- 学名…Lonicera sempervirens L.
 - 和名…ツキヌキニンドウ(突貫忍冬)
 - 別名…ハニーサックル
 - 科名…スイカズラ科
 - 属名…スイカズラ属
 - 原産国…北アメリカ
 - 花色…赤、オレンジ、黄色
 - 樹高…6m(つる性)
 - 日照…日なた~半日蔭
 - 難易度…

 - USDA Hardiness Zone:5 to 9
 
ツキヌキニンドウ(ハニーサックル)とは

ツキヌキニンドウは、北アメリカ原産のスイカズラ科スイカズラ属のつる性低木です。
分布域はアメリカ東部から南東部にあり、森林の縁や開けた場所、低木林、道路沿い、石灰岩質の崖、河川沿いの湿った土壌などに自生しています。
ハニーサックルとも呼ばれます。
ハニーサックル(honeysuckle)というのは近縁種であるニオイニンドウ(Lonicera periclymenum)の英名で、英語圏ではツキヌキニンドウはコーラル・ハニーサックルと呼ばれています。
日本では観賞用として栽培されているスイカズラ属の植物全般をハニーサックルと呼ぶことがあります。
ツキヌキニンドウの花期は5月~10月。
花期になると、分枝した枝の頂部、または葉腋から花序を出し、花を咲かせます。
花序は穂状花序(すいじょうかじょ)で、花は数段に分かれ輪生状に付きます。
※穂状花序(すいじょかじょ)…主軸に花柄のない花が直接付く形の花序。
参照…花序の形-穂状花序
▼ツキヌキニンドウの花序

花は長さ4~5㎝の筒状で先が小さく5裂しています。
花冠は外側が赤く、内側は黄色~橙色。
▼ツキヌキニンドウの花

雄しべは5個、雌しべは1個。
花冠から突出します。
▼ツキヌキニンドウの雄しべと雌しべ

花色は、赤、オレンジ、黄色。
▼黄色のツキヌキニンドウ

果実は楕円形の液果(えきか)。
赤く熟します。
▼ツキヌキニンドウの果実

葉は対生し、卵形~長楕円形です。
葉裏は白粉を帯び、ごく短い葉柄があります。
▼ツキヌキニンドウの葉の様子

花序の下の1~2対の葉は2枚が合着しており、花序は葉を突き抜けて花を咲かせているように見えます。
ツキヌキニンドウの「ツキヌキ」はこの性質に由来しています。
▼ツキヌキニンドウの花序の下の葉

つるは最長6mまで伸びます。
アーチやフェンスに絡ませたり、行燈仕立てにして楽しみます。
▼大きく成長したツキヌキニンドウ

耐暑性、耐寒性に優れ、生育旺盛でよくツルを伸ばします。
病害虫の発生もほとんどなく、育てやすい植物です。
ツキヌキニンドウの主な品種と近縁種
ツキヌキニンドウの仲間であるスイカズラ属の植物は、北アメリカ、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに約180種が分布しています。
特に中国には100種以上が分布しており、日本にはスイカズラ(Lonicera japonica)など20種以上が自生しています。
ツキヌキニンドウの他にも、ヨーロッパ原産のニオイニンドウ、日本原産のスイカズラなどが栽培されており、ハイブリッド品種も流通しています。
ニオイニンドウ(Lonicera periclymenum)

ヨーロッパ原産の落葉性のつる性木です。
英名はハニーサックル。
花序には最大20個の花が付きます。
花色は赤、オレンジ、黄色、白。
つるは最長6mまで伸びます。
甘い香りがあり、花後には赤い果実が実ります。
ハニーサックルの名前は、花に甘い蜜と香りがあることに由来しています。
スイカズラ(Lonicera japonica)

日本の東北以南の地域、東アジア一帯に分布しており、普通に山野で見られます。
ジャパニーズ・ハニーサックルと呼ばれ、欧米では観賞用に栽培されますが、広く野生化して問題になっています。
花期は5月~6月。
筒状花は咲き進むに連れて白から黄色へと変化します。
花には甘い香りがあり、花後には黒い果実を実らせます。
スイカズラの名前の由来には諸説あり、花の蜜を吸うことから付いたとする説、口をすぼめたような形の花に由来するという説などがあります。
また、白と黄色の花が一つの枝に見られることから「キンギンカ(金銀花)」「キンギンカズラ(金銀葛)」の別名を持ちます。
ゴールドフレーム(Lonicera × heckrotii ‘Gold Flame’)

ツキヌキニンドウと園芸品種アメリカーナ(Lonicera × americana)との交配によるハイブリッド品種です。
花付きが非常に良く、香り高い有名品種。
花は外側が濃いピンク色からローズピンク、内側が橙色から黄色。
炎(Gold Flame)のように鮮やかな花色が特徴です。
ツキヌキニンドウ(ハニーサックル)の近縁種
ツキヌキニンドウ(ハニーサックル)が属するスイカズラ属の植物にはツル性木本と低木がありますが、低木ではヒョウタンボクなどが栽培されています。
ツキヌキニンドウ(ハニーサックル)の育て方

栽培環境
日当たりを好みますが、半日蔭でも育ちます。
日照時間が足りないと花付きが悪くなるので、少なくとも半日程度は日の当たる場所で育てて下さい。
土質は特に選びませんが、水はけの良い場所が適しています。
極端な乾燥を嫌うので、株元に直射日光が当たらないような場所だと理想的です。
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
寒さの厳しい地域では落葉しますが、春になれば再び芽吹きます。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植え鉢植え共に、5月~7月の生育期間中に、緩効性化成肥料を月に1回程度施すか、骨粉入りの固形油粕を施します。
植え付け、植え替え
適期は3月~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植え穴を掘り、腐葉土や完熟堆肥などをたっぷりと混ぜ込んで植え付けます。
鉢植えの場合は、赤玉土4・鹿沼土3・腐葉土3などの配合土を使うか、市販の草花用培養土に赤玉土を2割ほど混ぜたものを使用します。
剪定、誘引
剪定
剪定の適期は、12月~1月です。
花は春から伸びる新しい枝に咲きます。
不要な枝や、混み合った箇所を間引いて下さい。
コンパクトに育てたい場合は、強剪定も可能です。
誘引
よくツルを伸ばしますが、自ら絡み付く力は弱いので、紐などを使って誘引して下さい。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は7月~8月です。
挿し穂にはその年に伸びた枝を使います。
やや硬くなって充実した枝を2~3節分の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理して発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。
 