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バイカウツギ

バイカウツギ

育て方のポイント

バイカウツギの育て方早見表

バイカウツギは、初夏に梅に似た白い花を咲かせる日本原産の落葉低木です。 花には芳香があり、庭木や茶花としても親しまれています。 日なたを好みますが半日陰でも育ち、花後すぐに剪定することで翌年も花を楽しみやすくなります。

分類
落葉低木
開花期
5月~6月
花色
樹高
1m~3m。庭木では剪定で樹形を整える
日照
日なた~半日陰。花付きをよくするなら日なた向き
適した場所
日当たりがよく、西日が強く当たりすぎない場所
水やり
庭植えはほぼ降雨のみ。鉢植えは表土が乾いたらたっぷりと水やりをします
肥料
1月~2月に寒肥、花後にお礼肥を施す
植え付け
12月、2月~3月の落葉期
剪定
花後の6月中旬~7月中旬。8月以降の強剪定は避ける
冬越し
耐寒性は高い。雪が多い地域では枝折れ対策をする
増やし方
挿し木。6月上旬~7月上旬が適期
病害虫
アブラムシ、カイガラムシに注意

育て方のコツ: バイカウツギは丈夫で育てやすい花木ですが、花をよく咲かせるには日照と剪定時期が大切です。 翌年の花芽は夏以降に作られるため、剪定は花後すぐに行います。 古くなった枝や混み合った枝を整理し、風通しのよい樹形を保ちます。

バイカウツギの基本情報

  • 学名…Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton
  • 和名…バイカウツギ(梅花空木)
  • 別名…サツマウツギ
  • 科名…アジサイ科
  • 属名…バイカウツギ属
  • 原産国…日本
  • 花色…白
  • 樹高…1m~3m
  • 日照…日なた~半日陰
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:

バイカウツギとは

バイカウツギは、日本に分布するアジサイ科バイカウツギ属の落葉低木です。
日本固有種で、分布域は本州、四国、九州にあり、山野の林縁などに自生しています。

美しい花と香りから世界で広く栽培されており、16世紀にはヨーロッパで紹介されています。
日本では古くから庭木や茶花として親しまれてきた花木です。


バイカウツギの花期は5月~6月。
花期になると、分枝した枝先に集散花序を出し、5~9個の花を咲かせます。

▼バイカウツギの花序

バイカウツギの花序

花は直径2~4㎝の4弁花です。
花弁は広卵形で平らに開きます。

▼バイカウツギの花

バイカウツギの花

雄しべは20個程度、雌しべは先が4裂しています。

▼バイカウツギの雄しべと雌しべ

バイカウツギの雄しべと雌しべ

花は梅の花に似ており、芳香があります。
花色は白のみで、一重咲きの他、半八重、八重咲き品種も流通しています。

▼八重咲きのバイカウツギ

八重咲きのバイカウツギ

果実は長さ7~8㎜の蒴果。
熟すと4裂し、中の種子がこぼれます。


葉は対生し、長さ4~10㎝、幅2~4㎝の先が尖った卵形で、縁に浅い鋸歯がまばらにあります。
葉裏の葉脈には毛がまばらに生えており、この毛が多く密生しているものをニッコウバイカウツギ(別名:ケバイカウツギ)と呼びます。
葉柄は0.5~1㎝です。

