低木 庭木

ジンチョウゲ

学名…Daphne odora
和名…ジンチョウゲ(沈丁花)
別名…チンチョウゲ
科名…ジンチョウゲ科
属名…ジンチョウゲ属
原産国…中国
花色…白+赤紫、白
樹高…60㎝~100㎝
日照…半日蔭
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 9

ジンチョウゲとは

ジンチョウゲ

ジンチョウゲは、中国南部からヒマラヤ地方原産のジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑性低木です。
原産地は中国とされていますが実際の自生地は発見されておらず、野生種が絶滅したのか、あるいは園芸品種なのか、その詳細は不明です。

ジンチョウゲは美しい花と香りを持つことから、世界で広く栽培される花木の一つです。
日本での栽培の歴史も古く、室町時代にはすでに栽培されていたとされています。

ジンチョウゲの花期は2月下旬~4月中旬。
花期になると、分枝した枝先に花序を出し、小さな花を手毬状に咲かせます。
一つの花序には10~20個の花が咲き、花序の大きさは5㎝程度です。
花は径1~2㎝程度で、花弁のように見える部分はガクが変化したもので、ジンチョウゲは花弁を持たない花です。
ガクは基部が筒状になっており、先が4裂して星形に開きます。
ガクは内側が白で外側が赤紫になっています。

▼ジンチョウゲの花

ジンチョウゲ

花には強い芳香があり、花の時期になると庭を甘い香りで包みます。
ジンチョウゲは、クチナシキンモクセイと並ぶ三香木のひとつです。
雌雄異株で雌株は花後に果実を実らせますが、ジンチョウゲの果実を見かけるのは本当に稀です。
これは国内で栽培されているものの多くが雄株のためです。
花色は写真の白に赤紫の他、白。

葉は革質の披針形で、花を囲むように放射状に付きます。
葉の縁に淡い黄色の斑が入る斑入り品種も流通しています。

寒さにはやや弱い性質ですが、東北南部以南で戸外での冬越しが可能です。
植物としての寿命は長くなく、7~8年で老化します。

ジンチョウゲの主な品種

シロバナジンチョウゲ(Daphne odora f. alba)

シロバナジンチョウゲ

ガクの外側も白い、白花品種です。

フクリンジンチョウゲ(D. odora cv Marginata)

フクリンジンチョウゲ

Photo credit: wlcutler via Visual Hunt / CC BY

葉の縁に淡い黄色の覆輪が入ります。
写真の赤紫の品種の他、白花品種もあります。

ジンチョウゲの育て方

ジンチョウゲの育て方

※鉢植えでも栽培可能ですが、植え替えが難しいためあまりオススメしません。

栽培環境

強い西日が避けられる場所が適しています。
日陰になると花付きが悪くなるので、午前中いっぱいは日が当たるような半日蔭の場所に植えて下さい。
根を傷めると株が枯れてしまうことが多いので、移植は困難です。
特に植えてから3年以上経過すると移植は失敗する可能性が大きいので、植える場所は熟考の上で決定をして下さい。

冬越し

東北地方南部の平地であれば、戸外でそのまま冬越し可能です。
特に対策の必要はありません。
鉢植えの場合は、霜や風の当たらない場所に移動して下さい。

水やり

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に雨が降らず、乾燥が続くようならみずやりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
特に生育期である春から夏にかけては水切れさせないように注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、花後と秋の9月に、骨粉入りの油粕か緩効性肥料を株元に施します。
鉢植えの場合は、花後と秋の9月に、緩効性化成肥料を株元に施して下さい。

植え付け・植え替え

適期は春の3月下旬~4月、秋の9月下旬~10月です。

植え付け

庭植えの場合は、元肥として用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきます。
水はけが悪いようなら高植えにするなどの工夫をして水はけの良い環境を整えて下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)3・赤玉土(中粒)3・腐葉土4などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているようなら植え替えを行います。
ジンチョウゲの植え替えは難しく、根を傷めると根付かずに枯れてしまうことが多々あります。
挿し木が比較的簡単な木なので、あらかじめ挿し木苗を作っておくことをオススメします。

株を抜いたら根を傷めないように注意して土を軽く落とします。
一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えて下さい。

剪定

剪定をしなくても丸く樹形がまとまるので、必ずしも必要な作業ではありません。

ジンチョウゲの花芽は6月~7月に作られます。
剪定の適期は春の花後です。
樹形を乱す飛び出た枝を切り取ります。
全体の樹形を大きく整えるような剪定をすると枯れてしまうことがあるので、注意して下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は春の4月か梅雨後の7月~8月です。

4月の場合は前年に伸びた枝を使い、7~8月の場合はその年に伸びた枝を使います。
枝の先端を10~15㎝の長さに切り取り、上の葉を1/3程度残して葉を取り除きます。
水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理すれば2か月ほどで発根します。
発根したら根を傷めないように注意して鉢上げをして下さい。

病気・害虫

白紋羽病(しろもんぱびょう)

葉が黄変したり縮れたりして、最終的には枯れてしまいます。
根に病原菌がついて白い菌糸を絡ませて徐々に枯らせてしまう病気ですが、目に見える症状が現れた時には手遅れということが多いです。

アブラムシ

新芽の時期に発生することがあります。
見つけ次第、駆除して下さい。

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