
見分け方のポイント
ウスベニアオイとゼニアオイの違い早見表
ウスベニアオイとゼニアオイはよく似ていますが、花の付き方、葉の切れ込み、茎の毛を見ると見分けやすくなります。 ただし中間的な特徴を持つ株もあり、見た目だけで正確に判断するのが難しい場合もあります。
- 花の数
- ウスベニアオイは葉の付け根に1~4個、ゼニアオイは5~15個付きやすい
- 花色
- ウスベニアオイは淡いピンク~赤紫色、ゼニアオイは濃いピンク~紫色が多い
- 花弁の形
- ウスベニアオイは花弁のくぼみがやや深く、ゼニアオイは浅い凹形になりやすい
- 葉の形
- ウスベニアオイは切れ込みが深く、ゼニアオイは浅く円形に近い
- 茎の毛
- ウスベニアオイは茎に荒い毛があり、ゼニアオイは一般的に無毛
- 流通名
- コモンマロウの名前で、ウスベニアオイだけでなくゼニアオイが流通することもある
見分け方のコツ: 1つの特徴だけで判断せず、花の付き方、葉の切れ込み、茎の毛の有無をあわせて確認します。 道端で見かけるマロウはゼニアオイが多いですが、ウスベニアオイが野生化している場合もあるため注意します。
ウスベニアオイとゼニアオイは非常によく似た草姿をしています。
どちらもヨーロッパ西部から北アフリカを原産とする、アオイ科ゼニアオイ属(マロウ属)の多年草です。
草姿が酷似しているのは当然で、ゼニアオイはウスベイアオイの変種、または園芸種です。
ゼニアオイと言えば江戸時代に渡来して、本州以南の地域で野生化している帰化植物です。
多くは市街地に自生しており、道端で見かけるマロウの花は、多くの場合ゼニアオイです。
しかしながら、ウスベニアオイも野生化しているのが各地で確認されており、道端に生えているからといって、ゼニアオイとは限りません。
また、流通名も混乱していることが多く、コモンマロウと言えば通常ウスベニアオイを指しますが、ゼニアオイもコモンマロウの名前で呼ばれていることがあります。
現在では日本でコモンマロウとして流通している苗の多くがゼニアオイのようです。
庭で育てているコモンマロウはウスベニアオイですか?それともゼニアオイですか?
ここではそんな両種の違いを解説していきます。
※ゼニアオイには様々な学説があり、ヨーロッパではウスベニアオイの園芸種の一種として扱うのが一般的となっていますが、The Jepson Herbariumでは変種、Flora of Chinaでは別種として扱われています。
ウスベニアオイとゼニアオイの違い
酷似した草姿の両種ですが、よく見ると違いがあります。
ウスベニアオイとゼニアオイの花の違い
▼ウスベニアオイの花

花色は淡いピンク~赤紫色で、花弁は凹形、葉の付け根に1~4個が付きます。
※まれに5個の花が付くことがあります。
▼ゼニアオイの花

花色は濃ピンク~紫色で、花弁は浅い凹形、葉の付け根に5~15個が付きます。
※5個以下のことがあります。
花色だけで見分けるのは難しい
ウスベニアオイは淡いピンク~赤紫色、ゼニアオイは濃いピンク~紫色の花を咲かせることが多いですが、花色だけで見分けるのは難しい場合があります。
花色には個体差があり、淡い色のゼニアオイや、濃い色のウスベニアオイのように見える株もあります。
見分けるときは花色だけで判断せず、花の付き方、葉の切れ込み、茎の毛の有無をあわせて確認します。
ウスベニアオイとゼニアオイの葉の違い
▼ウスベニアオイの葉

