多年草・宿根草

クロコスミア

  • 学名…Crocosmia
  • 和名…ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
  • 別名…モントブレチア
  • 科名…アヤメ科
  • 属名…ヒメトウショウブ属
  • 原産国…南アフリカ
  • 花色…オレンジ、赤、黄、複色
  • 草丈…40㎝~150㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:6 to 9

クロコスミアとは

クロコスミア
クロコスミア・ルシファー(Crocosmia ‘Lucifer’)

クロコスミアは、アフリカ原産のアヤメ科ヒメトウショウブ属の多年草です。
ヒメトウショウブ属は、アフリカ、マダガスカルに約9種が分布する球根植物です。

最も一般的に普及しているのは、ヒメヒオウギズイセン(Crocosmia × crocosmiiflora)です。
ヒメヒオウギズイセンは、ヒオウギズイセン(Crocosmia aurea)とヒメトウショウブ(Crocosmia pottsii)の交雑により、1880年に作出された品種です。
その他ハイブリッドも多数あり、その数は優に400品種を超えています。

日本へは明治時代中期に渡来し、ヒメヒオウギズイセン、モントブレチア、クロコスミアなどの名前で普及しています。


クロコスミアの花期は6月~8月。
花期になると、株の間から花茎を長く伸ばして花序を出し、穂状に花を咲かせます。
花茎は多くの場合途中で分枝し、花は2列に付きます。

▼クロコスミアの花序の様子

クロコスミアの花序
クロコスミア・ルシファー(Crocosmia ‘Lucifer’)

花は径3~5㎝の大きさで、花被片は6個。
花被片の基部は合着して筒状となっています。

▼クロコスミアの花

クロコスミアの花
クロコスミア・ルシファー(Crocosmia ‘Lucifer’)

雄しべは3個、雌しべは雄しべよりやや上で3本に分枝します。

▼クロコスミアの雄しべと雌しべ

クロコスミアの雄しべと雌しべ
ヒメヒオウギズイセン

葉はアヤメ科の植物らしく、剣状に真っすぐ伸びます。
草丈40~150㎝に成長します。

▼クロコスミアの株の様子

クロコスミア(ヒメヒオウギズイセン)
ヒメヒオウギズイセン

丈夫な性質で繁殖力旺盛です。
一度植えれば植えっぱなしでもよく花を咲かせます。
冬は地上部を枯らして休眠します。

クロコスミアの主な品種

ヒメヒオウギズイセン(Crocosmia × crocosmiiflora)

ヒメヒオウギズイセン

1880年に、ヒオウギズイセン(Crocosmia aurea)とヒメトウショウブ(Crocosmia pottsii)の交雑によりフランスで作出された園芸品種です。

強健な性質で繁殖力も旺盛、耐寒性にも優れており、湿地から乾燥地まで様々な栽培環境に耐えます。

日本には明治時代に導入され、各地で野生化しています。
球根で増えるほか、こぼれ種でもよく発芽し、よく増えます。
佐賀県では移入規制種として指定されており、栽培が禁止されています。

ヒメヒオウギズイセンの詳しい特徴については「ヒメヒオウギズイセン」を参照下さい。

クロコスミア・ルシファー(Crocosmia ‘Lucifer’)

クロコスミア・ルシファー

イギリスの園芸家であるアラン・ブルームによって1966年に登録された品種です。

花茎はアーチ状になり、密に付いた花は上向きに咲きます。
鮮やかな赤い花を咲かせ、草丈60~120㎝程度に成長します。
クロコスミアを代表する人気品種です。

他にも黄花の ‘ジョージ・ダビッドソン’ 、オレンジの花に赤いリング模様が入る ‘エミリー・マッケンジー’ など、様々な品種が流通しています。

クロコスミアの育て方

クロコスミアの育て方

栽培環境

日当たりが良く水はけの良い場所が適しています。
耐陰性があるので、全くの日陰でなければ育ちますが、日当たりが良いほど花付きが良くなります。
土質もあまり選ばず、幅広い環境に適応します。

冬越し

土が凍らない程度の寒さなら十分に耐えることが出来ます。
対策なしで冬越し可能です。
秋になって葉が枯れたら株元から刈り取って下さい。

凍結の心配がある寒冷地の場合、鉢植えは凍らない場所に移動して下さい。
庭植えの場合は、腐葉土や敷き藁で凍結対策をするか、葉が枯れてから球根を掘り上げて乾かし、凍らない場所で春まで保管しておきます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
10月下旬~11月頃になって葉が枯れ始めたら徐々に水やりを減らし、休眠期は完全に水を断って下さい。
春は3月頃から水やりを始めます。

肥料

肥料はほとんど必要ありません。

庭植え、鉢植えともに春に少量の緩効性肥料を株元に置き肥する程度で十分です。
多肥にすると草丈が大きくなり倒れやすくなったり、葉ばかりが茂って花付きが悪くなります。

植え付け・植え替え

適期は3月中旬~5月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら腐葉土を用土に混ぜ込んでおきます。
株間は20㎝程度で深さは10㎝程度。
2~3球ずつまとめて植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
株間は5㎝程度、深さは5㎝程度です。

植え替え

庭植えの場合は、数年は植えっ放しで大丈夫です。
株が混み合って花付きが悪くなってきたら、分球したり間引いたりして植え替えを行います。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こすので2~3年に一度、植え替えを行います。
分球をしたり間引いたりして植え替えて下さい。

増やし方(分球、種まき)

分球と種まきで増やすことが出来ますが、繁殖力旺盛で放っておいてもよく増えます。

分球

適期は3月中旬~5月中旬です。
増えた球根を植え付けて下さい。
地下茎でも殖えるので、出来た球根を株分けの要領で植え付けてます。

種まき

結実することは稀ですが、種ができたなら採取します。

果実が熟したら種を取り出し、すぐに蒔きます。
開花までには3年ほどかかります。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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