セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の育て方

学名…Corylus avellana
和名…西洋ハシバミ(西洋榛)
別名…ヘーゼルナッツ
科名…カバノキ科
属名…ハシバミ属
原産国…ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア
樹高…3m~6m
日照…日なた~半日陰
難易度…星
USDA Hardiness Zone:4 to 8

セイヨウハシバミとは

西洋ハシバミ(ヘーゼルナッツ)

セイヨウハシバミは、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布するカバノキ科ハシバミ属の落葉低木です。
分布域は、イギリス諸島から東はコーカサス地方、ロシア・ウラル山脈まで、スカンジナビア半島南部から南はイベリア半島、北アフリカ・地中海地域にあり、森林の縁や牧草地、雑木林、小川の周辺などに広く自生しています。

セイヨウハシバミの果実の核はヘーゼルナッツと呼ばれ、食用として広く流通しています。
※ヘーゼルナッツの名前は、広義ではハシバミ属全種の果実の核を指しますが、商業的にはセイヨウハシバミ(Corylus avellana)やその交配種から採取した果実の核を指します。

セイヨウハシバミの花期は2月下旬~4月中旬。
雌雄同株で、同じ木に雄花と雌花が別々に付きます。
雄花は前年の夏から花序の形成が始まり、冬を越して春になると開花します。
開花は葉の展開前で、通常2~4個の雄花序が束状に付き、垂れ下がります。
雄花序は3~8㎝程度の長さで比較的短い枝に付き、開花期になると花粉を放出します。
一つの雄花序には約240個の雄花が付いています。

▼セイヨウハシバミの雄花序

セイヨウハシバミの雄花序

雌花は、前年枝の頂部から2~3芽、および雄花序の基部の葉腋に付きます。
うろこ状の小片に包まれた小さな芽のような形をしており、開花すると雌しべの赤い柱頭が見えます。

▼ヘーゼルナッツの雌花

ヘーゼルナッツの雌花

受粉は風によって行われますが、雄花と雌花の開花時期がずれていることが大半です。
そのため、通常ナッツ園では開花時期の異なる2種以上の品種を植えて、受粉の確率を高めています。
※セイヨウハシバミは理論的には自家受粉が可能ですが、上述の理由から、家庭で育てる上でも2品種以上を植栽することが推奨されています。

受粉した雌花は小苞が筒状に変化し、果実を包みます。
果実は急速に成長し、秋になって熟すと落下します。

▼セイヨウハシバミの果実

セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の果実

▼熟したヘーゼルナッツの果実

ヘーゼルナッツの果実

葉は互生し、長さ5~12㎝、幅4~12㎝の卵形~広楕円形で、縁が重鋸歯になっています。
株元から多数のシュートを出して株立になり、分枝しながら樹高3~6mに成長します。

▼セイヨウハシバミの葉の様子

セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の葉

▼セイヨウハシバミの木の様子

セイヨウハシバミの木の様子

耐寒性は非常に高いのですが、ナッツを数多く収穫するためには、冬場の最低気温が-10℃を下回らないことが大切です。
-10℃を下回る日が何日も続くような地域では、雄花が何らかの害を受け、花粉を十分に放出しない可能性があります。
さらに-20℃を下回ると80%以上の雄花が損傷するので、少なくとも冬場の最低気温が-20℃以上であることが必要とされます。

冬場の気温に注意すれば、育てやすい植物です。
株元から多数のシュートが出てブッシュ状になるので剪定の必要はありますが、あまり手のかからない樹木です。

セイヨウハシバミの主な品種

ムラサキセイヨウハシバミ(Corylus maxima ‘Purpurea’)

ムラサキセイヨウハシバミ

USDA Hardiness Zone:5 to 8

「セイヨウハシバミ・プルプレア」の名前で流通することが多いですが、セイヨウハシバミとは別種です。
セイヨウハシバミ(Corylus avellana)の近縁種であるマキシマ種(Corylus maxima)から作出された園芸品種で、美しい銅葉が特徴です。
マキシマ種は、南東ヨーロッパから西アジアに分布しています。
セイヨウハシバミより比較的樹高が低く、ナッツを覆う小苞が、セイヨウハシバミより長く筒状に伸びるのが特徴です。

▼マキシマ種の果実

ハシバミ・マキシマの果実

マキシマ種のナッツもヘーゼルナッツとして流通しており、特に商業用のナッツ園ではセイヨウハシバミとマキシマ種の交配種(C. avellana x C. maxima)が数多く植栽されています。
※銅葉品種であるプルプレアは観賞用とされています。

プルプレアは、鮮やかな銅葉を持つことから、ヨーロッパ諸国や欧米では人気の高いカラーリーフとなっています。
※夏場には紫色を帯びた緑葉になります。
育て方はセイヨウハシバミと大差ありません。

※マキシマ種には和名が付けられていないため、ここではプルプレア種をムラサキセイヨウハシバミと呼んでいます。
ただし、セイヨウハシバミにも銅葉品種があるので、混乱しがちです。

セイヨウハシバミの育て方

セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)の育て方

根を張りブッシュ状に育つので、鉢植え向きの植物ではありません。
ここでは庭植えでの育て方を紹介しています。

栽培環境

日なた~半日陰の、水はけの良い環境が適しています。
強い乾燥を嫌います。
強い日差しが株元まで差し込むような環境では、乾燥しすぎるので注意して下さい。

冬越し

耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。

水やり

夏場に乾燥が続くようなら、水やりをして下さい。
株が若いうちは、株元をワラや腐葉土で覆い、強い乾燥を防ぎます。

肥料

あまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。
生育に問題がないようなら、特に肥料を施す必要はありません。
やせ地の場合は、2月~3月頃、株の周辺に堆肥を埋め込みます。

多肥な環境で育つと、葉ばかりが茂り、花付きが悪くなるので注意して下さい。

植え付け

適期は落葉期の12月~2月です。

根鉢の2~3倍の植え穴を掘り、用土に堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。
植え付け後はしっかりと水やりをし、土と根を馴染ませて下さい。
必要であれば、支柱を立てます。

剪定

地下茎を張り、多数の芽が伸びブッシュ状になります。
主要な枝を3~5本残し、不要な芽は適宜取り除いて下さい。

樹形を整える剪定は、冬の12月~1月頃に行います。
不要な枝を間引き、樹形を整えます。
セイヨウハシバミの雌花は前年枝に付くので、前年枝を落としすぎないように注意し、剪定する場合は15~25㎝程度の長さを残すようにすると失敗しません。

増やし方

株分け、取り木、挿し木、種まきなど、様々な方法で増やすことが出来ます。

株分け

伸びた地下茎から多数の芽が出るので、掘り上げて植え付けます。

取り木

伸びた枝を折り曲げて針金などで抑え、土を被せます。
一年ほど立つと根が生えているので、切り取って植え付けます。

また、株元に盛り土をしていても枝から発根するので、同様に増やすことが出来ます。

挿し木

適期は梅雨時期の6月~7月です。

枝を2~3節程度に切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、残った葉は1/2程度にカットします。
水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

風通しが悪いとうどんこ病が発生することがあります。
適宜剪定を行い、枝が茂りすぎないようにして下さい。

カミキリムシの幼虫による幹の食害が発生することがあります。
株元や幹の途中におがくずのようなものが落ちていたら、幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
見つけた場合は早めに駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで補殺します。
薬剤の場合は、駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。

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