葉は5~7裂し、切れ込みが深いのが特徴です。
▼ゼニアオイの葉

葉は浅く5~7裂した円形に近い形です。
※写真のゼニアオイの葉は特に切れ込みの少ないものです。
ウスベニアオイとゼニアオイの茎の違い
▼ウスベニアオイの茎

全体に荒い毛が生えています。
▼ゼニアオイの茎

一般的に茎は無毛です。
※葉柄の上部の溝には毛があります。
まとめ
ウスベニアオイとゼニアオイはよく似ていますが、花、葉、茎を比べると違いが分かりやすくなります。
主な違いをまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | ウスベニアオイ | ゼニアオイ |
|---|---|---|
| 花色 | 淡いピンク~赤紫色 | 濃いピンク~紫色 |
| 花の付き方 | 葉の付け根に1~4個が束生する。まれに5個付くこともある | 葉の付け根に5~15個が束生する。5個以下の場合もある |
| 花弁の形 | 花弁は凹形で、くぼみがやや目立つ | 花弁は浅い凹形 |
| 葉の形 | 5~7裂し、切れ込みが深い | 浅く5~7裂し、円形に近い |
| 茎 | 全体に荒い毛が生えている | 一般的に無毛。葉柄の上部の溝には毛がある |
| 見分けるときの注意 | 中間的な特徴を持つ株もあり、花・葉・茎を総合して判断する | 道端で見かけるマロウはゼニアオイが多いが、例外もある |
ただし、淡い色の花で茎に毛があるのに葉が丸い…なんていう両種の中間のような草姿のものもあり、正確な同定は難しいのかもしれません。
ちなみにページトップの写真は筆者宅のマロウですが、どうやらゼニアオイのようです。
花色は薄いのですが、葉の切れ込みが浅く、茎は無毛、5個以上の花が葉の付け根に付きます。
何となく残念な気分になるのは気のせいでしょうか(笑)
その後「コモンマロウ(Malva sylvestris)」と記載のある種を購入し、育てたのがこちら。

紫色の花が咲くのは分かっていたのですが、花弁は浅い凹形、花は1~4個が束生。
葉は微妙に円形で、茎は無毛。
ゼニアオイ…なんでしょうか??
いつか「これぞウスベニアオイ」という苗に出会いたいものです。
それまでに庭がマロウ畑になりそうですが(笑)
どちらにせよ、ハーブティーとして楽しむ分には問題ありません。
乾燥した花で入れたハーブティーは美しいブルーを発色し、レモンを加えるとパッとピンクに染まります。
夜明けのハーブティーと呼ばれる所以です。
よくある質問
ウスベニアオイとゼニアオイのよくある質問
ウスベニアオイとゼニアオイを見分けるときによくある疑問をまとめました。 コモンマロウとの関係や、道端で見かけるマロウ、ハーブティーとしての利用について確認しておきましょう。
ウスベニアオイとゼニアオイの一番分かりやすい違いは?
見分けるときは、花の付き方、葉の切れ込み、茎の毛を確認します。 ウスベニアオイは葉の付け根に1~4個の花を付け、葉の切れ込みが深く、茎に荒い毛があります。 ゼニアオイは葉の付け根に5~15個の花を付け、葉は円形に近く、茎は一般的に無毛です。
コモンマロウはウスベニアオイですか?
通常、コモンマロウという名前はウスベニアオイを指します。 ただし流通名は混乱していることがあり、ゼニアオイがコモンマロウの名前で販売されることもあります。 苗や種を購入した場合でも、花や葉、茎の特徴を見て確認するとよいでしょう。
道端に咲いているマロウはゼニアオイですか?
道端や市街地で見かけるマロウは、ゼニアオイであることが多いです。 ただしウスベニアオイも野生化していることがあるため、道端に生えているからといって必ずゼニアオイとは限りません。 花の付き方、葉の切れ込み、茎の毛をあわせて確認します。
ゼニアオイはウスベニアオイの変種ですか?
ゼニアオイの扱いには複数の考え方があります。 ウスベニアオイの変種、園芸種、または別種として扱われることがあり、資料によって分類が異なります。 園芸や観察では、花の付き方や葉、茎の違いを手がかりに見分けます。
ウスベニアオイとゼニアオイはハーブティーにできますか?
どちらもマロウとしてハーブティーに利用されます。 乾燥した花で入れたハーブティーは青色になり、レモンを加えるとピンク色に変化します。 食用として利用する場合は、農薬の使用履歴が分かる花を使うようにします。
花色だけでウスベニアオイとゼニアオイを見分けられますか?
花色だけで見分けるのは難しいです。 ウスベニアオイは淡いピンク~赤紫色、ゼニアオイは濃いピンク~紫色が多いですが、個体差があります。 花色だけでなく、花の数、葉の切れ込み、茎の毛をあわせて確認します。
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