和名…キンギンボク
別名…ヒョウタンボク
科名…スイカズラ科
属名…スイカズラ属
原産国…日本、中国、朝鮮半島、ロシア
花色…白、黄、赤
樹高…1~2m
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:
ヒョウタンボクとは
ヒョウタンボクの仲間は、日本、中央アジア、ロシアなどを中心に約180種が分布するスイカズラ科スイカズラ属のつる性木本、または低木です。
その中でヒョウタンボクと呼ばれるのは、キンギンボク(Lonicera morrowii)の和名を持つ落葉性低木です。
果実の形がヒョウタンに似ていることから「ヒョウタンボク」の名前で呼ばれています。
また、同属の近縁種であるベニバナヒョウタンボク(L. maximowiczii var. sachalinense)やアカバナヒョウタンボク(L. tatarica)、オオヒョウタンボク(L. tschonoskii Maxim.)なども、同様の果実を実らせることから「ヒョウタンボク」と呼ばれることがあります。
ヒョウタンボクの花期は4月~6月。
花期になると枝の葉の付け根に、2輪の花を並んで咲かせます。
花は花径1.5~2㎝程度の合弁花で、基部は細い筒状になっており、花冠は深く5裂します。
花色は白で咲き進むと黄色に変化します。
一本の枝に白と黄色の花が同時に咲いているように見えることから、キンギンボク(金銀木)の和名を持ちます。
▼ヒョウタンボク(キンギンボク)の花
花後には「ヒョウタンボク」の名前の由来なった、愛らしい赤い果実を実らせます。
果実は6~8㎜程度の球形で、並んだ2つの果実が合着します。
美しい果実はユスラウメによく似ておりいかにも美味しそうですが、有毒なので食べてはいけません。
▼ヒョウタンボクの果実
葉は楕円形、まれに円形で短い葉柄を持っており、枝に対生します。
枝には細かい軟毛が密生しており、細かく分枝しながら樹高1~2m程度に成長します。
日本では植栽されることは稀ですが、欧米では美しい花と果実を持つことから庭木として植栽されます。
ヒョウタンボクの主な品種(原種)
キンギンボク(Lonicera morrowii)
日本、韓国、中国東北部に分布するヒョウタンボクで、通常「ヒョウタンボク」というと本種を指します。
日本では北海道西南部、東北地方、および本州の日本海側に分布しています。
アメリカでは栽培を逸出したものが野生化して帰化しており、特に中西部では侵略的外来種として栽培が規制されています。
樹高1~2m程度に成長します。
オオヒョウタンボク(L. tschonoskii Maxim.)
日本の関東地方北部と中部地方に分布する日本固有種のヒョウタンボクです。
キンギンボクより葉が大きいことから、オオヒョウタンボクと呼ばれます。
花は白く、花冠部分が上下に分かれて唇形となり、上唇が浅く4裂します。
樹高1~2m程度に成長します。
チシマヒョウタンボク(L. chamissoi)
東北アジア、日本に分布するヒョウタンボクです。
日本では、本州中部以北から北海道に分布しています。
花は暗紅色で、花冠部分が上下に分かれて唇形となり、上唇が浅く4裂します。
環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類されています。
ベニバナヒョウタンボク(L. maximowiczii var. sachalinense)
日本、朝鮮半島、中国、ロシアに分布するヒョウタンボクです。
日本では青森、北海道に分布しており、名の通り赤い花を咲かせます。
チシマヒョウタンボクに似ていますが、本種の花はやや明るい紅色です。
環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類されています。
アカバナヒョウタンボク(L. tatarica)
東アジアからシベリアにかけて分布するヒョウタンボクです。
花は濃いピンク色で、花冠は深く5裂します。
キンギンボクと同様にアメリカでは栽培を逸出したものが野生化して帰化しており、特に中西部では侵略的外来種として栽培が規制されています。
園芸品種には白花品種もあり(L. tatarica 'Alba')、まれに流通することがあります。
管理人宅では本種を育てていますが、放任でもよく花を咲かせ、よく果実を実らせます。
枝が細かく分枝して樹形が乱れがちなので、花後に透かし剪定を行います。
スイカズラ属の仲間
スイカズラ属の植物にはツル性木本と低木がありますが、ツル性のものではスイカズラ、ツキヌキニンドウ、ハニーサックルなどが栽培されています。