多年草・宿根草

ローダンセマム

  • 学名…Rhodanthemum
  • 別名…モロッコデージー
  • 科名…キク科
  • 属名…ローダンセマム属
  • 原産国…北アフリカ
  • 花色…白、ピンク
  • 草丈…10㎝~30㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:8 to 10

ローダンセマムとは

ローダンセマム

ローダンセマムは、北アフリカ原産のキク科ローダンセマム属の多年草です。
ローダンセマム属には10~15種の植物が分類されており、その中の3種がローダンセマムとして流通しています。

主に栽培されるのは、中心が茶褐色のローダンセマム・ガヤヌム(Rhodanthemum gayanum)、花が大きいローダンセマム・ホスマリエンセ(Rhodanthemum hosmariense)と、両種のハイブリッド品種です。
その他、花が淡いクリーム色のローダンセマム・カタナンセ(Rhodanthemum catananche)も、稀に栽培されます。

三種ともに分布域は、北アフリカのモロッコおよびアルジェリアにあり、山脈の岩場などに自生しています。
そのため高温多湿の環境が苦手な性質で、暖地では一年草として扱われることもあります。


ローダンセマムの花期は3月~6月。
花期になると、葉の付け根から花茎を長く伸ばし、頂部に頭花(頭花)を付けます。
頭花は直径3~7㎝程度大きさで、マーガレットに似ています。

頭花(トウカ)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(カンジョウカ)と、周辺の舌状花(ゼツジョウカ)です。

▼ローダンセマムの頭花

ローダンセマムの頭花

舌状花は、白~ピンク色~クリーム色で、基部が赤くなる品種もあります。
管状花は黄色~赤褐色。

▼ローダンセマムの舌状花と管状花

ローダンセマムの舌状花と管状花

管状花は筒状で先が5裂しており、外側から中心へと咲き進みます。

▼ローダンセマムの管状花

ローダンセマムの管状花

葉は細かく深裂しており、葉茎の表面には短毛が密生しているため白みを帯びます。
※緑葉の品種もあります。

▼ローダンセマムの葉の様子

ローダンセマムの葉

花を咲かせながら草丈10~30㎝程度に成長します。
繊細な草姿で、花の無い時期にもカラーリーフとしての観賞価値があります。

▼たくさんの花を咲かせるローダンセマム

たくさんの花を咲かせるローダンセマム

耐寒性が高く、最低気温が-10℃程度なら戸外での冬越しが可能です。
暑さにはやや弱い性質で、暖地で夏越しをするためには、植え場所や置き場所を工夫する必要があります。

ローダンセマムの主な品種

ローダンセマム・ホスマリエンセ(Rhodanthemum hosmariense)

ローダンセマム・ホスマリエンセ

モロッコのアトラス山脈に分布する多年草で、モロッコデージーと呼ばれています。

頭状花は径3~6㎝と比較的大きく、舌状花は白、管状花は黄色です。
総苞片の縁が黒くなるのが特徴です。

▼ホスマリエンセの総苞片の様子

ローダンセマム・ホスマリエンセの総苞片

葉は細かく深裂したシルバーリーフで、草丈20~30㎝程度に成長します。

ローダンセマム・アフリカンアイズ(Rhodanthemum ‘African Eyes’)

ローダンセマム・アフリカンアイズ

ホスマリエンセから作出された園芸品種です。

純白の舌状花と赤褐色の管状花のコントラストが美しい頭花を咲かせます。
葉は繊細なシルバーリーフで、花のない時期にも高い観賞価値があります。
頭状花は花径4~5㎝程度、草丈20~30㎝程度に成長します。

ローダンセマム・リルピンク(Rhodanthemum gayanum)

ローダンセマム・リルピンク

ローダンセマム・ガヤヌム系の品種です。
ガヤヌムはモロッコおよびアルジェリアに分布する多年草です。

赤褐色の管状花とピンク色の舌状花が美しく、花色が褪せないのが特徴です。

暑さにやや弱く、暖地では一年草扱いになります。

ローダンセマム・プチマカロン(Rhodanthemum ‘Petit Macaron’)

ローダンセマム・プチマカロン

ローダンセマム・ガヤヌム種から作出された園芸品種です。
ピンクの舌状花と褐色の管状花のコントラストが美しい頭花を咲かせます。
葉は細かく深裂したシルバーリーフです。

その他にも様々な品種があります。

ローダンセマムの育て方

ローダンセマムの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけが良い環境が適しています。
夏の高温多湿の環境が苦手なため、風通しも良いと最適です。

日なたを好みますが、夏場は出来るだけ涼しい環境の方が適しています。
庭植えにする場合は、夏場に半日蔭になるような場所に植えて下さい。
心配な場合は、鉢植えで育てます。

夏越し

一年草扱いされることもあるくらい、日本の夏が苦手です。

蒸れから株が弱るのを防ぐため、梅雨前の6月頃に、草丈の1/2程度の高さでバッサリと切り戻します。
鉢植えの場合は、梅雨から夏の間は、雨がしのげる軒下などに移動します。
夏の間は、風通しが良く、半日蔭になる涼しい場所で管理して下さい。

庭植えの場合は避難は無理なので、心配であれば花後に鉢上げをして夏越しをします。

夏越し後に草姿が乱れているようなら、9月~10月にもう一度切り戻しを行います。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

多くの種の自生地は岩場などの乾燥した環境が多く、ローダンセマムは過湿を嫌います。
水のやりすぎには注意して下さい。

肥料

庭植え、鉢植え共に、春の3月~5月に緩効性化成肥料、または液体肥料を施し、秋の9月~10月に緩効性化成肥料を施します。
多肥にする必要はありません。

植え付け・植え替え

適期は3月~4月、9月~11月です。

植え付け

酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで、土壌を中和しておいて下さい。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作り、元肥として緩効性化成肥料を施しておきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(中粒)5・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)2などの配合土に、緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、一年に一度、植え替えを行います。
根鉢を軽く崩し、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けて下さい。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

花がら摘み

花が終わった茎は、付け根から切り取って下さい。
放置しておくと病気にかかりやすくなります。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。
ローダンセマムは株が古くなると立ち枯れしやすいので、挿し木株を作っておくと安心です。

挿し木

適期は3月~5月、9月~10月です。
元気な新芽の先端を5㎝ほど切って挿し穂にします。
5分程度水揚げをして挿し木用土に挿して下さい。
発根促進剤を切り口に付けると効果的です。
発根までは明るい日陰で水を切らさないように管理します。

病気・害虫

立枯病

風通しが悪くなると発生しやすくなります。
梅雨前には必ず切り戻しを行って下さい。

アブラムシ

時々アブラムシが発生します。
見付け次第駆除して下さい。

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