多年草・宿根草

アカンサス

学名…Acanthus
和名…ハアザミ(葉薊)
科名…キツネノマゴ科
属名…ハアザミ属(アカンサス属)
原産国…地中海沿岸
花色…白、ピンク(ガクは茶、緑、紫)
草丈…60㎝~120㎝
日照…日なた~半日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 10

アカンサスとは

アカンサス

アカンサスは、地中海沿岸部、アジアに約30種が分布するキツネノマゴ科ハアザミ属の多年草(まれに亜低木)です。
花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されていますが、最も一般的なのはアカンサス・モリス種(Acanthus mollis)です。
モリス種は、ポルトガルからアフリカ北西部、クロアチアまでの地中海沿岸地域に分布するアカンサスで、乾燥気味の地域、岩場や荒地などを中心に自生しています。
日本へは明治時代末期に渡来し、公園や広い庭園などに植栽されています。

アカンサスの花期は6月中旬~8月中旬。
花期になると、1mを超える長い花茎を立ち上げて、花径3㎝、花長5㎝程度の花を穂状に咲かせます。
花は白から淡いピンクの唇形花で、上部の萼は花を覆う屋根のようになっており、下部の萼は鋭いトゲを持っています。
「アカンサス」の名前は、ギリシャ語の「akantha(トゲ)」から来ており、花の下部にあるこのトゲに由来しています。
咢の色は紫の他、緑、白。

▼アカンサスの花と萼

アカンサスの花

葉には深い切れ込みがあり、長い葉柄を持ちます。
葉の表面には美しい光沢があり、株元で茂ります。
50㎝を超える長さの葉を四方に広げた姿は雄大で、大きな存在感を放ちます。
基本種の葉色は濃緑色ですが、黄金葉や斑入り品種も流通しています。

▼アカンサスの葉

アカンサスの葉

アカンサスはギリシャの国花となっており、ギリシャ建築のコリント様式の円柱に、アカンサスの葉の模様が描かれていることは有名で、葉を表す装飾ではポピュラーな植物として知られています。

▼アルテミス神殿のアカンサスの葉の装飾

アルテミス神殿

耐寒性、耐暑性ともに高く、強健な性質です。
冬に落葉する品種もありますが、多くは常緑性で育てやすい植物です。
草丈、横幅ともに1mを超えるので、植栽にはそれなりのスペースが必要になります。

アカンサスの育て方

アカンサスの育て方

栽培環境

日なたから半日陰まで適応します。
半日陰程度の日照があれば十分育ちますが、日当たりが良い方が花付きが良くなります。
太いごぼうのような根が地中深く伸びるため、水はけが悪い環境では根腐れを起こしやすくなります。
水はけの良い環境で育てて下さい。

小さな苗を購入した場合でも、経年と共に太い地下茎を四方に広げて大きく育ちます。
根張り、横幅が1mを超えます。
狭い場所で小さく育てることも可能ですが、花が咲きにくくなるのである程度のスペースを確保して下さい。

冬越し

耐寒温度は-10℃程度です。

寒さには強いので、特に対策の必要はありません。
寒冷地の場合は、常緑種であっても落葉することがあります。
根が生きていれば再び春に芽吹きます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

乾燥には強い性質です。
水のやりすぎには注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、春と秋に少量の緩効性化成肥料を施して下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月中旬~5月中旬、9月中旬~11月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
大きく育つので、最低でも8号鉢より大きな鉢に植えて下さい。
株が十分に育たないと花が咲きにくくなります。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

花茎切り

花が終わった花茎は、株元で切り取って下さい。
枯れた葉があれば、取り除きます。

増やし方(株分け、根伏せ、種まき)

株分け、根伏せ、種まきで増やすことが出来ます。

株分け

適期は3月中旬~5月中旬、9月中旬~11月中旬です。
掘り上げた株を分けて、植え付けて下さい。

根伏せ

適期は早春、または秋です。
太い根を選んで、10㎝程度の長さに切り取ります。
横に寝かせて置き、根が隠れる程度に1㎝ほど覆土して下さい。
早ければ2か月ほどで芽が出てきます。

種まき

適期は春の5月~6月頃です。
開花は3~4年後になります。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。
水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすいので、水はけの良い環境で育てて下さい。

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