多肉植物

虹の玉

学名…Sedum × rubrotinctum
和名…ニジノタマ(虹の玉)
科名…ベンケイソウ科
属名…マンネングサ属(セダム属)
原産国…交雑種
花色…黄色
草丈…5㎝~15㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 11

虹の玉とは

虹の玉

虹の玉は、ベンケイソウ科マンネングサ属(セダム属)に属する多年草で、多肉植物です。
野生種ではなく交雑種で、交配親は玉葉(S. stahlii)と乙女心(S. pachyphyllum)の可能性が高いと言われています。
丈夫な性質と小さくまとまった草姿を持ち、寄せ植えなどにも多用される、最もポピュラーなセダムの一種です。
日本には昭和30年代に渡来しました。

虹の玉は大きくなっても草丈15㎝程度で、多種多様な多肉植物の中では小型な部類に入ります。
葉は肉厚でジェリービーンズのような形をしています。

▼虹の玉の葉の様子

虹の玉の葉の様子

葉は日当たりや水やりの頻度など、環境の変化で色付きます。
夏場は基本的に緑葉になりますが、乾燥気味に管理すると葉先が赤く色付きます。

▼色付いた虹の玉

虹の玉

また、秋から春にかけての低温期では、葉全体が赤く染まります。

▼赤く染まった虹の玉

赤く染まった虹の玉

虹の玉

株がある程度成長すると、初夏の5月~6月頃に先端付近の生長点から、小さな星型の黄色い花を咲かせます。
花後には、花の咲いていた付け根の部分に子株が出来ます。

▼虹の玉の花

虹の玉の花

多肉植物の中では比較的耐寒性があり、霜や凍結の心配のない軒下などで冬越しをすることが可能です。
放任でもよく殖え、手のかからない育てやすい多肉植物です。

虹の玉の主な品種

オーロラ (Sedum × rubrotinctum 'Aurora')

虹の玉 オーロラ

虹の玉の斑入り品種で、「宇宙錦」「虹の玉錦」とも呼ばれます。
全体的に葉の色が薄く、冬に虹の玉が真っ赤に染まるのに対し、オーロラは赤紫に染まります。
性質は虹の玉によく似ていますが、やや耐寒性、耐暑性に劣ります。
葉挿しで増やすと斑が無くなってしまうので、増やしたい場合は挿し芽をします。

オーロラは先祖返りで斑が入らない芽や葉が出ることがあります。
先祖返りした芽は勢いが強いので、早めに摘み取って下さい。
放っておくと斑の入らない虹の玉になってしまいます。

虹の玉の近縁種

虹の玉が属するマンネングサ属(セダム属)は、世界の温帯~亜熱帯地域にかけて約470種が分布しており、日本でもマルバマンネングサや、メキシコマンネングサなどの種が自生、または帰化しています。

マンネングサ属は、カーペット状に広がる品種から立ち性の品種など、草姿、性質共に変化に富んだ属で、多系統のため細分化されつつあります。
以下は観賞用として栽培されるマンネングサ属の代表的なものです。

虹の玉の育て方

虹の玉の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い、乾燥気味の環境を好みます。
半日蔭程度の日照でも育ちますが、徒長して間延びした草姿になります。
しっかりと日に当てて育てて下さい。

※斑入り品種のオーロラは、夏の強い日差しで葉焼けを起こすことがあります。
夏場は明るい日陰や、午後から日陰になる半日蔭の場所など、強い日差しの避けられる場所で育てて下さい。

虹の玉は庭植えにすることもできます。
庭植えにする場合は、軒下などの強い霜の避けられる場所で、一段高くなった花壇に植えたり、高植えにするなどして水はけを確保して下さい。

季節の管理

春、秋

春と秋は、しっかりと日に当てて育てて下さい。

冬に室内に取り込んでいた場合は、いきなり強い直射日光に当たると葉焼けを起こすことがあります。
少しずつ戸外の環境に慣らすようにします。

夏越し

梅雨の時期は、出来れば雨の当たらない軒下などで管理します。
斑入り品種のオーロラは、夏の強い日差しで葉焼けを起こすことがあります。
夏場は明るい日陰や、午後から日陰になる半日蔭の場所など、強い日差しの避けられる場所で育てて下さい。

冬越し

強い霜や凍結の心配がない地域では、戸外での冬越しが可能です。
軒下などの霜の避けられる場所で、日当たりが良いと理想的です。

心配な場合は、室内に取り込んで、窓際などのよく陽の当たる場所で育てて下さい。
屋外で簡易ビニールハウスなどを使用する場合は、朝になったらビニールを開け、夕方になったら閉めます。
通気を怠ると、日中と夜間の温度差や蒸れで株が傷むので注意して下さい。

水やり

年間を通じて乾燥気味に管理します。

春と秋は、用土の表面が乾いたら水やりをして下さい。

夏場に過湿な環境が続くと根腐れを起こすので、水やりは控えます。
鉢の大きさ、株の状態で水やりのタイミングは異なりますが、葉に張りが無くなって来るようだったら、涼しくなる夕方に水やりをして下さい。

冬場も夏同様に、水やりは控えます。

肥料

あまり肥料を必要とする植物ではありません。
鉢植え、庭植えともに、元肥として少量の緩効性化成肥料などを用土に混ぜ込んでおけば、追肥の必要はありません。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月、9月~10月です。

植え付け(用土)

市販のサボテンの土や、多肉植物の培養土などが手軽です。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行って下さい。
小さな鉢で育てている場合は、すぐに鉢がいっぱいになります。
鉢底から根が出ているようなら、適宜植え替えを行って下さい。

切り戻し、仕立て直し

必ずしも必要な作業ではありませんが、大きくなりすぎた場合や、草姿が乱れた場合は、好みの位置で切り戻すことが出来ます。
適期は4月~10月の生育期です。
切り戻した茎は、挿し穂として使うことが出来ます。

増やし方(挿し芽、葉挿し)

挿し芽と葉挿しで簡単に増やすことが出来ます。
適期は4月~10月の生育期ですが、梅雨時期は切り口が腐りやすいので避けた方が無難です。
※オーロラは葉挿しにすると斑が無くなってしまうので、挿し芽で増やして下さい。

挿し芽

茎を適当な長さに切り取って挿し穂にします。
挿し木用土にはサボテンや多肉植物の土、または川砂を使います。
土を湿らせる必要はありません。
下の節の葉を取り除いて用土に挿しますが、そのまま挿すと切り口から腐ってしまうことがあるので、日陰で2~3日ほど乾かして下さい。
切り口が完全に乾いたら、割りばしなどで用土に穴を開け、葉を取り除いた節が埋まるように挿します。
発根までは水やりの必要はありません。

葉挿し

株から取った葉を使用して株を増やします。
指で取ると他の葉もポロポロと落ちてしまうので、落としたくない場合は、ピンセットなどを使って捻りながら葉を抜き取って下さい。

方法は挿し木と同様です。
葉の切り口を完全に乾かし、乾いた挿し木用土に浅く挿して下さい。
上手く挿せない場合は、用土の上に置いておくだけでも大丈夫です。
発根までは水やりの必要はありません。

挿し木に比べると時間がかかりますが、1枚の葉から1株が出来るので、数多く増やしたい場合はお勧めの方法です。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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