一年草・二年草

ラークスパー

  • 学名…Consolida ajacis (L.) Schur
  • 和名…チドリソウ(千鳥草)
  • 別名…ラークスパー、ヒエンソウ
  • 科名…キンポウゲ科
  • 属名…チドリソウ属
  • 原産国…南ヨーロッパ~アジア西部
  • 花色…青、紫、白、ピンク
  • 草丈…50㎝~100㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:3 to 11

ラークスパーとは

ラークスパーは、南ヨーロッパからアジア西部原産のキンポウゲ科チドリソウ属の一年草です。
道路や線路脇、畑や空き地など、日当たりが良く湿り気のある場所に分布しています。
美しい花を咲かせるため多くの地域で導入され、北アメリカなどでは逸出したものが野生化しています。

日本へは明治初年に渡来し、現在では春から初夏の花壇を彩る花として広く栽培されています。
和名はチドリソウ(千鳥草)。


ラークスパーの花期は5月~6月。
花期になると、真っ直ぐに立ち上がった茎の上部に花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は総状で一つの花序に6~30個(75個)の花を付けます。

▼ラークスパーの花序

花は直径2~3㎝の大きさです。
花弁のように見えるのは、萼片が変化したもので、実際の花弁は中央にある部分です。

▼ラークスパーの萼片と花弁

萼片は5個、花弁は2個。
2個の花弁は合着して雄しべと雌しべを囲むような形になってます。

雄しべは多数、雌しべは1個。

▼ラークスパーの雄しべと雌しべ

花の後ろには距(きょ)と呼ばれる、長い筒が伸びています。

※距(きょ)…花弁や萼片の基部から突き出ている袋状の部分。
内部に蜜腺を持つものが多い。

この距の形が鳥の蹴爪に似ていることから「ラークスパー(Lark's spur:ひばりの蹴爪)」の名前が付けられました。

▼ラークスパーの距

萼片、花弁の色は青、ピンク、白、紫。
一重咲きの他、八重咲き品種も流通しています。

▼様々なラークスパー


果実は長い円柱形の袋果(たいか)。

※袋果(たいか)…一本の線で裂開する袋状の果実。一つの心皮からなる。

▼ラークスパーの果実


葉は掌状で裂片が細裂して糸状になります。
根出葉は掌状に3~4裂しています。

▼ラークスパーの葉の様子

茎は直立してあまり分枝せず、草丈50~100㎝程度に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるラークスパー

秋に種をまいて春に花を楽しむ秋まき一年草です。
花後には枯れてしまいますが、種が採れ、こぼれ種でも発芽します。
暖地での種まきが難しいデルフィニウムに比べると、比較的容易に種から育てることが出来ます。

ラークスパーはかつてデルフィニウムの一種としてオオヒエンソウ属に分類されていましたが、現在ではチドリソウ属として分離されています。

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ラークスパーの育て方

ラークスパーの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。

酸性土壌を嫌うので、植え場所にはあらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておきます。
連作障害が出やすい性質なので、一度ラークスパーやデルフィニウムを植えた場所では1年以上の間隔を開けて植えるようにして下さい。

冬越し

寒さには強い性質です。
特に対策の必要はありません。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は春に、緩効性化成肥料を株元に置き肥して下さい。

鉢植えの場合も同様で、元肥と春の追肥を施します。
さらに開花中は液体肥料も施して下さい。

植え付け

酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておきます。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作り、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は25~30㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
大きく育ちますが、6号鉢以上の鉢であれば育てることが出来ます。

植え付けの際は、根を傷めないように注意して下さい。

種まき

適期は10月です。
発芽温度が15℃前後と低く、地温が25℃を超えると発芽率が極端に下がります。
早まきはしないようにして下さい。
寒冷地の場合は、春の3月中旬~4月が適期です。

直根性で移植を嫌います。
種は花壇や鉢に直接まくか、ポットにまきます。
嫌光性種子のため、覆土は種が隠れるように5㎜程度。
発芽までは乾かさないように注意し、発芽後に間引きます。
ポットにまいた場合は、本葉が5~6枚程度になったら定植して下さい。

摘心、支柱立て

春になって茎が伸び始めた頃に摘心すると、ボリュームのある株に育てることが出来ます。
草丈が高くなると倒れやすいので、必要であれば支柱を立てて下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。

種の採取

花後に種が出来ます。

サヤが茶色く変色したら種が熟しているので、採取して下さい。
種は乾燥させ、乾燥剤とともに密閉容器に入れて冷蔵庫で保管します。

種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。

こぼれ種で発芽した場合は、苗が小さい内に根を傷めないように注意して、好みの場所に移植して下さい。

病気・害虫

立ち枯れ病

過湿、連作などで発生しやすくなるので注意して下さい。

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