和名…シナワスレナグサ(支那勿忘草)
別名…シノグロッサム
科名…ムラサキ科
属名…オオルリソウ属
原産国…中国
花色…青
草丈…30~60㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:6 to 9
シナワスレナグサ(シノグロッサム)とは
シナワスレナグサは、中国、ブータンに分布するムラサキ科オオルリソウ属の一年草です。
中国では北部から西部の甘粛省、貴州省、四川省、瑞山市、雲南省に分布しており、標高2600~3700mの丘陵地帯の牧草地や草原、森林の開口部など、日当たりの良い場所に自生しています。
「ワスレナグサ」と名前に付きますが、ワスレナグサはワスレナグサ属に分類されており、シナワスレナグサの近縁種というわけではありません。
属名からシノグロッサムとも呼ばれています。
シナワスレナグサの仲間であるオオルリソウ属の植物は、極地や砂漠、高山地帯以外の世界中に約55種が分布しており、日本にもオオルリソウ(Cynoglossum furcatum var. villosulum)や、オニルリソウ(C. asperrimum)などが自生しています。
シナワスレナグサに比べると花は極小ですが、花序の様子や花の形は似ています。
シナワスレナグサの花期は5月~6月。
花期になると、伸びた茎の先に花序を出し、ワスレナグサに似た花径0.5~1㎝程度の花を多数咲かせます。
花は花冠が深く5裂して平らに開き、中央には小さな副花冠があります。
副花冠とはスイセンなどに見られる弁状の付属物で、ワスレナグサの副花冠は鮮やかな黄色をしていますが、シナワスレナグサの副花冠は黄色くありません。
▼シナワスレナグサの花
基本種の花色は青ですが、園芸品種にはピンク色の花を咲かせるものもあります。
▼ピンク色の花を咲かせるシナワスレナグサ
根際から生える葉はへら状、茎葉は先の尖った楕円形で茎に対生します。
葉の表面には細かい毛が密生しているため、やや白味を帯びています。
茎は分枝して花を咲かせながら、草丈30~60㎝程度に成長します。
▼シナワスレナグサの葉の様子
秋に種をまき、春に花を咲かせる秋まき一年草です。
耐寒性があり、育てやすい植物です。
ワスレナグサより株も花も大きく野性味がありますが、鮮やかな青い花は魅力的です。
種まきからでも容易に育てることが出来ます。
シナワスレナグサ(シノグロッサム)の育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日当たりさえ良ければ土質は特に選ばないので、よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
寒冷地の場合は、春に蒔いて夏に花を楽しみます。
耐暑性はないので、寒冷地以外の場合は秋まきをして下さい。
水やり
庭植えの場合は、植え付け後しばらくは乾燥に注意しますが、根付いてしまえばほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植え、鉢植え共に植え付け時に元肥を施しておきます。
追肥は春の3月~4月頃に、化成肥料、または液体肥料を施します。
種まき
適期は秋の9月下旬~10月です。
※寒冷地の場合は、春の4月中旬~5月頃に種をまきます。
発芽温度は20℃前後です。
種は播種箱やピートバンに2~3㎝の間隔で点まきします。
覆土は種が隠れる程度に軽く。
発芽後、本葉が2~3枚程度になったらポット上げして下さい。
しばらく育苗しポットに根が回ったら定植します。
植え付け
直根性で移植を嫌います。
植え付けの際は根を傷めないよう注意して下さい。
庭植えの場合は、用土に完熟たい肥や腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
株間は30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
株間は20㎝程度です。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことでできます。
種の採取
花後にひっつき虫のような返しの付いた小さな果実が多数実ります。
茶色くなったらしっかりと種が熟しているので、採取して下さい。
種は封筒などに入れて涼しい場所で保管して下さい。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
アブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。