一年草・二年草

ホワイトレースフラワー

  • 学名…Ammi majus、Ammi visnaga(Visnaga daucoides)
  • 和名…ドクゼリモドキ
  • 別名…イトバドクゼリモドキ
  • 科名…セリ科
  • 属名…ドクゼリモドキ属
  • 原産国…地中海沿岸、西アジア
  • 花色…白
  • 草丈…20㎝~100㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:2 to 11

ホワイトレースフラワーとは

ホワイトレースフラワー

ホワイトレースフラワーは、地中海沿岸地方から西アジアにかけて分布するセリ科ドクゼリモドキ属の一年草、または二年草です。

ホワイトレースフラワーが属するドクゼリモドキ属の植物は世界に約6種が知られています。
その中で観賞用として栽培されるのは、ドクゼリモドキの和名を持つアミ・マユス(Ammi majus)と、アミ・ビスナガ(Ammi visnaga)で、両種共に「ホワイトレースフラワー」の名前で流通します。
※Ammi visnagaはVisnaga daucoidesの同義語とされる場合もあります。

ここではこの二種をホワイトレースフラワーとして紹介しています。

ホワイトレースフラワーの二種は共にヨーロッパから北アフリカ、西アジアを中心に分布しています。
美しい花を咲かせることから観賞用として世界で広く栽培されており、各地で逸出したものが野生化しています。
帰化状態にあるのは日本も同様で、神奈川県で発見されて以降、関東以西の各地で野生化しているのが確認されています。


ホワイトレースフラワーの花期は5月~6月。
花期になると、伸びた茎の頂部に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は直径10~15㎝の複散形花序です。

※複散形花序(ふくさんけいかじょ)…複数の散形花序が組み合わさって出来た花序の形

▼ホワイトレースフラワーの複散形花序

ホワイトレースフラワーの複散形花序


複散形花序には15~60個の散形花序が付き、一つの散形花序には10個前後の花が付きます。

▼ホワイトレースフラワーの散形花序

ホワイトレースフラワーの散形花序

花は直径5㎜にも満たない5弁花です。
花色は白のみ。

▼ホワイトレースフラワーの花

ホワイトレースフラワーの花

果実は長さ2㎜程度の長楕円形です。


葉は複葉で糸状に細かく切れ込む品種と、同じく複葉で小葉が披針形になる品種があります。
葉は下部でよく茂り、花を咲かせながら100㎝程度に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるホワイトレースフラワー

たくさんの花を咲かせるホワイトレースフラワー
photo by: Mark / CC BY-SA 2.0

基本的に丈夫な性質で、種まきからも比較的容易に育てることが出来ます。
耐寒性はそこそこあるので、暖地、温暖地では秋まきにして春に花を楽しみます。
環境が合えば、こぼれ種でもよく増えます。

よく似た花にオルレアがあり「ホワイトレース」という名前で流通しています。
遠目で見ると似ていますが、花の形が違います。
流通名も似通っていることから混同されますが、別属の植物になります。

ホワイトレースフラワーの主な品種

アミ・マユス(Ammi majus)

アミ・マユス(ドクゼリモドキ)

南ヨーロッパ~北アフリカ、中東に分布しています。
葉は3出複葉で、小葉は披針形、縁に鋸歯があります。

アミ・ビスナガ(Ammi visnaga)

アミ・ビスナガ

南ヨーロッパ~北アフリカ、中東北部、エチオピア、エリトリアに分布しています。
アミ・マユスに比べると複散形花序に付く散形花序が密になり、葉は糸状に細く裂けます。

両種共に園芸品種や選抜品種が流通しています。

ホワイトレースフラワーの育て方

ホワイトレースフラワーの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
過湿な環境がやや苦手な性質のため、水はけの良い環境で育てることがポイントになります。

冬越し

耐寒性はそこそこあるので関東以西の地域では、対策無しで冬越し可能です。
寒冷地では春まき、春植えで育てます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が長く続くと根腐れを起こしやすいので、水の与え過ぎには注意して下さい。

肥料

やせ地でも育つ植物で、多くの肥料を必要とはしません。
肥料が多いと草丈が高くなり倒れやすくなります。

庭植えの場合は、元肥として少量の緩効性化成肥料、または堆肥を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はありません。

鉢植えの場合は、春と秋に規定量の倍に薄めた液体肥料を施す程度で十分です。

植え付け

適期は10月~11月ですが、寒冷地の場合は春に植え付けを行います。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料、または堆肥を施しておきます。
株間は30~40㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。

直根性で移植を嫌うのでポット苗で入手した場合は、根鉢を崩さないように注意して植え付けて下さい。

花がら摘み

花が咲き終わったら花序の少し下の部分から切り取っておくと、二番花を咲かせます。

支柱立て

大きく育つと風で倒れやすくなります。
成長に合わせて支柱を立てて下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ますが、こぼれ種でもよく増えます。

種の採取

花が終わり、花序が茶色くなったら種が熟しています。
晴れた日を選んで、花序ごと切り取って受け皿や紙の上で採取して下さい。

種まき

適期は9月~10月ですが、寒冷地の場合は3月~4月の春まきにします。
こぼれ種でもよく増え、移植を嫌うので直まきがオススメです。
直まきしない場合はポットに蒔いて下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理したら、7日~10日ほどで発芽します。
ポットまきの場合は、根が回ってきたら傷つけないように注意して定植して下さい。

病気・害虫

まれにアブラムシの発生が見られます。
見付け次第駆除して下さい。

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