上るための支柱や樹木、フェンスや壁などが必要です。
つるは明るい方向へ伸びていく性質があるので、伸びる方向を考えて植えて下さい。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、完熟堆肥や牛糞堆肥などを混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7・腐葉土4などの水はけの良い配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行います。
土を軽く落として、傷んだ根があれば取り除き、根鉢を一回り小さくして下さい。
新しい用土で二回りほど大きな鉢に植え替えます。

誘因、剪定

ノウゼンカズラの花は春から伸びる新しい枝の先に咲きます。
剪定は2月下旬~3月の間に行って下さい。

伸びすぎた枝や不要な枝を剪定します。
根元から勢いよく伸びるひこばえがあれば、切り落として下さい。
樹木に誘因している場合は、葉が旺盛に茂ると樹木が枯れてしまう場合があります。
つるを適度に透かし、日照不足にならないように注意して下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月~7月頃です。

気根が出ている部分を葉が2~3枚付くように切り取って、挿し木用土に挿して下さい。

または新しく伸びた枝を15~20㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。

どちらの場合は、明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
比較的容易に発根します。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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