育て方のポイント
キョウチクトウの育て方早見表
キョウチクトウは、夏にピンクや白、赤、黄色などの花を咲かせる常緑低木です。 暑さや乾燥、大気汚染に強く、日当たりのよい場所で丈夫に育ちます。 生育旺盛で大きくなるため、植え場所と定期的な剪定が重要です。
- 分類
- 常緑低木
- 開花期
- 6月下旬~8月
- 花色
- ピンク、白、赤、オレンジ、黄
- 樹高
- 3m~6m。剪定で高さを調整できる
- 日照
- 日なた。日照不足では生育や花付きが悪くなる
- 適した場所
- 日当たりと水はけがよく、枝を広げられる場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ。鉢植えは表土が乾いたら水やりをする
- 肥料
- 2月頃に寒肥を施す。鉢植えは窒素分の少ない肥料を使う
- 植え付け
- 4月~6月、9月
- 剪定
- 4月~5月、11月。不要枝を枝元から切り取る
- 冬越し
- 関東以南では戸外で冬越ししやすい。寒冷地では防寒する
- 増やし方
- 挿し木、取り木
- 病害虫
- キョウチクトウアブラムシに注意
- 注意点
- 植物全体に毒性がある。剪定時は手袋を着用し、剪定枝は燃やさない
育て方のコツ: キョウチクトウは日当たりのよい場所で丈夫に育ちますが、生育旺盛で横にも広がります。 樹高や枝張りを抑えたい場合は、毎年不要な枝を枝元から整理します。 剪定時は樹液が皮膚や目に付かないよう、長袖と手袋を着用してください。
注意
キョウチクトウには強い毒性があります
キョウチクトウは、葉、花、枝、根、果実など植物全体に毒性があります。 子どもやペットが口にしないよう注意し、剪定した枝や葉を食用植物の近くに放置しないでください。
剪定時に出る乳白色の樹液が皮膚に付くと、炎症を起こすことがあります。 作業時は長袖と手袋を着用し、樹液が目や口に入らないよう注意します。 作業後は手や道具をよく洗ってください。
剪定枝や落ち葉をたき火、薪、バーベキューの燃料に使ってはいけません。 また、枝を料理用の串として使用しないでください。
※誤食や樹液の付着が疑われ、体調に異変がある場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関などへ相談してください。
キョウチクトウの基本情報
- 学名…Nerium oleander L.
- 和名…キョウチクトウ(夾竹桃)
- 科名…キョウチクトウ科
- 属名…キョウチクトウ属
- 原産国…地中海沿岸諸国~中近東、インド、中国
- 花色…ピンク、白、オレンジ、赤、黄
- 樹高…3m~6m
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:8 to 10
キョウチクトウとは

キョウチクトウは、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木です。
分布域は地中海沿岸諸国から中近東を中心に、インド、中国南部にあり、河川や渓谷沿いの日当たりの良い場所を好み自生しています。
古くから観賞用として栽培されているため世界各地で野生化しており、正確な原産地は特定されていません。
現在では南北アメリカやオセアニアなどでも帰化植物として定着しています。
日本へは中国経由で江戸時代中期に渡来しています。
強健な性質で大気汚染に強いため、工場地帯や幹線道路の街路樹としてよく植栽されており、夏を代表する花木の一つとなっています。
※キョウチクトウの学名は各地でそれぞれ付けられていたため、かつてはセイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander)、キョウチクトウ(Nerium indicum)と分けられることもありましたが、現在ではすべて同一種とし、キョウチクトウ(Nerium oleander)に統一されています。
キョウチクトウの花期は6月下旬~8月。
花期になると、枝先に花序を出し、10~20個の花を咲かせます。
花序は集散花序。
▼キョウチクトウの花序の様子

花は直径4~6cmの高杯形で、基部は筒状、先は深く5裂しており、プロペラのように螺旋状に重なって平らに開きます。
▼キョウチクトウの花

花の中央には雄しべが変形した副花冠があります。
※副花冠(ふくかかん)…花被や花冠の内側にある弁状、または花冠状の付属物。スイセンなどに見られる。
▼キョウチクトウの副花冠の様子

雄しべ5個は花冠筒部についており、葯は矢じり形で、先に毛の生えた糸状の付属体が付いています。
雌しべは葯の下にあり、通常は見えません。
▼キョウチクトウの雄しべの様子


花色はピンク、白、オレンジ、赤、黄。
一重咲きの他、八重咲き品種があります。
▼白い花を咲かせるキョウチクトウ

果実は長さ12~23cmの袋果(たいか)。
※袋果(たいか)…一本の線で裂開する袋状の果実。一つの心皮からなる。
▼キョウチクトウの果実

果実は熟すと裂け、中の種子がこぼれます。
種子は長楕円形で、長い綿毛が付いています。
▼キョウチクトウの種子

※日本で結実するのはごく稀です。
葉は長さ5~21cm、幅1~3.5cmの狭楕円形で、厚い革質です。
葉にクリーム色の斑が入る斑入り品種も流通しています。
▼キョウチクトウの葉の様子

