和名…フェイジョア
別名…パイナップルグアバ、アナナスガヤバ
科名…フトモモ科
属名…アッカ属
原産国…南アメリカ
花色…白
樹高…1~4.5m
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:8 to 10
フェイジョアとは
フェイジョアは、南アメリカ原産のフトモモ科アッカ属の常緑低木、または常緑小高木です。
分布域は、ブラジル南部、パラグアイ東部、ウルグアイ、アルゼンチン北部、コロンビアにあり、標高1000m以下の森林の縁や高原、草原などの、やや湿り気のある石や岩の多い土壌に自生しています。
果実が食用となる他、特徴的な花を咲かせることから、熱帯および温暖な地域で広く栽培されている果樹の一つです。
フェイジョアの花期は5月~6月。
花期になると、葉腋、または枝先から花序を出し、1~3個の花を咲かせます。
花は径4㎝程度の4弁花です。
花弁は外側が白~淡いピンク色、内側が紫色~赤紫色~赤褐色で、花が開くと丸まります。
▼フェイジョアの花の様子
雄しべは1.5~2.5㎝の長さがあり、赤い花色が目立ちます。
花弁には糖分が含まれているためほのかな甘味があり、食用としてサラダなどに利用されます。
▼フェイジョアの花
花後には長楕円形~卵状楕円形~球形の果実が実ります。
※果実の形状は品種によって異なります。
果実は緑色で独特の芳香を持ち、生食の他、ジャムや果実酒、ゼリーなどに利用されます。
▼フェイジョアの果実
果実は成熟すると自然に落果するので、落下した果実を収穫します。
収穫した果実は、数日~数週間追熟させます。
硬かった果実が柔らかくなり、香りがしてきたら食べ頃なので、半分に切ってスプーンですくったり、皮を剥いて頂きます。
果実には独特の芳香があり、甘酸っぱく、美味。
この香りは日本のフルーツには無いものなので、好き嫌いが別れるかと思います。
▼フェイジョアの果実の断面
葉は対生し、長さ2.8~7㎝、幅1.5~4㎝の楕円形~長楕円形です。
葉は革質で表面にツヤがあり、裏面は微細な白い綿毛が密生しており銀緑色になります。
枝は分枝しながら樹高1~4.5m程度に成長します。
▼フェイジョアの葉の様子
▼大きく育ったフェイジョアの木
南国原産の果樹ですが、比較的耐寒性があり、冬の最低気温が-10℃程度なら栽培することが可能です。
病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい果樹です。
フェイジョアは一部品種を覗いて、自家不和合性の性質を持っています。
自家受粉では結実しないので、異なる2つ以上の品種を植えるのが望ましいとされています。
※自家受粉が可能な品種であっても、他家受粉した方が実付きが良くなります。
たくさんの果実を確実に収穫するためには、2つ以上の異なる品種を植えることをおすすめします。
フェイジョアの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけ、水持ちが良い環境が適しています。
半日陰でも育ちますが、実付き、果実の糖度は日当たりに比例します。
可能な限りよく日の当たる場所で育てて下さい。
果樹が強風で傷つきやすいので、夏から秋にかけて強い風が当たらないような場所だと最適です。
冬越し
耐寒温度は-10℃程度です。
果実が熟す秋頃に低温に合うと、果実が傷みます。
また、寒さの厳しい地域では結実しないので、冬場の最低気温が-10℃以下にならない地域が栽培に適しています。
水やり
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、春と秋に、骨粉入りの固形の油かすなど、有機肥料を施します。
鉢植えの場合は、春と秋に加えて花後にも、有機肥料、または即効性化成肥料を施して下さい。
植え付け、植え替え
適期は3月下旬~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、根鉢の2~3倍の植え穴を掘り、用土に腐葉土や完熟堆肥を混ぜ込みます。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませます。
必要であれば、支柱を立てて下さい。
鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行います。
根鉢を軽くほぐし、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けて下さい。
剪定
適期は春の3月~4月上旬です。
フェイジョアは、地際から多数の枝を出して株立になりやすい樹木です。
生け垣として利用するのでなければ、通常一本仕立てにするので、株元から伸びた枝は主幹を一本残して切り取って下さい。
枝が混み合っている場合は、間引き剪定を行って不要な枝を落とします。
フェイジョアの花芽は、前年枝の先端2~3芽に付き、その花芽から伸びた新枝の葉腋に花が咲きます。
切りすぎると花数が少なくなるので、注意して下さい。
人工受粉
人工受粉をしなくても結実しますが、人工受粉を行った方が多くの果実が実ります。
2品種以上を植えているなら、異なる品種の花粉を用います。
花粉が付いた雄しべを数本取り、雌しべの柱頭に花粉を付けて下さい。
増やし方(挿し木、種まき)
挿し木と種まきで増やすことが出来ます。
挿し木
適期は6月~7月の梅雨時期です。
枝を2~3節の長さに切り取って、しっかりと水揚げをします。
下の節の葉を取り除き、葉を取り除いた節が埋まるように挿し木用土に挿してください。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
挿し木の活着率はあまり高くないので、多めに挿しておくと良いと思います。
種まき
種の採取
果実から種を取り出して、果肉を洗い落とします。
きれいに洗った種は日陰で乾燥させ、密閉容器に入れて保管して下さい。
種まき
適期は春の3月頃です。
ポットやセルトレイにひと粒ずつ種をまき、覆土は1㎝程度。
立ち枯れ病が発生することがあるので、種まき用土は清潔なものを使って下さい。
水を切らさないように管理したら、2~3週間程度で発芽します。
ポットに根が回ったら、根鉢を崩さないように注意して定植して下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。