多年草・宿根草 ハーブ

スイートマジョラム

学名…Origanum majorana
和名…マヨラナ
別名…マジョラム、マージョラム、ノッテッド・マジョラム
科名…シソ科
属名…ハナハッカ属(オレガノ属)
原産国…キプロス、トルコ
花色…白
草丈…20~50㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 10

スイートマジョラムとは

スイートマジョラム

スイートマジョラムは、キプロス、トルコ原産のシソ科ハナハッカ属(オレガノ属)の多年草です。
オレガノとは同属の近縁種で、同様にハーブとして利用されています。

スイートマジョラムは古代ギリシャ時代から栽培されてきた長い歴史を持ちます。
古代ギリシャやローマでは幸福の象徴とされ、広く料理に用いられていました。
現在では地中海料理に欠かせない香辛料として、ヨーロッパでは最も多く利用されているハーブの一つとなっています。
また、花や葉から精製される精油は香味料としてだけでなく、香水や石鹸などにも利用されています。

スイートマジョラムの花期は6月~7月。
花期になると、分枝した枝先に花序を出し、小さな白い花を咲かせます。
花序は苞が連なった球状で特徴的な形をしています。
このコブのように見える花序の形から、英名は「結び目のあるマジョラム」という意味の「ノッテッド・マジョラム(knotted marjoram)」となっています。
花は径3㎜程度の唇形花で、花序は下から上へと咲き進むに連れて伸びていきます。

▼スイートマジョラムの花序と花

スイートマジョラムの花

葉は長さ0.5~2㎝程度の卵形~楕円形で、対生します。
葉茎には微細な毛が密生しており、茎は赤みを帯びます。
株は分枝して花を咲かせながら草丈20~50㎝程度に成長します。

▼スイートマジョラムの葉の様子

スイートマジョラム

耐寒性はあまり高くありません。
暖地では戸外での冬越しが可能ですが、その他の地域では室内に取り込むか、一年草として扱います。
また、夏場の高温多湿の環境が苦手な性質のため夏越しにも注意が必要です。

スイートマジョラムの近縁種

スイートマジョラムの育て方

スイートマジョラムの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿の環境が苦手な性質なので、風通しが良い場所で育てて下さい。
また、庭植えの場合は一段高くなった花壇に植えたり、盛り土をして高植えにするなどの工夫をして下さい。

中性~アルカリ性の土壌を好みます。
植え場所が酸性の場合は、苦土石灰をまいて土壌を中和しておいて下さい。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒温度は-5℃程度で、霜に当たると葉が傷んだり、枯れこんでしまうことがあります。

暖地であれば、霜の避けられる場所で戸外での冬越しが可能ですが、その他の地域では一年草として扱うか、鉢上げをして室内に取り込んで冬越しをさせて下さい。
鉢上げをする場合は、遅くとも10月中に株を掘り上げ、草丈の半分程度の高さで切り戻します。
室内では日の当たる窓際などで管理します。

夏越し

高温多湿の環境が苦手な性質です。
蒸れから枯れてしまうのを防ぐため、梅雨前になったら収穫を兼ねて切り戻しを行います。
地際から1/3程度を残して刈り込んで下さい。

また、鉢植えの場合は雨の当たらない軒下などに移動します。

水やり

乾燥気味の環境を好み、過湿な環境が続くと根腐れを起こしやすくなります。

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてから2、3日後にたっぷりと水やりをします。
鉢皿を置いている場合は、水が溜まったまま放置しないようにして下さい。

肥料

あまり多くの肥料が必要な植物ではありません。

庭植え、鉢植え共に、元肥として緩効性化成肥料を施します。
追肥は、切り戻しや収穫の後に緩効性化成肥料、または液体肥料を施します。

植え付け、植え替え

適期は春の4月~5月です。

植え付け

庭植え

中性~アルカリ性の土壌を好みます。
植え場所が酸性の場合は、苦土石灰をまいて土壌を中和しておいて下さい。
植穴を掘ったら、用土に腐葉土を混ぜ、さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。

水はけの良い環境を好むので、一段高くなった花壇や、盛り土をして高植えにすると長雨の時期に根腐れをすることが少なくなります。
株間は30㎝程度です。

鉢植え

市販の草花用培養土やハーブ用の培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土4の配合土に少量の苦土石灰を混ぜて土を作ります。
土を作った場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおいて下さい。
6~7号鉢に1株が目安です。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら植え替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩し、新しい用土で一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

収穫、切り戻し

草丈が20㎝程度になって枝数が増えたらいつでも収穫可能です。
必要な分だけ摘み取って利用して下さい。

保存用に収穫する場合は、最も香りが高くなる開花直前に収穫します。
草丈の1/3程度を残して、刈り込んで下さい。
収穫した茎は、風通しの良い日陰で乾燥させます。

また、枝数が増えて込み入っているようなら、蒸れを防ぐため、適宜枝を切って株を透かします。

増やし方(株分け、挿し芽、種まき)

株分け、挿し芽、種まきで増やすことが出来ます。

株分け

適期は春の4月~5月です。
掘り上げた株をハサミなどで切り分けて植え付けて下さい。

挿し芽

適期は春の5月頃です。

茎を先端から10㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下部の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

種まき

適期は春の4月~5月です。

種が細かいので、種は播種箱などに蒔き、覆土はごく薄く。
発芽温度は20℃程度です。
水やりは底面給水で行い、発芽までは乾かさないように注意します。
発芽後は込み合った箇所を間引き、本葉が4~6枚程度になったら定植します。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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