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オカトラノオ

学名…Lysimachia clethroides
和名…オカトラノオ(丘虎の尾)
科名…サクラソウ科
属名…オカトラノオ属
原産国…日本、朝鮮半島、中国
花色…白
草丈…40~100㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:3 to 8

オカトラノオとは

オカトラノオ

オカトラノオは、日本、中国、朝鮮半島などを中心に東アジアに分布するサクラソウ科オカトラノオ属(リシマキア属)の多年草です。
日本では北海道から九州にかけて分布しており、山野の日当たりの良い場所や、道端、草地などで普通に見られる植物です。
日本ではあまり栽培されませんが、野の花の趣を持ちながら美しい花を咲かせるるため、ヨーロッパや欧米などではナチュラルガーデンの宿根草として植栽されることがあります。

オカトラノオの花期は7月~8月。
花期になると、真っ直ぐに伸びた茎の頂部に総状花序を出し、小さな花を密に咲かせます。
花は径1㎝程度で白い色をしており、花冠が深く5裂しています。
花序は下から上へと咲き進み、先端が虎の尾のように枝垂れます。
オカトラノオの名前は、この花穂の様子と、丘のような場所によく群生していることに由来しています。
花序は10~30㎝程度に伸びます。

▼オカトラノオの花

オカトラノオ

葉は先の尖った長楕円形で、茎に互生します。
葉茎には軟毛が生えており、茎は基部が赤味を帯びます。
茎は分枝せずに直立し、草丈40~100㎝程度に成長します。

▼群生するオカトラノオ

オカトラノオ

耐寒性、耐暑性に優れ、育てやすい植物です。
地下茎を伸ばしよく増え、よく花を咲かせます。
冬には地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。

オカトラノオの近縁種

オカトラノオが属するオカトラノオ属(リシマキア属)の植物は、北半球を中心に約193種が分布しています。

その中で美しい花や葉を持つ幾つかの種が観賞用として栽培されています。
立ち性のものと匍匐性のものがあり、本種の他では以下のようなものが栽培されています。

オカトラノオによく似た近縁種

ヌマトラノオ(Lysimachia fortunei)

ヌマトラノオ

日本、中国、朝鮮半島、台湾、ベトナムに分布するオカトラノオの近縁種です。
名前の通り水を好み、湿地や浅い水中に自生します。
花穂が直立するのが大きな特徴で、草丈は40~70㎝程度と、オカトラノオに比べるとやや小型です。
葉の幅が細く、葉茎はほとんど無毛です。

オカトラノオと本種の交配種にイヌヌマトラノオ(Lysimachia × pilophora)があり、両種の中間のような草姿をしています。

オカトラノオの育て方

オカトラノオの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日当たりが悪いと生育、花付き共に悪くなるので、よく日の当たる場所で育てて下さい。
ただし、やや湿り気のある土壌を好むため、乾燥しすぎるような場所ではあまり繁殖しません。

地下茎を伸ばしてよく繁殖します。
適地に植えると他の草花を駆逐する勢いがあるので、花壇などに植栽する場合は注意が必要です。
根域制限を設けるなど、対策をしておいた方が無難です。

冬越し、夏越し

耐寒性、耐暑性ともに高く、特に対策の必要はありません。
秋になって地上部が枯れたら株元からバッサリと刈り込んで下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
長く乾燥が続くようなら、水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用度の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場の水切れには注意して下さい。 

肥料

やせ地でも育ち、肥料が多いと葉ばかりが茂り、花付きが悪くなります。

庭植えの場合は、特に肥料を施す必要はありません。
鉢植えの場合は、春に少量の緩効性化成肥料を株元に置き肥する程度で十分です。 

植え付け、植え替え

適期は2月~3月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておいて下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。

植え替え

生育旺盛で、地下茎を伸ばしてよく増えます。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので、一年に一度、植え替えを行って下さい。
大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

庭植えの場合も、増えすぎているようなら株分けを行って下さい。

増やし方(株分け)

種まきでも増やすことが出来ますが、地下茎を盛んに伸ばすので株分けが簡単です。

株分け

適期は2月~3月です。
掘り上げた地下茎を切り分けて植え付けて下さい。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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