- 学名…Vicia villosa ssp. varia
- 和名…ナヨクサフジ(弱草藤)
- 別名…ヘアリーベッチ
- 科名…マメ科
- 属名…ソラマメ属
- 原産国…ヨーロッパ、北アフリカ、南西アジア
- 花色…紫
- 草丈…つる性(ツルの長さは1.5~2m)
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:不明
ナヨクサフジとは
ナヨクサフジは、ヨーロッパ南部~中央部、北アフリカ、南西アジア原産のマメ科ソラマメ属の一年草(稀に二年草、または多年草)です。
飼料や緑肥として世界に広く導入されている植物で、逸出したものが各地で野生化しています。
現在ではすべての大陸において帰化分布が確認されています。
日本には1943年に導入されて以来、北海道から沖縄まで急速に分布域が拡大しており、空き地や河川敷、道路脇などで野生化しているのが見られます。
ナヨクサフジの花期は5月~8月。
花期になると、伸びた茎の葉腋から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花は花序の片側に付き、一つの花序には10~40個の花が密生します。
▼ナヨクサフジの花序の様子
花はマメ科の植物に多く見られる蝶形花(ちょうけいか)です。
蝶形花とは、左右対称で蝶の形に似た花です。
花弁は5個あり、それぞれ名前が付いています。
上部で反り返った1個の旗弁(きべん)、左右にある翼弁(よくべん)、下側2個の舟弁(しゅうべん)の計5個です。
▼ナヨクサフジの蝶形花
ナヨクサフジでは、旗弁の筒状の部分(爪部)が長く、反り返った部分(舵部)の約2倍の長さがあります。
また、花柄が萼筒の横に付いているため、花柄より萼筒がやや後ろに突き出ます。
▼ナヨクサフジの萼筒と花柄
花後にはマメ科らしい果実が実ります。
豆果は長さ2~3㎝、幅0.7~1㎝程度の楕円形で、中には数個の種子が入っています。
▼ナヨクサフジの豆果
葉は羽状複葉で、6~12対の小葉が付き、小葉は1~3㎝程度の楕円形です。
複葉の先は巻きひげとなっており、他のものに巻き付いて成長します。
▼ナヨクサフジの葉の様子
秋に芽を出し、冬を越し、春から夏にかけて花を咲かせます。
こぼれ種でもよく増えるようで、各地で野生化しているのを見かけます。
全体的に毛が多いものはビロードクサフジ(Vicia villosa subsp. villosa)と言い、ナヨクサフジと共にヘアリーベッチの名前で販売されています。
こちらも各地で野生化しています。
▼ビロードクサフジの花