多年草・宿根草 低木 庭木

エレモフィラ

学名…Eremophila
別名…ホワイトツリー
科名…ゴマノハグサ科
属名…エレモフィラ属
原産国…オーストラリア
花色…青、白、赤、ピンク、黄、オレンジ
樹高…50㎝~250㎝
日照…日なた(夏は半日蔭)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 10

エレモフィラとは

エレモフィラ

エレモフィラは、オーストラリアに約260種が分布するゴマノハグサ科エレモフィラ属の常緑性多年草、もしくは低木です。
260種の内1種はニュージーランドにも分布が見られますが、その他の種はすべてオーストラリア固有の植物となっています。
大半の種は西部の乾燥地帯を中心に分布しており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されます。

主に栽培されるのは、シルバーリーフのエレモフィラ・ニベア種(Eremophila nivea)と、カラフルな花色が魅力のエレモフィラ・マクラタ種(E. maculata)です。
両種ともに樹高2~3m程度に成長する常緑性低木です。
高温多湿な環境が苦手な上、耐寒性も低く、日本では大きく育つ前に枯れることが多いようです。

エレモフィラの主な花期は3月~5月。
花期になると、分枝した上部の枝の葉の付け根から、基部が筒状になった花を咲かせます。
花は品種により形が大きく異なっており、丸みを帯びたものや、細長いものがあります。

▼エレモフィラ・ニベアの花

エレモフィラ・ニベア

耐寒性、耐暑性共にあまり高く無く、鉢植え向きの植物です。
乾燥地帯に自生しているため、雨の避けられる環境が望ましいです。
暖地であれば霜対策をして戸外での冬越しが可能です。

エレモフィラの主な品種

エレモフィラ・ニベア(Eremophila nivea)

エレモフィラ・ニベア

オーストラリア西部の乾燥地帯に分布するエレモフィラです。
花は花径1.5㎝程度、長さ2~4㎝程度のベル状の合弁花で、花冠が5裂してやや反り返ります。
葉は線形で葉茎には細かい毛が密生しています。
花は透明感のある淡い青から紫色で、シルバーリーフとのコントラストが美しい植物です。
寄せ植えなどにもよく利用され、近年急速に人気の高まっている品種です。
ホワイトツリーの名前で流通することもあります。

エレモフィラ・トビーベル(Eremophila ‘Toby Bell’)

エレモフィラ

愛知県の渡会園芸から2010年に作出されたエレモフィラの園芸品種です。
葉は幅広でニベアに比べると花が大きいのが特徴です。
こちらもホワイトツリーの名前で流通することがありますが、ニベアほど毛が密でないため、やや緑を帯びたシルバーリーフになります。
花色は淡い紫色で四季咲き性が強い品種です。

エレモフィラ・マクラタ(Eremophila maculata)

エレモフィラ・マクラタ

Photo credit: Tatters ❀ via VisualHunt / CC BY

オーストラリアに広く分布しているエレモフィラで、主に河川沿いの平野部などに自生します。
花は基部が筒状になった唇形で、上唇が浅く4裂しています。
世界で最も普及しているエレモフィラで、個体によって花色が幅広く変化します。
花姿がエミューに似ていることから、エミューブッシュとも呼ばれています。
花色は黄、ピンク、赤、オレンジ、白など。

葉は細い披針形から長楕円形で、小さな内は少し毛がありますが、育つと無毛になるため緑葉です。

エレモフィラの育て方

エレモフィラの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
夏場は半日蔭の涼しい場所で、雨が避けられるような場所だと理想的です。

長雨にさらされるとニベアやドビー・ベルは葉が黒ずんで見苦しくなります。
年間を通して雨が避けられる場所が望ましいです。

冬越し、夏越し

冬越し

寒さには弱い性質ですが、霜の心配の無い暖地であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。
鉢植えの場合は、日当たりの良い軒下などに移動し、寒波が来る時のみ室内に取り込んで下さい。

その他の地域では、日当たりの良い室内で管理して下さい。
3℃以上の温度を保ち、乾燥気味に管理します。
用土の表面が乾いてから2~3日後に少量の水を与えるようにして下さい。

夏越し

高温多湿の環境が苦手です。

梅雨から秋にかけては長雨の当たらない場所に移動して下さい。
風通しが良く、できるだけ涼しい場所で管理することが夏越しのポイントです。

水やり

乾燥には強い性質です。

庭植えの場合は、水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

鉢植えの場合は、春の3月~5月、秋の9月~11月に緩効性化成肥料を月に1回、定期的に置き肥します。
庭植えの場合は、特に肥料を施す必要はありません。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月、9月~10月です。

根の成長が遅く、傷つけると枯れてしまうことがあります。
植え付け、植え替えは、根鉢を崩さず行います。

植え付け

用土は、市販の草花用培養土に赤玉土(小粒)かパーライトを2割ほど混ぜ込んで、水はけの良い土を作ります。
または、赤玉土(小粒)5・ピートモス(酸度調整済)2・パーライト3などの配合土を使って下さい。

植え替え

鉢植えの場合は、2~3年に一度、植え替えを行います。
根鉢は崩さず、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

剪定

剪定に弱い性質です。
強く剪定をすると枯れてしまうことがあるので、どうしても必要な場合を除いて剪定は行わないようにします。
特に株が小さい内は剪定が原因で枯れてしまうことがあるので注意して下さい。

適期は花後です。
不要な枝を切り取り、出来れば癒合剤を塗って下さい。
切り取った部分から少し枯れ込むことがありますが、株が大きくなっていれば枯れてしまうことは少ないです。

枯れ葉取り

株が大きくなると下葉が枯れてきます。
枯れた葉は取り除いて下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月頃です。

枝を5~10㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で管理し、用土の表面が乾いたら水やりをして、発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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