多年草・宿根草

セントランサス

育て方のポイント

セントランサスの育て方早見表

セントランサスは、初夏に小さな花を半球状にたくさん咲かせる多年草です。 乾燥に強く、日当たりと水はけのよい場所でよく育ちます。 高温多湿はやや苦手なので、風通しよく乾燥気味に管理するのがポイントです。

分類
多年草・宿根草
開花期
5月~7月。条件がよいと8月頃までぽろぽろ咲く
花色
ピンク、白、赤
草丈
50cm~80cm。花壇の中段~後方に向く
日照
日なた。半日陰でも育つが、花付きは悪くなりやすい
適した場所
日当たりと水はけ、風通しのよい場所
水やり
庭植えはほぼ降雨のみ。鉢植えは表土が乾いたら水やりをする
肥料
春と秋に少量の緩効性化成肥料。多肥は避ける
植え付け
3月~4月、10月~11月
土壌
弱アルカリ性の土を好む。庭植えでは苦土石灰を混ぜておく
夏越し
高温多湿を避け、風通しよく管理する
冬越し
耐寒温度は-10℃程度。関東以西では戸外で冬越し可能
切り戻し
花後に花茎を切ると、時期が早ければ再び花を咲かせる
増やし方
株分け、種まき。こぼれ種でも発芽する
病害虫
ほとんど発生しない

育て方のコツ: セントランサスは、乾燥気味のやせ地でもよく育つ丈夫な宿根草です。 肥料が多いと草丈が高くなって草姿が乱れやすいため、肥料は控えめにします。 花後は花茎を切り戻し、株元の風通しをよくして高温多湿を避けます。

セントランサスの基本情報

  • 学名…Valeriana rubra L.
  • 和名…ベニカノコソウ(紅鹿子草)
  • 別名…レッド・バレリアン
  • 科名…スイカズラ科
  • 属名…カノコソウ属
  • 原産国…地中海沿岸地域
  • 花色…ピンク、白、赤
  • 草丈…50cm~80cm
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 8

セントランサスとは

セントランサスは、地中海沿岸地域原産のスイカズラ科カノコソウ属の多年草です。
分布域はポルトガルからギリシャ、トルコ北部、北アフリカにあり、標高200m以下の道端や荒れ地、岩場などに自生しています。

美しい花を咲かせることから世界の広い地域で栽培されており、ヨーロッパの他、アメリカ、ハワイ、オーストラリアなどでも帰化植物として定着しています。
アルカリ性の土壌に強く、分布域では道路沿いや都市部の空き地などで普通に目にする植物です。

若葉と根は食用とされ、料理の添え物やスープの具材として利用されることがあります。
ただし、ハーブとしての薬効はあまりないようです。

セントランサスは、かつてベニカノコソウ属(Centranthus)に分類されていましたが、現在はカノコソウ属に統合されています。
セントランサスの名前は、旧学名であるベニカノコソウ属の学名が流通名として定着したものです。

日本へは明治時代中期に渡来しています。
和名はベニカノコソウ。
別名レッド・バレリアン。


セントランサスの花期は5月~7月。
花期になると、伸びた茎の上部から花序を出し多数の花を咲かせます。
花序は半球状の散房花序。

▼セントランサスの花序

花は直径5㎜程度で、長い筒部があり、花冠の先は5裂しています。

花冠の基部には距(きょ)が付いています。

※距(きょ)…花弁や萼片の基部から突き出ている袋状の部分。
内部に蜜腺を持つものが多い。

▼セントランサスの距

雄しべは1個、雌しべは1個。

▼セントランサスの雄しべと雌しべ

小さな花が密生した花序は美しく、初夏の花壇を彩ります。
花色はピンク、赤、白。

▼白いセントランサス


葉は対生し、長さ5~8cmの披針形~楕円形です。
下部の葉には葉柄があり、上部の葉には葉柄がありません。

▼セントランサスの葉の様子

茎は株元から多数伸びて茂り、草丈50~80cm程度に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるセントランサス

乾燥に強く、丈夫で育てやすい植物です。
こぼれ種でも発芽します。
花の最盛期は初夏ですが、8月頃まで少しずつ咲き続けます。
高温多湿の環境がやや苦手です。

暖地、温暖地では株元の葉を残して越冬しますが、寒さの厳しい地域では地上部が枯れて春に再び芽吹きます。

関連図鑑

草姿の似た植物にセイヨウカノコソウがあります。
セイヨウカノコソウは同じカノコソウ属の植物で、バレリアンとも呼ばれています。

セントランサスの育て方

セントランサスの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日陰程度の日照でも育ちますが、花付きが悪くなります。
乾燥した環境を好むので、風通しのよい場所で育てると、よりよく育ちます。

弱アルカリ性の土壌を好みます。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を弱アルカリ性にしておいてください。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒温度は-10℃程度です。
関東以西の地域であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。

根まで凍るような寒冷地の場合は、株元に敷き藁を敷くなどして防寒対策を施してください。
鉢植えの場合は、凍結の心配のない場所で管理してください。

夏越し

高温多湿の環境がやや苦手ですが、風通しの良い場所で育てれば問題ありません。
鉢植えの場合は、暑さの厳しい時期だけ半日陰の場所に移動しても良いです。

高温多湿を避ける夏越しのポイント

セントランサスは乾燥には強い一方で、高温多湿の環境はやや苦手です。
梅雨から夏にかけては、株元が蒸れないように風通しをよくします。

鉢植えの場合は、暑さの厳しい時期だけ半日陰に移動してもかまいません。
水やりは用土の表面が乾いてから行い、常に湿った状態にならないように管理します。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
冬越し中の株は乾燥気味に管理します。