▼バイカウツギの葉の様子

バイカウツギの葉の様子

枝はよく分枝し、樹高1~3m程度に成長します。
ウツギの名の通り枝の中は中空で、「バイカウツギ」とは「梅に似た花を咲かせる茎が中空の木」という意味です。

▼大きく成長したバイカウツギ

大きく成長したバイカウツギ

放っておくと樹形が乱れやすいため、花後に剪定して樹形を整えます。
丈夫で育てやすい花木です。

自生地の北限は岩手県南部です。

バイカウツギの主な品種

バイカウツギには、日本に自生するバイカウツギのほか、近縁種や園芸品種が流通しています。 代表的な種類・品種を比較すると、次のようになります。

種類・品種 特徴 花の特徴 香り 庭木としてのポイント
バイカウツギ 日本原産の落葉低木。庭木や茶花として古くから親しまれる。 梅に似た白い4弁花。一重咲きのほか、半八重・八重咲きも流通する。 芳香あり 丈夫で育てやすいが、樹形が乱れやすいため花後の剪定が大切。
セイヨウバイカウツギ トルコからコーカサス地方などを原産とする近縁種。 バイカウツギによく似た白い4弁花を咲かせる。 芳香あり 多くの園芸品種の元になっている。
ベル・エトワール セイヨウバイカウツギなどを交配して作出された園芸品種。 花弁の基部が紅色になり、花付きがよい。 強い芳香あり 「香りバイカウツギ」の名前でも流通し、香りを楽しむ庭木に向く。

セイヨウバイカウツギ(Philadelphus coronarius)

セイヨウバイカウツギ

トルコからコーカサス地方を原産とするバイカウツギの近縁種です。
※バイカウツギと同一種とする説もあり、また、イタリア、オーストリアなどを原産とする説もあります。

北米では広く栽培されており、アメリカ東部を中心に帰化植物として定着しています。

バイカウツギによく似た白い4弁花を咲かせます。
雄しべは20~50個、雌しべの先は4裂しています。

セイヨウバイカウツギから数多くの園芸品種が作出されています。

バイカウツギ ‘ベル・エトワール’(Philadelphus ‘Belle Etoile’)

バイカウツギ・ベルエトワール

セイヨウバイカウツギに北米原産のミクロフィラルス(Philadelphus microphyllus)とメキシカナス(Philadelphus mexicanus)を交配して作出された園芸品種です。

花弁の基部が紅色になり、バイカウツギに比べると花付きが非常に良いのが特徴です。
強い芳香を持っており「香りバイカウツギ」の名前でも流通しています。

バイカウツギに似た名前の花木

「ウツギ」と名前に付く花木には、バイカウツギのほかにもウツギ属の植物があります。
名前は似ていますが、属や花の形が異なるため、違いを比較しておくと分かりやすくなります。

種類 分類 特徴 花期 花色
バイカウツギ アジサイ科バイカウツギ属 梅に似た白い花と芳香が特徴の落葉低木。 5月~6月
ウツギ アジサイ科ウツギ属 ウノハナとも呼ばれる日本原産の落葉低木。 5月~6月 白、ピンク
ヒメウツギ アジサイ科ウツギ属 樹高が低く、こんもりまとまりやすい小型のウツギ。 4月~5月
サラサウツギ アジサイ科ウツギ属 ウツギの八重咲き品種で、花の外側が紅紫色を帯びる。 5月~6月上旬 白、淡紅紫色

このほか、タニウツギ属のタニウツギハコネウツギなども庭木としてよく植栽されています。

バイカウツギの育て方

バイカウツギの育て方

栽培環境

日なたを好みますが、半日陰でも育ちます。
日照時間が足りないと花付きが悪くなるので、美しい花と香りを楽しむためには、できればよく日の当たる場所で育ててください。
強い西日を嫌うので、西日が当たらない場所が適しています。

夏越し、冬越し

夏越し

日本に自生しているので、特別な対策をしなくても夏越しできます。

冬越し

耐寒性は高く特に対策の必要はありません。

自生地の北限は岩手県ですが、北海道でも栽培されています。
雪の重みで枝が折れることがあるので、雪が多い地方では枝を束ねるなどの対策を施してください。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

肥料

1月~2月に寒肥として、緩効性化成肥料や、油粕と骨粉を混ぜたものを株元に施します。
花後はお礼肥として、同様の肥料を与えると生育がよくなります。

植え付け・植え替え

適期は12月、2月~3月の落葉期です。

植え付け

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで水はけが良く、肥沃な土壌を作っておきます。
植え付けた後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませます。
必要であれば支柱を立ててください。

鉢植えの場合は、赤玉土2・腐葉土1などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は2~3年に一度、植え替えを行ってください。

バイカウツギの花が咲かない原因

バイカウツギの花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期の間違い、古い枝が多くなっていることなどが原因として考えられます。
半日陰でも育ちますが、日照時間が足りないと花付きが悪くなるため、花をたくさん楽しみたい場合はよく日の当たる場所で育てます。