株元から多数の枝を出して株立ちとなり、樹高3~6m程度に成長します。
▼大きく成長したキョウチクトウ

生育旺盛で、強健な性質です。
萌芽力が高いため強剪定も可能で、樹高、樹形のコントロールが容易です。
関東以南であれば、特別な防寒をしなくても冬越しできます。
キョウチクトウには強い毒性があります。
剪定した切り口から出る乳液が、直接皮膚に触れないよう注意してください。
キョウチクトウの毒性
公園や校庭などにも植栽されるキョウチクトウですが、強い毒性があることで広く知られています。
葉、花、枝、根、果実など植物全体に毒性があります。
また、剪定枝などを燃やした煙にも注意が必要です。
フランスでは枝を串焼きの串として利用して、重い中毒症状を起こした例があります。
日本では家畜用の飼料に葉が混入し、飼料を食べた牛が死亡した事例も報告されています。
こうしたことから、公園や校庭に植栽されているキョウチクトウを伐採しようとする動きがありますが、正しい知識を持って接すれば、恐ろしい植物ではありません。
毒性の強い植物は他にも数多くあり、ガーデニングでも用いられています。
古くから夏の庭を彩ってきたキョウチクトウの花を、必要以上に忌み嫌うことのないよう願います。
キョウチクトウの主な品種
キョウチクトウには、一重咲きや八重咲き、黄色やサーモンピンクの花、斑入り葉などを楽しめる品種があります。 主な品種の特徴を比較すると、次のようになります。
| 品種名 | 花色・葉色 | 咲き方 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ダブルイエロー | 淡い黄色~クリーム色 | 八重咲き | 柔らかな黄色の花を咲かせる華やかな品種。 |
| ミセス・ローディング | サーモンピンク | 八重咲き | 優しい色合いの花を咲かせる品種。 |
| フイリキョウチクトウ | ピンク花、クリーム色の斑入り葉 | 一重咲き | 花だけでなく、明るい斑入り葉も楽しめる。 |
| ソレント | 黄色 | 半八重咲き | 黄色系の花を咲かせる品種。 |
| カージナル | 紅色 | 一重咲き | 鮮やかな紅色の花が目を引く品種。 |
キョウチクトウ ‘ダブルイエロー’(Nerium oleander 'Double yellow')

淡い黄色~クリーム色の八重咲き品種です。
カリフォルニアで作出されたとされています。
キョウチクトウ ‘ミセス・ローディング’(Nerium oleander ‘Mrs. Roeding’)

サーモンピンクの優しい色合いの八重咲き品種です。
フイリキョウチクトウ(Nerium oleander ‘Variegatum’)

