- 学名…Euryops virgineus (L.f.) DC.
- 別名…ユリオプス・ゴールデンクラッカー、ユリオプス・ウィルギネウス
- 科名…キク科
- 属名…ユリオプス属
- 原産国…南アフリカ
- 花色…黄色
- 草丈…50㎝~150㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 11
ゴールデンクラッカーとは

ゴールデンクラッカーは、南アフリカ原産のキク科ユリオプス属の常緑低木です。
分布域は南アフリカ・ケープ州およびレソトの沿岸地域に広がっており、砂丘や山の斜面、草原や道端など、日当たりの良い場所に自生しています。
ゴールデンクラッカーの名前は園芸品種名が流通名として定着したものです。
主に流通しているのが園芸品種・ゴールデンクラッカー(Euryops virgineus ‘Golden Cracker’)であることに由来しています。
別名はユリオプス・ウィルギネウス、またはユリオプス・ゴールデンクラッカー。
ゴールデンクラッカーの花期は1月~5月。
花期になると、枝先の葉の付け根から花柄を伸ばし、小さな頭花(とうか)を咲かせます。
頭花は直径0.7~1㎝の大きさです。
頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(かんじょうか)と、周辺の舌状花(ぜつじょうか)です。
▼ゴールデンクラッカーの頭花

舌状花は8~10個あり、筒状になった花弁の片側が舌状に大きく広がっています。
管状花は先が5裂した筒状で、20~25個。
▼ゴールデンクラッカーの舌状花と管状花

舌状花は雌性、管状花は両性です。
管状花は外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後で雌しべが伸びて成熟します。
葉は互生、またはらせん状に付き、深い切れ込みを持つ掌形、または扇形です。
▼ゴールデンクラッカー葉の様子

茎は直立し、分枝しながら草丈50~150㎝程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるゴールデンクラッカー

同属のユリオプス・デージーに比べると、暑さ寒さにやや弱い性質です。
冬越しには0℃以上の気温が必要で、暖地では夏は涼しい場所で管理する必要があります。
暑さ寒さに気を付ければ、丈夫な性質で病害虫の心配もほとんど無く、育てやすい植物です。
ゴールデンクラッカーの近縁種
ゴールデンクラッカーが属するユリオプス属の植物は、南アフリカを中心に約97種が分布しており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。 いずれも樹高が100~150㎝程度と低く、多年草のように扱うことが可能です。
ゴールデンクラッカーの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿の環境がやや苦手なため、夏場の強い西日が避けられる場所で育てて下さい。
夏、冬の管理を考えると鉢植えで育てるほうが安全です。
冬越し、夏越し
冬越し
冬越しには0℃以上の気温が必要です。
暖地では戸外で冬越しすることが出来ますが、霜や雪に当たると葉が枯れこんでしまうので、軒下などの霜の避けられる、できるだけ暖かい場所で管理して下さい。
夜間の冷え込みが心配される場合は、室内に取り込みます。
その他の地域では、室内の日当たりの良い場所で冬越しをして下さい。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理します。
夏越し
高温多湿の環境がやや苦手です。
梅雨の時期は、雨の当たらない場所に移動します。
夏場は、強い西日が避けられる、風通しの良い場所で管理して下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境が苦手な性質です。
水のやりすぎに注意して下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、夏場を除く生育期の4月~6月、9月~10月の期間に、緩効性化成肥料を定期的に施して下さい。
または、液体肥料を2週間に1回程度、施します。
植え付け、植え替え
植え付け
適期は3月~5月、10月~11月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
ジメジメした環境を嫌うので、水はけの悪い場所に植える場合は、高植えにすると効果的です。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの水はけの良い配合土に、緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので、2年に一度、植え替えを行って下さい。
適期は花後の5月~6月頃か、秋の10月頃です。
根鉢を軽く崩し、傷んだ根があれば取り除いて、一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えます。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
切り戻し・剪定
原種は樹高3m以上に成長する樹木です。
ゴールデンクラッカーも経年とともに大きく成長します。
大きくなると下葉が枯れこんで見苦しくなりますが、強い剪定をすると枯れてしまうことがあるので注意して下さい。
剪定は花後に行いますが、必ず緑の葉を残して枝を切るようにして下さい。
緑葉のない箇所で切ってしまうと、枝が伸びずにそのまま枯れることがあります。
伸びすぎた枝を切り戻し、込み入った箇所に透かし剪定を行います。
樹形が乱れてしまった場合は、挿し木苗を作って株を更新して下さい。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は5月~6月、9月です。
茎を5㎝~8㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下の方の葉を少し取り除いて水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。