- 学名…Clerodendrum trichotomum Thunb.
- 和名…クサギ(臭木)
- 科名…シソ科
- 属名…クサギ属
- 原産国…日本、朝鮮半島、台湾、中国、東南アジア
- 花色…白
- 樹高…4~8m
- 日照…日なた
- USDA Hardiness Zone:7 to 10
クサギとは
クサギは、 日本、朝鮮半島、中国、東南アジアに分布するシソ科クサギ属の落葉小高木です。
日本では北海道から沖縄まで全土に分布しており、山野の林縁や沿岸部など、日当たりの良い場所に自生しています。
葉を傷付けると独特の臭気があり、「クサギ(臭木)」の名前の由来となっています。
花には芳香があり、若葉は山菜として食用にされます。
クサギの花期は7月~9月。
花期になると、枝の上部の葉腋や枝先から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は径8~18㎝の大きさの集散花序で長い柄があります。
▼クサギの花序
花は花冠が深く5裂しており、平らに開きます。
筒部は細く、長さ2~2.5㎝で紅紫色をしています。
萼は紅紫色をおびており、浅く5裂します。
▼クサギの花
雄しべ4個と花柱は共に、花冠から長く突出します。
▼クサギの雄しべと雌しべ
花後に萼は紅紫色になり、中には果実は入っています。
果実は核果で、0.6~0.7㎝の球形、秋になると藍色に熟します。
果実は熟すまで萼の中にあり、熟すと萼が平開します。
▼クサギの果実
この果実は青色の染料として、草木染めに利用されます。
葉は対生し、長さ8~15㎝、幅5~10㎝の広卵形~三角状心形です。
有毛で脈上に毛があり、特に裏面に多くあります。
鋸歯は無いことが多いが、まばらに浅い鋸歯があることもあります。
葉柄は2~8㎝。
▼クサギの葉
樹高4~8mに成長し、樹皮は灰褐色~暗灰色です。
▼大きく育ったクサギ
クサギの変種、近縁種
ショウロウクサギ(Clerodendrum trichotomum var. esculentum )
日本、朝鮮半島南部、フィリピンに分布するクサギの変種です。
日本では四国南部、九州南部~沖縄に分布しています。
樹高3~8mに成長し、白い花を咲かせます。
葉の基部が心形で、先が尖るのが特徴です。
クサギ同様に葉を傷付けると強い臭気があり、沖縄ではクサバーギー(臭い葉の木)とも呼ばれています。
アマクサギ(Clerodendrum trichotomum var. yakusimense)
日本、中国、朝鮮半島に分布するクサギの変種です。
日本では九州南部~沖縄に分布しています。
樹高3~5mに成長し、白い花を咲かせます。
葉にやや厚みがあり、毛がほとんど無いのが特徴です。
クサギやショウロウクサギの葉には脈上に多くの毛がありますが、アマクサギの葉は無毛、またはまばらに生える程度です。
こちらも葉を傷付けると独特の臭気があります。
九州南部~沖縄にかけては本種の他にクサギ、ショウロウクサギが分布しており、同定は非常に困難です。
クサギの近縁種
クサギ属は世界に約400種が知られています。
多くはありませんが、ゲンペイカズラやボタンクサギなど、一部が観賞用として栽培されます。