葉にクリーム色の斑が入る品種です。
花色はピンクで、華やかな印象です。
他にも黄花の半八重咲き品種のソレント、紅色のカージナルなどがあります。
キョウチクトウの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと、生育が悪くなり、花がうまく咲かないことがあります。
よく日の当たる場所で育ててください。
キョウチクトウの花が咲かない原因
キョウチクトウの花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期、肥料の与えすぎ、冬の寒さなどが原因として考えられます。
日当たりを好むため、日照時間が短い場所では枝が伸びても花付きが悪くなることがあります。
また、剪定によって花芽の付いた枝を切ると、その年の花数が少なくなります。
樹形を軽く整える剪定は花後や秋に行い、強く切り戻す場合は翌年の花が減ることも想定しておきます。
窒素分の多い肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが茂ることがあります。
肥料は控えめにし、日当たりと風通しを確保します。
冬越し
耐寒性はあまり高くありませんが、関東以南ではそのまま戸外で冬越し可能です。
根付くと寒さに対するある程度の耐性がつき、仙台での植栽例もあります。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
肥料
庭植えの場合は、寒肥として2月頃、有機肥料を株の周辺に埋め込みます。
鉢植えの場合は、2月頃、窒素分の少ない肥料を株元に置き肥してください。
植え付け・植え替え
適期は4月~6月、9月です。
暖かい地方の樹木なので、気温が高い季節に植え付け、植え替えを行います。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込み、元肥として植穴の底に緩効性化成肥料か有機肥料を入れておきます。
鉢植えの場合は、赤玉土(中粒)6・腐葉土4などの配合土を使います。
庭植え同様、植穴の底に元肥を施してください。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行ってください。
剪定
適期は4月~5月、11月です。
キョウチクトウを安全に剪定するためのポイント
キョウチクトウを剪定すると、切り口から乳白色の樹液が出ます。
樹液が皮膚や目に付かないよう、長袖、長ズボン、厚手の手袋を着用して作業します。
必要に応じて保護眼鏡も使用してください。
剪定中は、樹液の付いた手で顔や目に触れないよう注意します。
作業後は手や剪定道具をよく洗い、剪定枝は子どもやペットが触れない場所で管理します。
剪定枝や落ち葉は燃やさず、たき火やバーベキューの燃料にも使用しません。
処分する際は、地域のごみ分別方法に従ってください。
剪定
生育旺盛で萌芽力が強く、横に広がってすぐに大きく育ちます。
萌芽力が強く、比較的強い剪定にも耐えます。
ある程度は球形に整うので、絡み枝や徒長枝、内側に向かって伸びる枝など不要な枝を切り取って、全体の風通しと日当たりをよくします。
枝の途中で切らず、分枝した部分の元から剪定します。
大きくなりすぎたキョウチクトウを低くする方法
キョウチクトウは萌芽力が強いため、古い枝を根元から切り、若い枝へ更新する剪定ができます。
樹高を低くしたい場合は、高く伸びた枝を枝の途中で短くするより、地際や分枝部分から切り取る方が自然な樹形に戻りやすくなります。
古い枝を一度にすべて切ると、その年の花が少なくなることがあります。
花も楽しみながら樹形を整えたい場合は、古い枝を毎年数本ずつ切り、2~3年かけて更新します。
増やし方(挿し木、取り木)
挿し木と取り木で増やすことができます。
挿し木
適期は6月~7月です。
枝を10~20cm程度の長さに切り取り、穂木にします。
下の節の葉を取り除いて、残った葉は1/2程度にカットしてください。
水揚げをしてから挿し木用土に挿します。
水に挿しておくだけでも発根します。
取り木
適期は6月~7月です。
取り木したい部分を曲げて地面に固定します。
土に埋めておくと2か月ほどで発根するので、切り離して植え付けてください。
病気・害虫
病害虫の発生はあまり見られません。
まれにキョウチクトウアブラムシが発生するので、見つけ次第駆除してください。
よくある質問
キョウチクトウのよくある質問
キョウチクトウを育てるときによくある疑問をまとめました。 毒性、剪定、花が咲かない原因、冬越し、大きくなりすぎた場合の管理などを確認しておきましょう。
キョウチクトウには毒がありますか?
キョウチクトウは、葉、花、枝、根、果実など植物全体に毒性があります。 口に入れないよう注意し、子どもやペットがいる場所では特に慎重に管理します。 剪定時に出る樹液にも直接触れないようにしてください。
キョウチクトウの剪定枝は燃やしてもよいですか?
キョウチクトウの剪定枝や落ち葉は燃やさないでください。 燃焼時の煙によって健康被害が起こる可能性があります。 バーベキューやたき火の燃料、料理用の串としても使用しません。 処分方法は地域のごみ分別ルールに従ってください。
キョウチクトウを剪定するときの服装は?
長袖、長ズボン、厚手の手袋を着用し、樹液が皮膚や目に付かないように作業します。 太い枝を切る場合や樹液が飛ぶ可能性がある場合は、保護眼鏡も着用すると安心です。 作業後は手や剪定道具をよく洗います。
キョウチクトウの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期、肥料の与えすぎ、冬の寒さなどが原因として考えられます。 日当たりのよい場所を好むため、日照時間が短い場所では花付きが悪くなります。 また、花芽の付いた枝を剪定すると、その年の花が少なくなることがあります。
キョウチクトウはどのくらい大きくなりますか?
キョウチクトウは、樹高3m~6mほどに成長します。 株元から多くの枝を出し、横にも広がるため、建物や通路との間隔を十分に確保します。 萌芽力が強いので、剪定によって樹高や枝張りを調整できます。
大きくなったキョウチクトウを低くできますか?
キョウチクトウは萌芽力が強く、強めの剪定にも耐えます。 樹高を下げる場合は、高く伸びた古い枝を地際から切り、若い枝へ更新します。 一度にすべての枝を切るより、数年に分けて更新すると花を残しながら樹形を整えやすくなります。
キョウチクトウは冬越しできますか?
関東以南の温暖な地域では、庭植えのまま冬越ししやすい植物です。 若木や寒さの厳しい地域では、株元を腐葉土などで覆い、冷たい風を避けます。 鉢植えは軒下など霜の当たりにくい場所へ移動します。
キョウチクトウは鉢植えでも育てられますか?
キョウチクトウは鉢植えでも育てられます。 ただし生育旺盛で根詰まりしやすいため、大きめの鉢を使い、根が回ったら植え替えます。 鉢植えは庭植えより乾きやすいため、表土が乾いたら水やりをします。