多年草・宿根草

ロシアンセージ

  • 学名…Salvia yangii B.T.Drew
  • 別名…ロシアンセージ、サマーラベンダー
  • 科名…シソ科
  • 属名…アキギリ属
  • 原産国…アフガニスタン、パキスタン、チベット、ヒマラヤ西部、ウイグル自治区
  • 花色…青紫
  • 草丈…60㎝~150㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ロシアンセージとは

ロシアンセージ

ロシアンセージは、シソ科アキギリ属の多年草および亜低木です。
分布域はアフガニスタンを中心に、パキスタン、チベット、ヒマラヤ西部、ウイグル自治区にあり、岩場や砂利が多い地域などの、日当たりの良い場所に自生しています。
美しい花を咲かせ、幅広い環境に適応することから、観賞用として世界で広く栽培されています。

ロシアと名前に付きますが、ロシア原産の植物ではありません。
ロシアの名前は、19世紀にロシアの地方長官だったペロブスキーが本種を広めたことに由来しています。

※ロシアンセージは2017年にペロフスキア属からアキギリ属に再分類され、学名が Perovskia atriplicifolia から Salvia yangii に変更になっています。


ロシアンセージの花期は7月~10月。
花期になると、茎の上部に多数の花序を出し、小さな花を咲かせます。
花序は輪散花序が10~15㎝の緩い総状、または円錐花序を形成しています。

▼ロシアンセージの花序の様子

ロシアンセージの花序の様子

花はシソ科やゴマノハグサ科に多く見られる唇形花(しんけいか)です。

※唇形花(しんけいか)…筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれ、唇のような形になっている。
上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼ぶ。

ロシアンセージの唇形花は、上唇が浅く4裂しており、下唇は楕円形で、上唇とほぼ同じ長さとなっています。

▼ロシアンセージの唇形花

ロシアンセージの唇形花

萼には白、または紫色の毛が密生しています。

▼ロシアンセージの萼の様子

ロシアンセージの萼の様子

花色は、基本種の薄紫色の他、青。

▼青い花を咲かせるロシアンセージ(ブルースパイア:‘Blue Spire’)

青い花を咲かせるロシアンセージ

果実は長さ2㎜、幅1㎜の小堅果(しょうけんか)。

※堅果(けんか)…乾燥して硬い果皮が種子を包み、裂開しない果実のこと。
小型のものを小堅果(しょうけんか)と呼ぶ。


葉は対生し、長さ4~6㎝、幅4~9㎜の線状披針形で、羽状に深裂しています。
裂片は長さ2~4㎜、幅1~1.5㎜の長楕円形~卵形です。

▼ロシアンセージの葉の様子

ロシアンセージの葉の様子

葉茎には微細な毛が密生しているため、全体が白みを帯びます。
花を咲かせながら草丈60~150㎝に成長します。
葉茎にはミントに似た香りがあります。

▼ロシアンセージの葉茎の様子

ロシアンセージの葉茎の様子

耐寒性は高いのですが、夏の高温多湿な環境が苦手な性質です。
冬場は落葉して、春に再び芽吹きます。

ロシアンセージとして流通しているのは、本種の他、近縁種のペロブスキア・アブロタノイデス(Perovskia abrotanoides)との交配種も多くあります。
交配種も同じような草姿をしており、性質も大差ありません。

ロシアンセージの育て方

ロシアンセージの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿にやや弱い性質なので、蒸れないよう風通しの良い場所で育てて下さい。

夏越し、冬越し

夏越し

花を咲かせながら大きく成長していきます。
枝が込み合っているようなら適宜、剪定を行い、風通しを良くしてやって下さい。
または、一通り花を咲き終わった時点で、草丈の半分程度の高さでバッサリと切戻すと、秋に再び美しい草姿で花を楽しむことが出来ます。
環境が良ければ、特に手を加えなくても夏を越します。

冬越し

寒さには強く、耐寒温度は-20℃と言われています。
対策無しで戸外で冬越し可能です。
寒さで落葉しますが、春になると芽吹きます。

落葉した枝を、草丈の1/3~1/2程度の高さで刈り込んでおくと、草姿が整います。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。

過湿な環境を嫌う植物です。
水の与えすぎで根腐れを起こしやすいので注意して下さい。
冬越し中の鉢植え株は、乾燥気味に管理します。
庭植えの場合は、冬越し中の水やりは必要ありません。

肥料

庭植えの場合は、ほとんど不要です。
極端なやせ地に植えつける場合は、用土に堆肥などを混ぜて下さい。

鉢植えの場合は、春の3月~5月、秋の9月下旬~10月に緩効性化成肥料を月に1回程度、置き肥します。

自生地は砂利の混ざったやせ地です。
多肥にする必要はありません。
肥料を与えると大きく育ちますが、倒れやすくなってしまいます。

植え付け、植え替え

適期は春の3月~5月、秋の9月~10月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土の他、赤玉土や鹿沼土を混ぜ、水はけの良い土壌を作ります。
株間は40~60㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の山野草の培養土を使うか、赤玉土4・鹿沼土3・腐葉土3の配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりして生育が悪くなったら植え替えを行って下さい。
根鉢を崩して、新しい用土に植えつけて下さい。

庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。

切り戻し

落葉後の冬に、思い切ってバッサリと切り戻しておくと、翌年の草姿が整い、花数も増えます。

増やし方(挿し木・挿し芽)

挿し木(挿し芽)で増やすことが出来ます。

挿し木(挿し芽)

適期は5月~7月です。

木質化していない若い芽を、先端から2~3節で切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら、葉を取り除いた節が埋まるように挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
発根したら徐々に日光に慣らし、根が回ったら定植して下さい。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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