一年草・二年草

ジニア・リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)

  • 学名…Zinnia angustifolia Kunth
  • 和名…ホソバヒャクニチソウ(細葉百日草)
  • 科名…キク科
  • 属名…ヒャクニチソウ属(ジニア属)
  • 原産国…メキシコ
  • 花色…オレンジ、黄色、白
  • 草丈…20㎝~40㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:2 to 11

ジニア・リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)とは

ジニア・リネアリスは、メキシコ原産のキク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)の一年草です。
分布域はメキシコ北部から中部、南西部にあり、乾燥した草原や低木林に自生しています。

ジニア・リネアリスの名前は、シノニム(異名)が流通名として定着したものです。
正式な学名はジニア・アングスティフォリア(Zinnia angustifolia)になります。
和名はホソバヒャクニチソウ(細葉百日草)。

夏花壇の定番植物として広く普及しているヒャクニチソウとは、同属の近縁種です。
ヒャクニチソウはうどんこ病に弱いという性質がありますが、ジニア・リネアリスはうどんこ病に対する耐性があり、発病することはほとんどありません。
このことから両種の交雑種が育成され、サカタのタネから「ジニア・プロフュージョン」の名前で流通しています。


ジニア・リネアリスの花期は7月~10月。
花期になると、分枝した茎の頂部に、花径3~5㎝程度の頭花(とうか)を咲かせます。

頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(かんじょうか)と、周辺の舌状花(ぜつじょうか)です。

▼ジニア・リネアリスの頭花

舌状花は筒状になった花弁の片側が大きく舌状に広がっています。

▼ジニア・リネアリスの舌状花

管状花は筒状で先が5裂しています。
管状花は外側から内側へと咲き進みます。

▼ジニア・リネアリスの管状花

花付きが非常に良く、夏から秋にかけて途切れることなく次々と開花します。
花色はオレンジ、黄色、白。

▼白い花を咲かせるジニア・リネアリス


葉は対生し、線形~線状披針形です。

「リネアリス」とはラテン語で「細い線のような」という意味で、この葉の形に由来しています。
和名である「ホソバヒャクニチソウ」の名前も同様です。

茎はよく分枝し、花を咲かせながら草丈20~40㎝に成長します。
株はこんもりと自然にまとまります。

▼たくさんの花を咲かせるジニア・リネアリス

耐暑性が高く、真夏の直射日光の下でも元気に花を咲かせます。
うどんこ病の発生もほとんどなく、丈夫な性質です。
春に種をまいて夏から秋に花を楽しむ春まき一年草で、種まきからも容易に栽培することが可能です。

関連図鑑

ジニア・リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)の育て方

ホソバヒャクニチソウの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと花付きが悪くなるので、よく日の当たる場所で育てて下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場にひどく乾燥するようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、鉢植え庭植え共に、5月~9月の生育期間中、緩効性化成肥料を月に1回程度株元に施すか、液体肥料を月に3回程度施して下さい。

花期が長いので肥料は切らさないようにします。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。
株間は25~30㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
60㎝プランターに3株が目安です。

切り戻し

草姿が乱れたり、株が蒸れているようなら切り戻しを行います。
時期は7月下旬~8月上旬頃です。
株元から20㎝程度の高さで、必ず葉を残して切り戻して下さい。
脇芽が伸びて再び花を咲かせます。

増やし方(挿し芽、種まき)

挿し芽(挿し木)と種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し芽(挿し木)

適期は5月下旬~7月上旬です。
茎を先端から6㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
水揚げをして挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

種まき

種の採取

花後に種ができます。

頭花が枯れたら花茎ごと切り取って乾燥させ、小花をそっと抜き取ると下に種が付いています。
面倒な場合は、花がらをバラバラにしてよく揉みほぐし、そっと息を吹きかけて種を採取します。
採取した種は、封筒などに入れて涼しい場所で保管して下さい。

種まき

適期は4月~5月です。
早くまいた方が充実した株に育ちますが、発芽温度が20℃~25℃と高めなので注意して下さい。

種は播種箱にまき、覆土は5㎜程度。
乾かさないように管理して発芽を待ちます。
発芽までは1週間程度かかります。
本葉が2~3枚程度になったらポット上げし、5~6枚程度になったら定植して下さい。

病気・害虫

まれにうどんこ病が発生することがあります。
風通しの良い環境で育てることで、発生を抑制して下さい。
発生した場合は、殺菌剤を散布します。

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