肥料

庭植え、鉢植えともに、春と秋に少量の緩効性化成肥料を株元に施します。
肥料が多いと草丈が高くなって草姿が乱れます。
乾燥気味のやせ地でよく育つ植物なので、肥料は少なめを心がけてください。

植え付け、植え替え

適期は春の3月~4月、秋の10月~11月です。

植え付け

庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで土壌を弱アルカリ性にしておきます。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ってください。
株間は30cm程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・パーライト2などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行ってください。

庭植えの場合も、3年ほど経って株が混み合ってきたら、株分けを兼ねて植え替えを行ってください。

セントランサスの花が咲かない原因

セントランサスの花が咲かない場合は、日照不足、水はけの悪さ、肥料の与えすぎ、株の混み合いなどが原因として考えられます。
日当たりのよい場所を好むため、半日陰では育っても花付きが悪くなることがあります。

また、乾燥気味のやせ地でよく育つ植物なので、肥料を多く与える必要はありません。
肥料が多いと草丈が高くなって草姿が乱れ、花付きにも影響することがあります。

数年育てて株が混み合ってきた場合は、株分けを兼ねて植え替えると生育が安定します。
水はけと風通しのよい環境で、乾燥気味に管理するのがポイントです。

花茎切り、切り戻し

花が終わった花茎は、脇芽が出ている位置で切り戻します。
時期が早ければ、脇芽が伸びて再び花を咲かせます。

秋になり朝晩が冷え込むようになったら、株元の葉を残して切り戻してください。

増やし方(株分け、種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ます。

株分け

適期は植え替え時の3月~4月、10月~11月です。
掘り上げた株を分けて、植え付けてください。

種まき

適期は9月下旬~10月です。
寒冷地の場合は、春の4月~5月頃にまいてください。
発芽温度は15℃~20℃です。

種は播種箱にまき、覆土は5㎜程度。
発芽までには2~4週間程度かかります。
本葉が4~6枚程度になったらポット上げしてください。
ポットに根が回ったら、花壇や鉢に定植します。

秋まきで苗が小さい場合は、霜よけを設置すると安心です。

こぼれ種で増やす場合

セントランサスはこぼれ種でも発芽します。
自然に増やしたい場合は、花後すぐにすべての花茎を切らず、一部を残して種が熟すのを待ちます。

一方で、増えすぎるのを防ぎたい場合は、花が終わった花茎を早めに切り戻して種を落とさないようにします。
発芽した苗が混み合う場合は、間引いて風通しをよくします。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

よくある質問

セントランサスのよくある質問

セントランサスを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、夏越し、冬越し、切り戻し、こぼれ種で増える性質などを確認しておきましょう。

セントランサスは多年草ですか?

セントランサスは多年草です。 暖地や温暖地では株元の葉を残して冬越しし、寒さの厳しい地域では地上部が枯れて春に再び芽吹きます。 乾燥に強く、環境が合えば毎年花を楽しめます。

セントランサスの花が咲かない原因は?

花が咲かない場合は、日照不足、水はけの悪さ、肥料の与えすぎ、株の混み合いなどが原因になることがあります。 セントランサスは日当たりのよい場所を好むため、半日陰では育っても花付きが悪くなります。 肥料が多いと草丈が伸びて草姿が乱れ、花付きにも影響することがあります。

セントランサスは夏越しできますか?

セントランサスは夏越しできますが、高温多湿の環境はやや苦手です。 水はけと風通しのよい場所で育て、鉢植えでは暑さの厳しい時期だけ半日陰へ移動してもよいでしょう。 梅雨時期は株元が蒸れないよう、混み合った茎を整理します。

セントランサスは冬越しできますか?

セントランサスの耐寒温度は-10℃程度です。 関東以西であれば、戸外で冬越しできます。 根まで凍るような寒冷地では、株元に敷き藁や腐葉土を敷いて防寒すると安心です。

セントランサスは切り戻しが必要ですか?

花が終わった花茎は、脇芽が出ている位置で切り戻します。 時期が早ければ、脇芽が伸びて再び花を咲かせます。 秋になり朝晩が冷え込むようになったら、株元の葉を残して切り戻します。

セントランサスはこぼれ種で増えますか?

セントランサスはこぼれ種でも発芽します。 自然に増やしたい場合は、花後の一部を残して種ができるのを待ちます。 増えすぎる場合は、花が終わった花茎を早めに切り戻して種を落とさないようにします。

セントランサスは鉢植えでも育てられますか?

セントランサスは鉢植えでも育てられます。 鉢植えでは水はけのよい用土を使い、用土の表面が乾いたら水やりをします。 1~2年に一度を目安に植え替え、株が混み合った場合は株分けを行います。

セントランサスは食べられますか?

セントランサスは若葉や根が食用として利用されることがあります。 ただし、園芸用に育てている株は農薬の使用履歴が分からない場合もあるため、食用目的でない株を口にするのは避けた方が安心です。 観賞用として楽しむのが基本です。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

-多年草・宿根草
-