多年草・宿根草 グランドカバー

パンダスミレ

学名…Viola banksii
別名…ビオラ・バンクシー、タスマニアビオラ、ツタスミレ、ツルスミレ
科名…スミレ科
属名…スミレ属
原産国…オーストラリア
花色…白・紫
草丈…10㎝~15㎝
日照…半日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9b to 11

パンダスミレとは

パンダスミレ

パンダスミレは、オーストラリアに分布するスミレ科スミレ属の多年草です。
分布域は、オーストラリア・クイーンズランド州およびニューサウスウェールズ州の東部沿岸地域にあり、海岸沿いの荒れ地や空き地などに自生しています。

パンダスミレとして普及しているのは、ビオラ・バンクシー種(Viola banksii)ですが、近年まで近縁種であるビオラ・ヘデラケア種(Viola hederacea)とされていました。
これは、ヘデラケア種が最初に発見・命名された時に採取した標本が紛失したために起こってしまった間違いですが、2004年にオーストラリアの分類学者によって指摘され、訂正されています。
ヘデラケア種は、バンクシー種に比べると花色が薄く、葉が円形ではなく、半円形に近い形をしています。

パンダスミレの花期は、4月~6月、9月~11月。
花期になると、株の中から花茎を伸ばし、花径2~2.5㎝程度の花を咲かせます。
花には5枚の花弁があり、中心部は紫色、花弁の外側は白色をしています。
花弁にはそれぞれ名前が付いており、上部の2枚が上弁、左右の2枚が側弁、下部の1枚が唇弁(シンベン)と呼ばれます。

▼パンダスミレの花の構造

パンダスミレの花の構造

パンダスミレの上弁は強く後ろに反り返り、側弁の基部から中心付近までは微細な毛が生えています。
唇弁の後部は袋状になっており、距(キョ)と呼ばれます。

▼横から見たパンダスミレの花

横から見たパンダスミレの花

花の最盛期は春ですが、長い花期の間、ポロポロと咲き続けます。

葉は長さ1.2~3.5㎝、幅2~6.5㎝程度の腎形で、短い茎にロゼット状に付きます。
花を咲かせながら草丈10~15㎝程度に成長し、株はランナーを伸ばしながら横に広がります。
ハンギングバスケットなどに植えても愛らしい草姿です。

▼パンダスミレの葉の様子

パンダスミレ

半日陰のグランドカバーとして利用できますが、耐寒性は高くありません。
繁殖力旺盛で、適した環境で育てれば、ランナーを出してどんどん広がっていきます。
病気の発生はほとんどありませんが、ツマグロヒョウモンの幼虫による葉の食害が発生することがあります。

パンダスミレの育て方

パンダスミレの育て方

栽培環境

半日陰の環境が適しています。
自生地はやや湿り気のある半日陰の場所で、適した環境で育てれば旺盛に広がります。

木漏れ日の差し込む明るい日陰や、午後から日陰になる半日陰の場所で育てて下さい。

冬越し

耐寒性はあまり高くなく、耐寒温度は-3℃程度です。
軽い霜なら耐えることが出来ますが、強い霜だと地上部が枯れてしまいます。
地上部が枯れてしまっても、根が生きていれば春に再び芽吹きます。

心配な場合は、鉢植えにして室内で冬越しをさせて下さい。

水やり

庭植えの場合は、夏場に乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料をばらまきます。
※生育に問題がないようであれば、肥料は施さなくても大丈夫です。

鉢植えの場合は、真夏を除く生育期の間、少量の緩効性化成肥料を定期的に施すか、薄めの液体肥料を施します。

植え付け、植え替え

適期は春の4月~6月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土4などの一般的な配合土を使います。

増やし方

ランナーが出て土に触れた節から発根します。
根が付いた部分を切り離して植え付けて下さい。

病気・害虫

病気の発生はほとんどありませんが、ツマグロヒョウモンの幼虫による葉の食害が発生することがあります。
ツマグロヒョウモンは、スミレ類専門の毛虫で、毒々しい見た目をしていますが、毒はありません。

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