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ヤエドクダミ

  • 学名…Houttuynia cordata Thunb. f. plena (Makino) Okuyama
  • 和名…ヤエドクダミ(八重ドクダミ)
  • 別名…ヤエザキドクダミ(八重咲きドクダミ)、ヤエノドクダミ(八重のドクダミ)
  • 科名…ドクダミ科
  • 属名…ドクダミ属
  • 原産国…東アジア、東南アジア
  • 花色…白
  • 草丈…20~30㎝
  • 日照…半日蔭~日陰
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ヤエドクダミとは

ヤエドクダミ

ヤエドクダミは、ドクダミの八重咲き品種で、ドクダミ科ドクダミ属の多年草です。

ドクダミは、日本や中国など東南アジアに広く分布しています。
日本では本州以南の地域に分布しており、空き地や道端、住宅周辺のやや湿った半日陰の場所に自生しています。

一属一種の植物で、ドクダミ属に分類されている植物はドミダミのみです。
十薬(じゅうやく)と呼ばれ、古くから薬草として利用されてきた歴史があり、日本では親しみ深い身近な植物です。


ヤエドクダミの花期は5月~6月。
花期になると茎の頂部、または上部の葉の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は長さ1~3㎝の穂状で、密に花が付いています。

▼ヤエドクダミの花序

ヤエドクダミの花序

白い花弁に見える部分は総苞(そうほう)と小苞(しょうほう)です。

※総苞(そうほう)と小苞(しょうほう)
総苞は花序の下に付く苞葉(ほうよう)で一つ一つを総苞片(そうほうへん)と呼ぶ。
小苞は個々の花に付く苞葉。

※苞葉(ほうよう)…花序や花の基部に付く特殊化した葉。

一番下にある4個の大きな花弁状のものが総苞です。

▼ヤエドクダミの総苞

ヤエドクダミの総苞

総苞の上にある花弁状のものが小苞で、各花の基部に付いています。
基本種のドクダミでは小苞は小さな突起状ですが、ヤエドクダミでは花弁状に変化しています。

▼ヤエドクダミの小苞の様子

ヤエドクダミの小苞の様子

花は雄しべ3個、雌しべ1個からなり、花弁はありません。

▼ヤエドクダミの雄しべと雌しべ

ヤエドクダミの雄しべと雌しべ

葉は互生し、長さ4~10㎝程度の心形で、暗紫色を帯びます。
茎は分枝しながら草丈20~30㎝程度に成長します。
葉茎にはドクダミ特有の強い匂いがあります。

▼ヤエドクダミの葉

ヤエドクダミの葉の様子

耐寒性、耐暑性があり放任でもよく育ちます。
冬には地上部が枯れますが、春に再び芽吹きます。

性質は野生のドクダミと同様で、非常に強健でよく増えます。
地下茎でどんどん繁殖していくので、植え場所には注意が必要です。

ドクダミの園芸品種には、鮮やかな葉色が印象的な「ゴシキドクダミ(五色ドクダミ)」があります。
ゴシキドクダミもヤエドクダミも「先祖返り」をすることがあります。
気が付くと一重のドクダミになっていたりするので、先祖返りした部分は早急に処分して下さい。

ヤエドクダミの育て方

八重咲きドクダミの育て方

栽培環境

半日蔭から日陰まで、場所を選ばす適応します。
日照時間が少ないと草丈が伸びますが、花付きに問題はありません。

地下茎を伸ばしてどんどん増えるので、他の植物と一緒に植える場合は注意が必要です。
鉢植えにしたり、根域制限などを行って下さい。

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
根が完全に凍ってしまうと枯れるので、凍結の心配がある場合は凍結対策を施します。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
乾燥すると花付きが悪くなります。
やや湿り気のある環境を好むので、受け皿に水を溜めて腰水栽培にすることも可能です。

肥料

やせ地でもよく育ちます。

庭植えの場合は特に必要ありません。
鉢植えの場合は、春に緩効性化成肥料の置き肥をすると花付きがよくなりますが、絶対に必要という訳ではありません。

植え付け、植え替え

適期は4月、10月ですが、真冬以外ならいつでも植え付けることが出来ます。

植え付け

土質は特に選びません。
とにかく強健でよく増えるので、地植えにする場合は植え場所には注意が必要です。
花壇の中などに植えると他の植物を駆逐する勢いがあります。
根域制限を行うか、鉢植えにすると安心です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土などを使うことが出来ます。

植え替え

庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行って下さい。

先祖返り

ヤエドクダミを植えていると、普通の一重のドクダミが生えることがあります。
先祖返りしやすい品種なので、一重のドクダミが生えて来たら引き抜いて下さい。
放置しておくと、ただのドクダミが群生することになります。

※普通のドクダミを処分しても、先祖返りを完全に防げるわけではありません。

増やし方(株分け)

株分けで増やすことが出来ますが、放っておいても勝手にどんどん増えます。

株分け

適期は4月、10月ですが、真冬以外ならいつでも可能です。

地下茎を適当に切って植え付けて下さい。
すぐに根付きます。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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