多年草・宿根草 低木 庭木

ルリマツリモドキ

  • 学名…Ceratostigma Bunge
  • 科名…イソマツ科
  • 属名…ルリマツリモドキ属
  • 原産国…中国、ブータン
  • 花色…青
  • 草丈…30㎝~60㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

ルリマツリモドキとは

ルリマツリモドキは、中国およびブータン原産のイソマツ科ルリマツリモドキ属の多年草、または低木です。
ルリマツリモドキ属には約8種の植物が分類されており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。

最も多く栽培されるのは、多年草のルリマツリモドキ(Ceratostigma plumbaginoides)です。
他にはブータンルリマツリ(Ceratostigma griffithii)、アルタイルリマツリ(Ceratostigma willmottianum)などが栽培されています。
ブータンルリマツリは低木、アルタイルリマツリは多年草ですが、いずれも大きく成長しても1m程度なので、大型の宿根草のように扱うことが可能です。

日本への渡来時期は不明です。


花期は品種により異なり、夏から秋に花を咲かせるもの、秋に花を咲かせるものなどがあります。
花期になると茎の頂部、または上部の葉の付け根に、短い花序を出し花を咲かせます。

▼ルリマツリモドキの花序

花は直径1~2㎝、漏斗状で先が5裂して開きます。
裂片は倒卵形から倒三角形で、やや凹形。
鮮やかな青色です。

▼ルリマツリモドキの花

雄しべは5個あり、花冠からわずかに突出します。
雌しべは1個、雄しべよりも長く突出します。

▼ルリマツリモドキの雄しべと雌しべ

一輪の花は短命ですが花期の間、次々と開花します。


果実は蒴果(さくか)。
熟すと裂け種子を放出します。
種子は一つの果実に1個入っています。

※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。


葉は倒卵形~長楕円形で、茎はよく分枝してこんもりと茂ります。
匍匐性のものと、やや立ち性の品種があります。
※葉の形は品種により異なることがあります。

▼ルリマツリモドキの葉の様子

丈夫な性質で、土地が合っていれば放任でもよく育ちます。
耐寒性、耐暑性があり、育てやすい植物です。

関連図鑑

よく似た名前の植物にルリマツリがあります。
ルリマツリはイソマツ科ルリマツリ属の半つる性常緑低木です。

ルリマツリモドキの品種

ルリマツリモドキ(Ceratostigma plumbaginoides)

中国中北部および中国南東部に分布する多年草です。

花期は7月~10月で、長い花期の間次々に花を咲かせます。

葉は倒卵形~披針形。
茎は節ごとにやや曲折し、ジグザクになります。

冬は地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。

ブータンルリマツリ(Ceratostigma griffithii)

中国西部からブータンに分布する常緑低木です。

花期は9月~10月。

葉はへら形~倒卵形、または類菱形。
樹高100㎝程度、枝は曲折せず真っすぐで、やや枝垂れます。
常緑性で、冬には葉が赤く色付きます(写真上)。

アルタイルリマツリ(Ceratostigma willmottianum)

Photo credit: wallygrom via VisualHunt.com / CC BY-SA

中国中北部および中国中南部、チベット原産の多年草で、チャイニーズプルンバーゴとも呼ばれます。

花期は7月~10月。

葉は倒卵状菱形~卵状菱形、まれに倒卵形。
よく分枝し、草丈100㎝程度に成長しこんもりと茂ります。
明るい黄金葉が美しい「デザートスカイ ‘Desert Skies’ 」という品種も流通しています。

ルリマツリモドキの育て方

ルリマツリモドキの育て方

栽培環境

日当たりの良い場所から半日蔭の場所まで適応します。
土質は特に選びませんが、水はけの良い環境で育てることが大切です。

ルリマツリモドキは地下茎で増えてよく広がります。
限られた場所に植える場合は、根域制限をした方が無難です。

冬越し

耐寒性があり、関東以西の地域では特に対策の必要はありません。
冬になって地上部が枯れた場合は、地際で刈り取って下さい。

土まで凍ってしまうような寒冷地の場合は、凍結対策を施して下さい。
鉢植えの場合は、水やりは午前中に済ませ、鉢土の凍結に注意して管理します。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
開花中に水切れをさせると、花がすぐに萎むので、水切れに注意して下さい。

肥料

庭植えの場合は、肥料はほとんど必要ありません。
肥料切れを起こして生育が悪くなるようなら、緩効性化成肥料を株元に置き肥して下さい。

鉢植えの場合は、4月~10月の生育期間中に、緩効性化成肥料を月に1回程度施すか、液体肥料を月に2回程度施します。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月、9月~10月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので、1~2年に一度、植え替えを行います。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けて下さい。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

切り戻し、剪定

低木状のブータンルリマツリは、よく枝を伸ばし草丈が高くなります。
高くなりすぎた場合は、花後に切り戻して下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月~9月です。

挿し穂にはその年に伸びた新しい枝を使います。
枝を7~10㎝程度の長さに切り取って、下部の葉を取り除きます。
水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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