- 学名…Allium triquetrum L.
- 和名…ミツカドネギ(三角葱)
- 別名…アリウム・トリケトラム
- 科名…ヒガンバナ科
- 属名…ネギ属
- 原産国…地中海沿岸地域
- 花色…白
- 草丈…15㎝~60㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:7 to 10
ミツカドネギとは

ミツカドネギは、地中海沿岸地域に分布するヒガンバナ科ネギ属の多年草です。
分布域は南西ヨーロッパ、北西アフリカ、北大西洋のマデイラ諸島、カナリア諸島に広がっており、牧草地や伐採された森林など、日当たりの良くやや湿り気のある場所に自生しています。
観賞用として栽培されていたものが逸出し、各地で野生化しています。
イギリス、ニュージーランド、オーストラリア、南北アメリカで帰化しており、最近では日本でも道端などで見かけます。
ネギと名の付く通りネギ属に分類されている植物で、ネギやニラの仲間です。
英語圏ではミツカドネギなど、野生しているネギの仲間をワイルドオニオンと呼び、野性味のある風味をハーブの一種として楽しみます。
ミツカドネギも全草が食用とされており、バターと混ぜてガーリックバターのように使用したり、葉や花を炒め物にしたり、球根はピクルスなどに利用されています。
日本では観賞用として栽培されており、学名であるアリウム・トリケトラムの名前で呼ばれます。
ミツカドネギの花期は4月~5月。
花期になると、葉の中から伸ばした花茎の頂部に、3~15個の白い花を咲かせます。
▼ミツカドネギの花序

花は長さ1~2㎝程度の釣り鐘形です。
花被片は6個、花被片の内側には鮮やかなグリーンの線が入ります。
▼ミツカドネギの花

雄しべは6個、雌しべは1個、雄しべの葯は黄色です。

花茎の断面は三角形で、ミツカドネギの名前の由来となっています。
▼ミツカドネギの花茎

葉は扁平な線形で2~3枚が根出し、15~60㎝程度に伸びます。
葉の裏側にはニラのように稜があります。
葉茎は傷つけるとネギやニラのように高く香ります。
▼ミツカドネギの葉

現在ミツカドネギが流通しているのは見かけませんが、以前に導入されたものが各地で野生化しているようです。
生育旺盛で放任でもよく花を咲かせ、よく増えます。
▼たくさんの花を咲かせたミツカドネギ

食用に当たっての注意点
ミツカドネギは全草が食用として利用されていますが、似たような葉を持つ植物には有毒なものがあります。
スイセンなどヒガンバナ科の植物には強い毒性を持つものが多く、ニラと誤食して中毒症状を起こした症例が毎年発生しています。
明確にミツカドネギと同定できない場合は食べないようにして下さい。
関連図鑑
ミツカドネギと同じネギ属の中で観賞用に栽培される品種群をアリウムと呼んでいます。