また、バイカウツギは夏以降に翌年の花芽を作ります。
8月以降に強く剪定すると花芽を切ってしまうことがあるため、剪定は花後すぐの6月中旬~7月中旬に行います。

古くなった枝が多い株では、枝先に花が少なくなることがあります。
花後の剪定で古枝を株元から間引き、新しい枝に更新していくと花付きがよくなります。

剪定

放任していても花はよく付きますが、かなりワイルドな樹形になります。
成長も早いので、1年に一度は剪定を行った方が美しい樹形を保てます。

適期は花後の6月中旬~7月中旬です。
8月になると翌年の花芽が作られるので、花後すぐに剪定を行ってください。

剪定方法

古くなって花付きが悪くなった枝を株元から間引きます。
長く伸びすぎた枝があれば、枝分かれしている部分で切り取ってください。
また、内側で葉が茂って風通しや日当たりを妨げているような枝も、枝分かれしている部分で切り取ります。

増やし方

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は6月上旬~7月上旬です。

挿し穂には当年枝(その年に伸びた枝)を使います。
枝の緑が抜けてきて固まりかけたら、先端から10㎝程度の長さに切り取ってください。
水揚げをしたら挿し木用土に挿します。
発根までは水を切らさないように明るい日陰で管理してください。

病気・害虫

春先によくアブラムシが付きます。
見付け次第駆除してください。
またカイガラムシの発生もよくあるので、注意してください。

よくある質問

バイカウツギのよくある質問

バイカウツギを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、剪定時期、香り、鉢植えでの管理、ウツギとの違いなどを確認しておきましょう。

バイカウツギの花が咲かない原因は?

バイカウツギの花が咲かない場合は、日照不足、剪定時期の間違い、古い枝が多くなっていることなどが原因になることがあります。 半日陰でも育ちますが、日照時間が足りないと花付きが悪くなります。 また、8月以降に強く剪定すると、翌年の花芽を切ってしまうことがあります。

バイカウツギの剪定時期はいつですか?

バイカウツギの剪定適期は、花後の6月中旬~7月中旬です。 8月頃になると翌年の花芽が作られるため、花後すぐに剪定します。 古くなって花付きが悪くなった枝や、混み合った枝を株元から間引いて風通しをよくします。

バイカウツギは強剪定できますか?

バイカウツギは生育旺盛で枝がよく伸びるため、必要に応じて古い枝を整理できます。 ただし、枝先に翌年の花芽が作られるため、時期を間違えると花数が減ります。 樹形を大きく整える場合も、花後の早い時期に行うのがおすすめです。

バイカウツギは半日陰でも育ちますか?

バイカウツギは半日陰でも育ちます。 ただし、花と香りをしっかり楽しみたい場合は、よく日の当たる場所の方が向いています。 強い西日は苦手なので、日当たりがよく、西日が強く当たりすぎない場所が適しています。

バイカウツギには香りがありますか?

バイカウツギの花には芳香があります。 特に「ベル・エトワール」は強い芳香を持ち、「香りバイカウツギ」の名前でも流通しています。 香りを楽しみたい場合は、庭の通路沿いや窓の近くなどに植えると季節感を楽しみやすくなります。

バイカウツギは鉢植えでも育てられますか?

バイカウツギは鉢植えでも育てられます。 鉢植えでは水切れしやすいため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。 2~3年に一度を目安に植え替え、根詰まりを防ぎます。

バイカウツギとウツギの違いは?

バイカウツギはアジサイ科バイカウツギ属、ウツギはアジサイ科ウツギ属の植物です。 どちらも「ウツギ」と名前に付きますが、分類は異なります。 バイカウツギは梅に似た白い花と芳香が特徴で、ウツギはウノハナとも呼ばれる花木です。

バイカウツギの増やし方は?

バイカウツギは挿し木で増やすことができます。 適期は6月上旬~7月上旬です。 その年に伸びた枝を10cm程度に切り取り、水揚げしてから挿し木用土に挿します。 発根までは水を切らさないように、明るい日陰で管理します。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

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